厳しい寒波が日本列島を襲った今月、神奈川県の箱根湯本の町では約1300世帯で断水が行われました。

水道管の凍結によって水が膨張して管を破損させ、そこから漏水が発生。

これにより水の共有量が増え、需要と供給のバランスが崩れて断水に至ったという事です。

小田原市からの緊急的な水の供給もあり、2月16日から断水はなくなりましたが、復旧作業は今も続いています。今回は、現場でどのような対応が行われたのかを取材しました。

地道な復旧作業の現場

まずは、復旧作業を行った町役場の現場から。箱根町上下水道温泉課の石井啓隆さんに、復旧作業について伺いました。

箱根町 環境整備部 上下水道温泉課の石井啓隆さん

少ない人員の中でやっていますので、正直言って通報いただいたところを見に行くというのが現状でした。今はそれを対処するために、2ヶ月に1回、水道メーターの検診を回るんですけれども、その検診員さんを回らせてですね、メーターの場所も把握してますし、早く作業ができるので、全てのメーターで確認していると。
基本的には我々が管理するのは道路までの管で、宅内はお客様のご自宅であったり設備になるので、お客様が直していただくしかないということですね。ただ、「隣で漏れている、音がしているよ」という通報をいただいて、仮に住んでいないとかそういう際は、我々の方で道路のすぐ近くに管理区域を分けるバルブがついていますので、そこで止水するというような措置は今回しています。

個人の対応となると、時間もかかりそうな気もします。

修理業者に依頼をしても、依頼が立て込んですぐには対応できずに数日待ったケースもあるそう。

箱根町の断水、復旧作業は?の画像はこちら >>
復旧後の水道管

さらには、修理をした後に水を通すと、これまでのバランスが崩れて、別の箇所が破損漏水してしまったり、修理で水道管に混入した錆・泥・空気が給湯器に詰まって二次故障を起こすケースも・・・(この場合は給湯器をすぐに使用せず、5分~10分ほど水が透明になるまで蛇口から出した後に給湯器を使用することで防ぐことができます。)

今回は箱根湯元の街の一部で、凍結破損による漏水が起こりましたが、箱根町の他エリアでも漏水があるようで、他のエリアの点検も順番に進めていきたいという事でした。

水と言えば、あの問題も・・・

また、最近よく聞くこの問題も影響しているようです。再び石井さんのお話です。

箱根町 環境整備部 上下水道温泉課の石井啓隆さん

やっぱり漏水によるものもあるんですけども、本当に雨が降ってないもので・・・この湯本地域も小さな河川、いわゆる沢のようなところとか湧き水を水源にしているところもありますので、そういうところはやっぱり水量が下がっているんです。ですからお客様へ供給する能力も水位の減少から少なくなっている。

ちょっと感覚的ですけども、1割ぐらいは供給能力が、昨年の同時期と比べると少なくなっている面もあるのかなと思いまして・・・それがあったから今回の断水が免れたかどうかはちょっと分かりませんけれども、供給能力があれば断水時間をもっと縮められたかもしれないですね。

水不足のこの時期に重なってしまったんですね・・・

役場では水の供給量と配水池の水位を定点的に観測する設備があり、そこで見ると、冷え込みの激しかった8日~9日あたりで供給量が配水池の量を上回ってしまう勢いだったようで、漏水の可能性を判断したそうです。

役場ではこれまでに天候によって、凍結対策のお知らせを町内アナウンスで流したり、冬前に町内広報誌で凍結の注意喚起を行ってはいるものの、普段ないことがゆえに想定外だったようです。
というのも、箱根湯本の町は気温も東京と大きくは変わらず、これまで水道管が凍結漏水することはなかったそうなんです。

では雪国ではなぜ凍結があまりないのでしょうか?
雪国などの寒い地域では、水道管が凍らない深さ、地下30~100センチほどの場所に設置していたり、水抜栓という菅の水を空にする仕組みがとられています。
雪国以外でできる凍結対策としては、管が凍らないように水を少量出しておく、水道管を保温カバー、発泡スチロールなどで包むことが挙げられます。

水道は出ないけど温泉はある・・・!

また、箱根湯元の街は温泉街という事もあり、施設内に貯水タンクを設けているところも多く、施設への影響はそれぞれだったようです。
そんな中、貯水タンクがなかった温泉施設では、この危機にどう対応したんでしょうか、かっぱ天国の村上桂さんに、断水当日のことについて伺いました。

かっぱ天国 村上桂さん

基本的に、露天風呂だったり貸切風呂に対しての温度調節は外気温で下げているだけなので、お水を使っていないんですね。

だからよかったんですけども、客室とかに行っているお風呂の中でシャワーを使うときに、シャワーも源泉なんです。お客様がシャワーを使うときに、いきなりだと熱いので、それをお客様ご自身がお水で薄めていただく形になるんですね。そのところが調整がつかないことと、あと客室のトイレですね。一応お部屋に温泉は行っているので、お手洗いに関しては温泉を入れていただいて、それで流したりとか・・・熱いお湯もそうですし、温泉の成分って塩分とかいろんなものが入っていて、普通の水とは違うので、(トイレが)壊れたら困るなっていうのはありました。温泉は余っていますので、それを使うしかなかったですね。

温泉をトイレに!少しもったいないような気もしますが・・・あるものを使うしかない状況だったわけですね。

ただ、やはり本来想定されていない源泉のトイレでの使用は、設備へのダメージも考えられます。今後は旅館側への貯水タンクの設置も視野に入れて備えたいと村上さんはお話されていました。

箱根町の断水、復旧作業は?

また箱根湯本に住む方のお話では、特に凍結対策をしていなかったが、災害用のペットボトルの水が役に立ったという声もあり、最低限の備蓄という基本に立ち返る必要がありそうです。

(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』より抜粋)

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