3月11日。東日本大震災の発生から今日で15年となりました。
各地では追悼式典などが行われ、改めて防災意識を高める方も多いことでしょう。
災害支援に特化したコンビニ、何ができる?
そうした中、先月24日に千葉県富津市に国内初となる「災害支援に特化したコンビニ」がオープンしたという事で、今回取材しました。まずは、「災害支援コンビニ」とはどういったモノなのか?運営する、株式会社ローソン・リスク統括部の石合大悟さんにお話を伺いました。
株式会社ローソン・リスク統括部の石合大悟さん
情報の発信というところをサイネージ等を利用して、「今、緊急地震速報が流れました」とか、そういった情報をご提供できるほか、災害発生時には「Starlink(スターリンク)」の回線を使いまして、フリーWi-Fiをご利用いただいて、ご自身で情報の取得をいただけると。また、携帯電話の充電等々も、バッテリーチャージャーというものを設置しますので、充電をしていただくというところが一つ目ですね。
もう一つは水・食料の提供というところで、備蓄用倉庫に1500リットルぐらいの水を、ローリングストックという形で備えています。あとは温かいものが好まれるというのがございますので、店内厨房もございますから、厨房を生かして、そのお水とお米とでご飯を炊いて、「災害用のおにぎり」ということで、ご提供するようにはしています。
またトイレですね。非常にお困りのあるお客さんが多いというところで、凝固剤入りのトイレを、被災された方々、従業員にも、提供することを検討しているという、そんな状況でございます。
これは災害支援に特化した、と言えますね。
災害時のネット回線をつなぐ「Starlink(スターリンク)」:(株)ローソン
この「災害支援コンビニ」は「ローソン富津湊店」をリニューアルさせた店舗。平時は一般的なコンビニでありながら、災害時には備蓄されている水や食料、電気、ネット環境の提供などなど・・・災害支援に特化したコンビニとして力を発揮するんです。
他にも、災害用井戸や太陽光発電、蓄電池など、災害時にも自力で店舗を運営できるような仕組みづくりがされています。
この1号店は、周辺に大きな避難所や公共施設があり、津波が起こった時に逃げて来やすい場所(標高も50mほどあります)であること、近くに高速道路もあり、配送ルートの拠点となる役割を果たしやすい場所として選定されています。
つまり、店舗での提供はもちろん、周辺の拠点への物資の輸送・連携も取れるわけです。
あなたの街の災害支援ローソン、どうですか?
これは地域住民にとって強い味方となりそうという事で・・・実際に店舗周辺の住民の方々に、災害支援コンビニについて率直な感想を聞いてみました。
▶2019年の台風で全部家がダメになったから・・・水道も給水車のところに毎日取りに行った。
本当に全部使えるならいいことだと思うけど。
▶嬉しいことですよね。台風がこの辺はね、被害があったんで、当時は水がまず出ないとか、あと電気もダメだったんで。やっぱりそういうところがあると助かると思います。
▶海は近いので、津波とかはちょっと怖いかなとは思うんですけど・・・この辺だと車がないと行けないので、ガソリンとかあれば嬉しいですね。
▶なんか災害の時に利用できるやつ?職場の人から聞きました。心強いと思います。ガソリンさえ入れておけば車で来られる。東日本大震災の時、水、トイレが大変だって言ってたのでありがたいんじゃないですかね。
過去の災害時も、それぞれ困った経験があったようです。
富津市は千葉県の南部に位置していて、東京湾にも面した地域。そのため、台風の影響を受けやすい地域で、さらに地震の際には津波の心配も出てくる・・・そうした地域という事もあり「災害支援コンビニ」の誕生は心強いという声が多かったです。
ただ、全てが災害支援ローソンで賄えるわけではないため、有事に備えて「ローリングストック」をしてほしいと、ローソンの石合さんは言います。
「ローリングストック」とは、普段の食品や日用品を少し多めに購入して、古いものから消費して、使った分を買い足す災害備蓄法です。各個人で必要な物資は変わってきますから、こういった対策が必要ですよね。
「灯り」を絶やさない大切さ、過去の経験から。
災害支援ローソンについては、南海トラフ地震の影響が想定される地域を中心に、2030年度までに全国100店舗を目指しているんですが・・・
ローソンがコンビニとして災害支援の強化を打ち出したのは、今までの経験に突き動かされた面が大きいと、広報部の榎本章さんは、最後にこんなお話を聞かせてくれました。
株式会社ローソン・広報部の榎本章さん
ローソンがこういうものに取り組んできた一番最初というのが、阪神淡路大震災のところから始まってまして、当時はお店も被害が出て・・・ただその時のローソンのスピリットとして「まずお店を開けて灯りを灯せ」と。
それで町の人に安心感が出て、町が復興していくというようなのを進めてきたのが最初で、そこからいろんな災害地、東日本だとか熊本だとか。いろんな災害地で、我々のお店を経営していただいているオーナーさんが店を開けて、被災にあった皆さんを受け入れて、しのいできたという歴史があっての災害支援ローソンに来ているというところはあります。
大きな災害の時こそ、停電などで夜は真っ暗になりますし、身近なコンビニに灯りがついていたら心強いですよね。
ただ、避難が何より最優先ですので、従業員にも避難をしてもらったうえで、状況を見て店舗に戻ることが可能であれば災害支援を実施するそうです。
今後取り組んでいきたいこととしては、従業員が入れ替わる中でマニュアルの継承・アップデートがしっかりされていく仕組みづくり。そして地域の方への認知度アップも含めて、自治体との連携、定期的な店舗訓練の様子を住民の皆さんが観覧できる、参加できる仕組みづくりを整えていきたいということでした。
この千葉の1号店での試行錯誤が、全国のコンビニに普及していく日を期待したいですね。
(TBSラジオ『森本毅郎 スタンバイ!』より抜粋)

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