ゲストは番組2回目の登場、スポーツトレーナーで理学療法士の中野崇さん!今回のテーマは「回復能力を高めるリカバリートレーニング」

Q.リカバリートレーニングとは?

多くの人は疲れてからどう回復するかを考えます。マッサージ、睡眠、食事…つまり“疲労回復行為”です。

それはもちろん大切なことですが、中野さんが提案しているのは、疲労回復能力そのものの底上げであり、身体の循環を整えて固さを取り除き、深部の筋肉まで柔らかくするトレーニング。これが「リカバリートレーニング」 日常的に運動している方はもちろん、運動不足で疲労が溜まりやすくなっている方もリカバリートレーニングは有効とのこと。そして、疲労は大きく分けて4種類あり、それぞれ身体の「固さ」となって現れます。疲労回復能力は年齢に関係なく高められます。運動していない方こそ、今日のような “ゆるいリカバリー”から始めてください。(怪我をせず無理のない範囲で)本日ご指導いただいたリカバリートレーニングは、中野さんのご著書、 かんき出版から「最強の回復能力 プロが実践するリカバリースキルの高め方」にも記載されていますので、ぜひお手にとってみてください。

① 筋肉疲労
筋肉の微細損傷の蓄積のこと。「筋肉が固まる」という症状で表面化し、ひどい場合は肉離れを引き起こします。脚は心臓から遠く、重力の影響もあり、最も疲労が溜まりやすい部位。血流の状態は、第二の心臓と呼ばれるふくらはぎの固さに表れる事が多くあります。

② 内臓疲労
食べすぎ・冷たい物・不規則な生活で消化吸収の負担がかかり能力が低下し、疲労回復に必要なエネルギーを摂取できなくなります。また、内臓も筋肉なので、疲労がたまると薄くなったり固くなったりします。

お腹が固いと横隔膜が動かず、呼吸も浅くなる悪循環が生まれます。

③ 脳疲労
家事・育児・仕事・スポーツ、それぞれのシーンで脳にストレスがかかります。DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)といって、無意識に近い状態で記憶や経験に準じて脳を自動操縦するようなモードが過剰に働くと脳疲労に。脳は身体全体の消費するエネルギーのおよそ20%を使いますが、そのうちDMNは脳の全エネルギー消費量の60%~80%を占め、脳疲労は後頭部と側頭部、頭皮の皮膚を固くします。

④ 精神疲労
脳疲労とも似ていますが、過度のプレッシャーや自律神経の疲労によって、引き起こされることが多く、胸骨や胸椎、後頭部、お腹などが固くなることがあります。

筋肉疲労の対策に!全身の循環状態を改善「ふくらはぎほぐし」

「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎを丁寧にほぐし、全身の循環を改善します。ふくらはぎの皮膚を、まずは縦につまみ、ゆるんできたら横につまんでずらすようにほぐします。すね側までまんべんなく行いましょう。床から手を離して痛みがなく正座ができるようになれば、よくほぐれている証拠です。

内臓を柔らかくする「お腹ほぐし」

おへそを中心にお腹を縦横に3分割、計9区画に分けてほぐします.
息を吐きながら指を深く押し込み、腹式呼吸で鼻から息を吸いながら、お腹を膨らませて指を押し返します。特に固くなりやすい「みぞおち」や「おへそ周り」を重点的に。お腹の厚みの半分まで指が入るのが理想です。

頭をほぐしてやわらかくする「後頭部・側頭部ほぐし」

両手をグーにして、第二関節の尖った部分を使い、デスクワークやスマホで疲れがちな頭をほぐします。うなじからこめかみ付近を、皮膚をこするのではなく、皮膚ごとずらすようにじんわり圧をかけていきます
。最終的に頭皮を指でつまめるくらい柔らかくなるのが目標です。

見逃されがちな胸骨を整える「胸骨握り解放」

自律神経や精神面の問題に...胸骨をやわらかく整えよう!の画像はこちら >>

自律神経や精神面に問題を抱えると胸骨が固まりやすく、呼吸が浅くなることにも関係します。胸骨をふだんからやわらかく保つことが大切です。胸骨とは胸の前側中央にある縦長の平らな骨のことを指しますが、ここに指で左右から圧を加え、解放することで固さを改善していきます。まずは両手で胸の中央に縦に入っている胸骨をじんわり握り、圧を加えた状態で、鼻から息を吐きながら。左右に小さく、ゆっくり動かします。肋骨に置いた指が溝からずれない範囲で、10秒間行ってください。続いて、息を吐きながら両手を離して解放します。口から一気に空気を吐き、そっと両手を離すと胸骨が広がる感覚を感じとれます。

■スポーツトレーナー・理学療法士/中野崇

自律神経や精神面の問題に...胸骨をやわらかく整えよう!

1980年生・大阪府在住。大阪教育大学 教育学部 障害児教育学科 を卒業。国内外のプロアスリートへの身体操作トレーニングや、スポーツトレーナーの育成に携わる。東京パラリンピック2020では、ブラインドサッカー日本代表のフィジカルコーチを務めたほか、YouTubeをはじめとしたSNSなどで、一般の人でも実践できるトレーニングや、そのノウハウを発信中。

TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)

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