TBSラジオ「ACTION」月~金曜日の15時30分から生放送。水曜パーソナリティはCreepy NutsのDJ松永さん。
8月7日(水)のゲストはDJ松永さんの相棒で日本一のラッパー・R-指定さんと、日本語学者・飯間浩明さん。本日発売のCreepy Nutsのミニアルバム『よふかしのうた』から、飯間さんが国語的に気になった曲をR-指定さんに解説してもらっています。
飯間先生の話を・・・
こんなに真剣な顔で聞く・・・
■M-2「板の上の魔物」について
飯間:これ、後ろの方で人名が出て来るじゃないですか?「俺の感受性ならば尾崎 世界観なら底なし 武、水谷、馬並みの相棒が助太刀」とあって。これは何だろうと思って。「尾崎は豊。感受性が豊か。
R-指定:これはですね、その前の歌詞が「お前の人生はつまらねぇ」と。「板の上の魔物」ってつまり、お客さんの目や世間の評価なんですよ。その魔物から「お前の人生はつまらない」と言われてきたと僕は思ってるんです。
R:人生を歌詞にしたって普通のことしか書けないんです。じゃあどこで勝負するかと言ったら、体験よりもその体験をどう感じたかという感受性の豊かさが僕の武器なのかなと思って、「俺はテメェにある武器ただ磨いて来ただけ」と言ったあとに、「俺の感受性は豊か」とそのまま言っちゃうと恥ずかしいので、「俺の感受性ならば尾崎」としたんです(笑)
飯間:それは分かりませんでした(笑)
R:「感受性ならば尾崎」と来たあとに、「世界観」は言葉遊びとして出て来るんですが(笑)、それも「感受性が豊かだから、世界観が底なし」になると。
松永:こんちわ~。
R:で、「相棒が助太刀」のところでスクラッチしてもらうと。助太刀をしてもらってるんです。
飯間:そこに繋がってくるんですね。二重三重の意味があるんですね。
幸坂:そんなに掛かってるんですか!?
R:そうですね。これをあんまり褒めてくれないので、こうやってがっつり言ってくれて嬉しくなっちゃってますね(笑)
■M-3「犬も食わない」について
飯間:「犬」の見立てですね。2匹の犬がいますね。一方は首輪をされて飼い慣らされた犬。
R:この話はですね、ラッパーの世界でもあるんですよ。僕らみたいな事務所入って、テレビやラジオで活動していたりすると、アンダーグラウンドでやってる不良の人たちからは「飼い慣らされてる」みたいな言い方されることもあって。でもこっちもそっちに対して言い分はあるし。ラッパーの中にもそういう対立はあって、これってどの世界でもあると思うんですよ。
R:政治や芸能でも、エリートとか野良とか。「飼い慣らされてる」とか、「俺はストリートでやってる」とか。そのマウントの取り合いは、人間であればありますよね。で、「犬も食わない」って言葉は人間目線なんですよ。でも、「犬も同じように人間のことをアホに思ってるぞ」というのが最初の着想だったので、犬が人間のような争いをすることで、最後に「人間みたいな事すな、恥ずかしい」と別の犬に止められることによって、人間のことを下に見ている犬というのを際立たせてますね。
飯間:これは「犬も食わない」という曲名ですが本当は「人も食わない」という曲なんですね。
R:そうなんです!まさしく!嬉しい~!
松永:良かったな!発売日にこんな良いプロモーションが出来て、良かったな!
褒められて嬉しくなってるR-指定さんと・・・
その様子を見て嬉しくなってるDJ松永、でした。
◆8月7日放送分より 番組名:「ACTION」
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