笠井 信輔さん(Part 1)
1963年東京生まれ。1987年にフジテレビに入社し、アナウンサーとして「とくダネ!」や「おはよう!ナイスデイ」などの情報・報道番組を担当。
JK:私がゲストみたいですね(^^)
笠井:いえいえ、よろしくお願いします。
出水:笠井さんをお迎えするということで、私もちょっと背筋が伸びます!
JK:奥様が茅原ますみさんで、一度お家に行ったことがあるんですよ。
笠井:コシノさんがやっていらっしゃる神楽坂女声合唱団妻が入って、そこから私も合唱を見に行ったりするようになりまして。そしたら先だって、映画「ゴッドマザー」でまたご一緒になったご縁なんですよね。そしたらもう文化勲章を受賞されて! すごい人に出会ったな!みたいな。
JK:私がゲストじゃないんだけど(^^;)やっぱりアナウンサーだから、人を立てることが上手。今日はあなたが主役なんですから(笑)
出水:笠井さんの奥様の茅原ますみさんは元テレビ東京のアナウンサーですね。
JK:いつも笑顔でね、お宅に行ったときも本当に明るい、いい感じ。
笠井:周りの人のお話を聞くと、うちの妻は聖母マリアのようで明るくて、人を励まして包み込む、って言うんですけども、我々家族には結構厳しい人です(^^;) かなり指導が強く働く、厳しい方であります。
出水:滑舌もいいでしょうからね(笑)
笠井:そこはアナウンサー一家あるあるですけども、イントネーションや言葉遣いに関しては指摘が入ります。意外と僕は平場というか、ふつうの生活の中では適当に喋ってるので、妻から「そこイントネーション違う」とかよく言われて(笑)
JK:プロ同士だからね、ズバーって言っちゃうのね。
笠井:だから僕の番組をまず褒めることはないですね。まず見ない。うちの息子が小学生の時、私「とくダネ!」に出てましたけど、息子が見ていたのは「朝ズバッ!」ですから(笑) 「父さんさ、8時またぎとかそういうのやんなきゃダメだよ」とかすごい説教されるんですよ、小学生の息子に!たまに見ると批判と文句。「ここが良くない、あそこがダメ」って。
JK:そういう時はどうやって返すんですか?
笠井:「しょうがないじゃないか」とか、あるいは理由をいろいろと言うんですけども、そうすると「言い訳しない!」って言われます(^^;)
出水:ぜひお聞きしたいのが、「とくダネ!」では小倉さんとも長く共演していらして。
JK:私、小倉さんの方がちょっと知ってました。だからもう残念で残念で・・・。
笠井:もう1年経ちました。見てる人は、独舌で意地悪で頑固で厄介な親父、っていうイメージが強いんですよ。でも実のところ、本当の小倉さんは繊細で、非常にきめ細やかな聞くばりの人なんですよ。
出水:情報やニュースに切り込む姿勢を見せるために、ある種の役作りをなさってたってことなんですかね?
笠井:そういうこと。もともとラジオの番組を長くやってて、「ラジオ的手法をテレビに持ち込んだ」って言ってました。
出水:近くで聞いていて、発言にヒヤリとするってことですね。
笠井:番組が始まってしばらくしてからプロデューサーが言われたのは、「とにかく笠井は小倉さんがAと言ったらBと言え。Bと言ったらAと言え」と。ディベートするんだ、小倉さんが言いっぱなしではダメなんだ、そこが「朝ズバッ!」と違うとこなんだ、って話でした。みのさんがズバッと言って気持ちがいい、うちはそうじゃないんだ、と。なのでいろんな局面で言い合いとかしてましたよ。
笠井:もう1つだけお話しさせていただくと、うちの息子がある人気ロックバンドのライブに行きたいって言ってきたんですけども、小倉さんが音楽業界に詳しいので一応聞いてみたら、「あ、そのバンド知ってるよ。チケット取れるよ」って。「ただ、笠井君の息子ってことじゃ難しいな。
出水:素敵~!
笠井:「じゃあ待ち合わせはどうしましょうか」って言ったら、「味の素スタジアムは待ち合わせが難しいから、僕の車で迎えに行くよ」って! うちはもう一大事! うちの次男と小倉さんが2人で車で行くなんて! 何が問題かって、小倉さんは私と違ってシャイなんですよ。めちゃくちゃシャイで、仕事じゃないと初めての人にはあまり喋らない。黙っちゃうんで、とにかく練習をしました。
JK:え、リハーサル??
笠井:妻がマネージャー、俺が小倉さん、そして息子がこういう風に座って、「まずお土産は自分から渡せ、会った瞬間に渡せ!」と。小倉さんはまず喋らないから、最初はなかなか喋れないと思うけど、大事なのは終わった後どうだったか。「面白かったです」「良かったです」の一言はダメだ、「ここが良かった」「あそこが良かった」ってことを一生懸命小倉さんに話しかけろ! 小倉さんはお前には話しかけないから、って。それでずっと練習して、当日終わって、そしたら翌日小倉さんが「いい息子さんだね~、たくさん話ができたよ!」って(笑)
JK:そういう人なんですよ、小倉さんって。あったかい。
出水:笠井さんは2019年に悪性リンパ腫のステージ4であることを発表しました。フリーになられた直後で私も驚いたんですけど、改めてがんの経験をお伺いしたいんですが?
笠井:それは番組のタイトル通りマサカですよね。まさかフリーアナウンサーになって2ヶ月後に、がんで、それも長期入院ということだったので・・・なんてい運が悪いんだと思いました。
JK:でもがんって治るんですね! 本当にこれが証拠! もうイキイキとして、そんなの一切ないじゃないですか。
笠井:昭和生まれの昭和患者が一番勘違いしやすいのは、ステージ1のがんでも死んじゃうんじゃないかって思っちゃう。悪性リンパ腫ステージ4ですって言われて本当に落ち込んでいたら、主治医が「いや笠井さん、今の令和の医療ではステージ4は手遅れではありません。がん腫と抗がん剤が合えば乗り越えられますから! 私たちもそういう抗がん剤を選ぶので、笠井さんも頑張ってください」と。
笠井:今から7年前にノーベル賞生理学賞を受賞した本庶佑先生の基礎研究から、オプジーボというがん免疫療法の特効薬のような薬ができたんですよ。オプジーボができてからというもの、今まで亡くなっていた末期がんの方が帰ってくるようになった。全員は無理ですよ、でもまさかという人が帰ってくるようになった。ということはステージ4で諦めちゃいけない。年間100万人の人ががんになるんですよ。そのうち亡くなる方がだいたい40万人、帰ってくる方が60万人。この40万人もほぼ後期高齢者で、体力が持続しなくて亡くなる方が多いものですから、現役世代の皆さんはほぼ帰ってくると考えていい。とくにステージ1、2だったらまず帰ってくる。
JK:そういう経験をされたのは、ものすごく大きな財産ですね。そういう一言で立ち直りますもん。
笠井:ただ問題は何かというと、実際のところ自分はやっぱり死ぬと思っていたんですよ。そりゃあそうですよ、ステージ4でもう死ぬな、と。死ぬんだったらということで、毎日動画を撮って、最終的には家族に公表してもらおうと思って記録を始めたんですよ。
出水:ブログで拝見しました。
笠井:それまで私のInstagramのフォロワー数って300人だったんですよ。当時大学2年生の息子がフォロワー1000人くらいで、「父さんはフリーで300人って、もう終わってるよ」って言われた(笑)それが毎日がんの報告を病室からしてたら、300人が30万人になったんですよ! どれだけがんに関して興味を持ってる人が多いか! 毎日テレビで喋ってた男がステージ4になって、どういう行く末をたどるか見てみたい、確認したいって思いが皆さんとても強いんです。そうすると今度は「笠井さんがんばって」だけじゃなく、「私も同じ病気です」「家族も同じ病気です」って。
JK:どんどん来ちゃうのね、味方が。
笠井:そうすると、死に行く姿を発信するなんて間違ってるな、と。「ごめんなさい、さようなら」と言ったら、どれだけ多くのがん患者やご家族ががっかりするか。「やっぱりがんってダメなんだ」と思っちゃう。絶対帰んなきゃいけない。そこからスイッチが切り替わりました。一方で、退院してから3ヶ月経つと今度は批判が来るようになりまして・・・なぜかというと「私の母は笠井さんと同じ悪性リンパ腫で亡くなりました。なぜあなたは生きてるんですか」と。
JK:不公平だってことね。
笠井:「治ったとか乗り越えたとか、軽々しく言わないでください」と。ネットの書き込みだったらなんとか耐えられるけども、縦書きの便箋にきれいな文字でお手紙いただくと、さすがにしんどい。他にもネットの書き込みによくあったのが、「今がんで苦しんでる人の気持ちを考えたことがあるのか」。あなたは知らないかもしれないけど、私は経験してるんです! でもそこに反論したら泥沼なんですよ。だから黙ってるしかない。発信し続けている人がそんな多くないのは、とくに我々の仕事をしていると批判が集まりやすいので、苦しんでる人のことを考えろって言われたらやっぱり手を下げちゃう。でもこの仕事をずっとやってるから、批判にも逆風にも負けじと喋り続ける小倉さんを見てきてるから、やっぱり申し訳ないけども手は下げられないな、と。元気になれるんだ、「本当にステージ4だったの?」って言われるぐらいになれるんだってことを見せ続けないといけないな、っていう使命感に繋がってるんですよね。
JK:やっぱり小倉さんがついてますね。がんの方はこの言葉を聞いて元気になりますよ。いやー大丈夫だわ、全くお元気で。そんなことなんてあったの?ってぐらい。奥様も笑顔だから、明るい環境でいることはすごくいいわね。
笠井:とにかく闘病中は妻にすごい励まされましたね。どっちかっていうと僕の方が落ち込んだり、泣いたりで、そこで泣いて寄り添ってくれる奥様もいるわけですよ。だけど僕の場合、泣いて寄り添ってくると「やっぱりダメなのか」っていうタイプなんで、「しっかりしなさい、がんばりなさい!」って背中を叩く。りくりゅうペアみたいなものなんですよ(笑)
(TBSラジオ『コシノジュンコ MASACA』より抜粋)

![【Amazon.co.jp限定】鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 豪華版Blu-ray(描き下ろしアクリルジオラマスタンド&描き下ろしマイクロファイバーミニハンカチ&メーカー特典:谷田部透湖描き下ろしビジュアルカード(A6サイズ)付) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51Y3-bul73L._SL500_.jpg)
![【Amazon.co.jp限定】ワンピース・オン・アイス ~エピソード・オブ・アラバスタ~ *Blu-ray(特典:主要キャストL判ブロマイド10枚セット *Amazon限定絵柄) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51Nen9ZSvML._SL500_.jpg)




![VVS (初回盤) (BD) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51lAumaB-aL._SL500_.jpg)


