ゲストは漢方茶専門オンラインショップ、カンポースタンドの店主、山崎かおるさん !

Q.漢方で「休養」って、どのように考えられているのか?
漢方では疲れた時は「ただ休む」だけでなく、「しっかり栄養を摂ること」までをセットで「休養」と呼びます。これが「休養食」「食養生」の考え方。

体に合わせ食事を選ぶことを「薬膳」と呼び、2025年流行語大賞にもノミネート。(NHKドラマ「しあわせは食べて寝て待て」でも注目されました)ちなみに、台湾では食養生が生活になじんでいて、暑ければ冷たいものではなく、体を冷ます食材を。寒ければ温めるだけでなく、巡りを良くして栄養を補います。

Q.食材選びの基本的な考え方は?
一番シンプルな考え方: 体には「陰」と「陽」がある。「陽(よう)」は、気(エネルギー): これが足りないと、朝(陽の時間)シャキッと起きられません。エンジンがかからない状態例えば、白米、根菜類など炭水化物でエネルギーになるもの。「陰」は、血と水(栄養や潤い): これが足りないと、夜(陰の時間)にスーッと眠りに入れない。ガソリンが足りない状態。陰の食材は、お肉、お魚、豆腐、牛乳。たんぱく質など血と潤いになるもので、休みたい時には、まず体に「陰(栄養と潤い)」を補充することが大切です。

寒波で冷え切った体を温める休養食「麻油鶏」

「麻油(マーヨー)」=ごま油、「鶏(ジー)」=鶏肉。台湾料理の一つで、鶏肉と生姜を米酒で煮込んだスープのこと。台湾の冬の定番であり、街中の食堂などでもメニューがあります。

また、女性の「産後の回復食」としてよく食べられていて、女性のために必要な栄養と元気がしっかり取れる、スーパー休養食!

寒波で冷え切った体を温める休養食【麻油鶏(マーヨージー)】の画像はこちら >>
  • 鶏肉: 台湾では骨ごと。回復のためのたんぱく質、アミノ酸。
  • ごま油: 体を内側から潤してくれる「バリア」。乾燥対策。
  • 生姜: 熱を生み出し、体を温める力を付ける。お酒: 巡りを良くして、栄養を全身に届ける。

▼材料(2人前)

  • 鶏手羽元:6本~8本
  • 生姜:50g(2mm厚のスライス20~30枚程度)
  • クコの実(あれば)10粒程度
  • ごま油:大さじ2~3
  • 酒・水:各200ml、塩:ひとつまみ


▼作り方

  • 生姜を2mm幅に薄くスライスします。皮付きのままでもOK。
  • 鍋にごま油(大1)と生姜を入れ、生姜のふちがチリチリになるまで3~5分ほど炒め、一度取り出す。
  • ごま油(大1)を足して、鶏手羽元を中火で焼く。
  • 鶏こんがり焼き色が付いたら、生姜を戻し、酒と水を入れてひと煮立ちさせる。
  • 酒アルコールが飛んだら、フタをして弱火で15~20分煮る。
  • さっと洗ったクコの実を入れて、味を見ながら塩を加える。

  • スー・宇賀神「体があったまる!」「優しい味」「ごま油の香りがふわっと広がって、おいしい!」

    Q.スープで食べることが多い薬膳。これには何か理由がある?

    鶏肉のアミノ酸をじっくり煮出して、液体という一番お腹にやさしい形で届けるため。台湾の食堂で必ずスープが付くのは、この「陰の栄養」を欠かさないため。今、美容界隈で「ボーンブロス(骨スープ)」も流行っているが、麻油鶏はまさにその元祖かも。骨から出る深い栄養を、生姜とお酒でより効率よく届ける「進化系ボーンブロス」。おばあちゃんの知恵が、実は最先端の美容法だったのかも?

    栄養と満足感を上げる「麻油煎蛋麺線(マーヨウジェンダンミェンシェン)」

    ごま油で生姜と卵を炒めた、台湾の伝統的な家庭料理が「麻油煎蛋」、「麺線」はそうめんに似た細い乾麺。とろみのついたカツオだしのスープで煮た、台湾の夜市や朝食でよく食べられるもので麺線の上に麻油鶏蛋をのっけた料理です。今回は、手軽に作れるようにそうめんを使用。卵の栄養が加わりさらにパワーアップ。スープに浸して食べると絶品!炭水化物は気(エネルギー)になるので食欲がない時にもおすすめです。

    ▼作り方

  • フライパンにごま油(大1)を入れて熱し、卵を2つ入れる。ふちがカリカリになるまで揚げ焼きして、一度取り出す。
  • 続けて「麻油鶏」を作る時は、そうめんがスープを吸うので、お水を1カップ分(200ml)多めに入れてください。
  • 仕上げに乾麺のままのそうめんを直接スープに入れ、1~2分煮込む。そうめんに塩分があるので、味を見ながら調える。器に盛り、揚げ目玉焼きをのせて完成。

  • スー・宇賀神「卵でたんぱく質も取れますしね!」「目玉焼きがスープに入ってるの初めての経験で...意外といけますね!」

    マグカップ1つで潤い補う「ホットピーナッツミルク」

    台湾には「花生湯(ホワシェンタン)」という、落花生をトロトロに煮込んだ、日本でいう「おしるこ」のような伝統的なスイーツがあります。それをお家にあるピーナッツバターでできる簡単レシピに!ピーナッツは漢方でのどや肌を潤す食材。冬の乾燥でバリアが弱まっている時に、この良質な油分が体の潤いのバリアになります。パンに塗るだけじゃもったいない、ピーナッツバターも考え方によっては薬膳食材に変身!

    ▼材料(1杯分)

    • ピーナッツバター(加糖・無糖お好みで):大さじ1
    • 牛乳 または 豆乳:180ml

    ▼作り方

  • マグカップに牛乳(豆乳)を注ぎ、電子レンジ(600W)で1分30秒ほど温める。
  • 1分を過ぎたら目を離さず、吹きこぼれる手前で止める。
  • ピーナッツバターを入れて、スプーンでくるくる溶かすだけ。
  • 甘くしたい時は、はちみつを少し加えたり、お味噌をちょっと溶いても◎「お疲れの時や、ゆっくり休みたい時」は、栄養を補う牛乳を。「のどやお肌のバリアを整えたい時」は、潤いを補う豆乳を。

    そんな感じで、その日の体調に合わせて選んでみてください。


    休養と栄養のポイント
    漢方が考える「栄養」は「たんぱく質」と、体を乾かさないための「潤い」のこと。今日ご紹介した「ごま油」や「ピーナッツバター」に含まれる良質な脂質は、まさにこの時期に欠かせない「潤い」そのものなんです。この乾燥した季節にしっかり潤いを補っておくことで、春の訪れとともにやってくるトラブル(花粉症や風邪など)に対するバリアになります。どれも簡単に作れるので、「食べて寝て待つ」休養食、ぜひ今日から取り入れてみてください。


    漢方茶専門オンラインショップ・カンポースタンド店主・山崎薫

    「漢方を気軽によりカジュアルに感じてもらいたい」という思いから、2019年に漢方茶専門オンラインショップ・カンポースタンドをオープン。自身オリジナルの漢方茶の販売や、体質改善の漢方カウンセリングなど、今の時代に寄り添った新しい漢方のカタチを日々研究中。

    TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)

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