花粉症の本格的なシーズンがやってきました。今年は例年の2倍の飛散量が予測されている地域もありますが、きょうは「くしゃみ」に注目しました。

皆さんお大事に…

まずは、街の皆さんの「くしゃみ事情」について聞きました。

はい、なんか咳みたいなくしゃみなんですよね、「ゴホン!」みたいな。それで声が枯れて、喉にきてしまいます。鼻水も真っ赤になって、鼻痛くなって。だからちょっと高級なティッシュで鼻拭くようにしてます、じゃないと鼻痛いんで…。

くしゃみは結構止まらなくなりますね。止められないですね。結局我慢しても、「ん!」っていうのは出ちゃうんで。うるさいって言われますね、妻に言われます。

今日多分飛んでるんですけど、薬飲んできたのと、雨上がりで午前中平気だったから「いけっかな」と思って、今マスクしないんですけど自分。拭きながらこうやってて、しくじったなと思って。くしゃみも出ます出ますめっちゃ出る。花見とか無理です。

今日はちょっとひどいですね。(今くしゃみ出てましたよね)。あ、そうですね。(大丈夫ですか?)マスク外すと出ますね。すいません、これから面接があって…。

日本人の2人に1人が「花粉症」と言われています。

先月、パナソニックが発表したデータによると、花粉症によって失われる経済損失は、1日あたりなんと「2450億円」。くしゃみ、鼻水、目のかゆみ…これだけ多くの人が症状に悩まされれば仕事の効率も当然、落ちてしまいます。

ちなみに、「スギ花粉」のピークはまさにこれから。耳鼻咽喉科では1日「11回以上」くしゃみが出る人を、最も重い「重症」に分類していますが、症状がひどい方は、我慢せずに早めに受診したほうがいいかもしれません。

★放送後記①「ハクシュン!」がギックリ腰の引き金に?

くしゃみは、全身に強烈な負荷がかかる動作。みずい整形外科の水井睦院長によると、骨粗しょう症の方は一回のくしゃみで背骨が骨折することもあるといいます。また、鼻をつまんで無理に抑え込むと、圧力が耳に向かい鼓膜を傷める危険も。

くしゃみが出そうなときは、壁や机に手をつき、少し前傾みで圧力を逃がすのがコツだそうです。

時速60キロ、1秒のくしゃみで16メートル

そして、とくにあなどれないのが、運転中のくしゃみ。「一瞬のこと」と油断しがちですが、実は過去には「死傷者」を出す非常に重い事故も起きています。裁判の記録に詳しい、弁護士の中村 友彦さんに伺いました。

「OSAKAベーシック法律事務所」弁護士・中村 友彦

平成30年2月2日に判決あった事案がちょっと有名なところかなと思います。

ドライバーの人が、くしゃみとか目のかゆみがある状態で運転を続けて、対向車線にはみ出して、対向車線を走ってたクルマに衝突させたというものですね。その結果、1人が死亡して、2人がケガをして、その内1人は大怪我、高次脳機能障害等も残ってしまうという大けがを負ってます。

やっぱりくしゃみするとね、一回視界がぶれたりとか、ちょっと目をつぶってしまったりとかなると思うんですよね。たとえ1秒であったとしても、時速60(キロ)とかで進んでると、わずかな時間だけで16メートルとか進んでしまいますから、大きな事故につながりかねないかなと。

くしゃみして交通事故を起こしましたっていうのはたまにニュースにはなってるとは思うんですけど、起こした本人も一生付きまといますしね、その事実は…。

この事故が起きたのは2017年、愛媛県今治市。花粉症のドライバーが連続したくしゃみで前が見えなくなり、対向車線に飛び出して衝突。判決は、「過失運転致死傷」として、禁錮3年・執行猶予4年が言い渡されました。

注目したいのは、ドライバーが事前に薬を飲んでいたという点。

本人としては対策をしていたつもりかもしれませんが、たとえ薬を飲んでいても、「くしゃみが出始めた時点で、安全な場所へ停めるべきだった」それができなかった事が大きな落ち度だと判断されました。

中村さんによると、くしゃみによる追突やバイクとの接触はこの時期珍しくないそうで、去年も数件相談を受けたそうです。症状がひどくなったら、コンビニでも路肩でも、迷わず車を止める。それが鉄則です。

「鼻詰まりで不眠」は事故の前兆

とはいえ、仕事でどうしてもハンドルを握らなければならない方には切実な問題です。そこで今、会社をあげてドライバーの「花粉症対策」に取り組む動きも広がってきています。トラックドライバーおよそ180人をかかえる「北王流通」を傘下に持つ、北王グループ取締役の小島 仁さんに伺いました。

北王流通 小島 仁さん

ドライバーさんを対象に、薬の補助をずっとさせていただいているっていうのが、弊社の取り組みですね。一人当たり3000円ぐらいですかね。

僕もね、実はドライバー出身なんですよ。僕自身が花粉症が本当にひどくて、今も結構きついんですけど。その当時が夜間の勤務が多かったんで、どうしても日中、花粉が舞ってる時間帯に寝るっていうのが非常につらくて、睡眠が取れないんです。

鼻が詰まってしまって呼吸ができなくなるんで、口を結局開くでしょう。そうすると口が乾くんですよ。そうするとね、もうすぐ目が覚めてしまって、それで夜中、眠い状態のまんまトラックの運転をすると、もう本当に危険で…。

そういう意味では、花粉症対策っていうよりかは、「事故対策」に近いかもしれないです。

小島さんご自身も、睡眠不足の恐怖を、身をもって知っているお一人。北王流通では、眠気の副作用が少ない飲み薬や、点鼻スプレーなどの購入費用を2018年から会社が補助。その結果、運行効率が「2・5%アップ」したそうで、「同じ時間内で、より多くの荷物を配送できるようになった」ということです。

同じように、冷凍食品メーカーの「クックデリ」でも、薬や治療費を上限5000円まで補助する制度を最近導入しました。こちらは社用車で外回りをする営業担当にも好評だということで、どちらの会社も、「いかに、事故なく、安全に」というところを気にされているようです。

花粉症はもはや個人の問題ではなく、職場全体で向き合うべき安全問題。まずは無理な我慢をせず、こうした制度や適切な治療を積極的に活用して、この厳しい季節を安全に乗り切りたいですね。

★放送後記② 「クックデリ」の花粉症対策

今回紹介した「クックデリ」では、今シーズンから治療費補助を最大5000円に増額し、マスクの無料配布もスタート。

背景には、社内アンケートで「仕事に支障がある」と答えた社員がなんと9割にのぼったことがありました。社用車を運転する営業担当はもちろん、食品メーカーとして、鼻詰まりによる味覚の鈍化は品質管理にも直結する問題。手当の導入後は通院する社員が増え、集中力アップの声も出ているそうです。

(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』より抜粋)

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