TBSラジオ『荻上チキ・Session-22』(平日22時~生放送)
新世代の評論家・荻上チキがお送りする発信型ニュース番組。2019年9月2日(月)Main Session
荻上チキの香港取材報告・第一夜
~今、香港で何が起きているのか?~
逃亡犯条例改正案に反発する市民と香港政府の対立が激化する香港を荻上チキが取材。
<香港取材記>
5年前の31日は、中国が、香港トップの行政長官を選ぶ選挙に、民主派が立候補することを事実上閉ざす決定をしたため、民主化運動「雨傘運動」が起こるきっかけとなった日です。
そのため、大規模なデモ行進が予定されていましたが、それは認められず、さらに、前日には雨傘運動を牽引した民主派団体「デモシスト」の周庭さん=アグネス・チョウさんが一時拘束される事態になりました。
そんな中で、Session-22の荻上チキとスタッフが香港のデモや街を取材しました。


取材の拠点は、香港島の北側・行政府などがある中環(セントラル)という街。
街を案内してくれたのは、香港の政治問題などに詳しい立教大学教授の倉田徹さんと、通訳の横山克恵さんです。

中環に到着すると、すぐにデモ行進する集団に遭遇。顔が特定されないよう黒いマスクをした多くの人々が「香港、頑張れ」などと大きな声をあげて練り歩いていました。


また、通訳の横山さんに翻訳をしてもらい、デモ参加者に話も聞きました。
訴えているのは5つ
①逃亡犯条例改正案の完全撤回
②独立調査委員会の設置
③普通選挙の実施
④デモ参加者の釈放
⑤デモの「暴動」認定の撤回―
倉田教授の案内の下、各地で行われているデモをさらに取材しました。

また、途中、番組でも香港のレポートを入れてくれる毎日新聞の福岡静哉記者とも会い、行動を共にしました。

その後、前日に一時拘束された、周庭=アグネス・チョウさんと取材の約束を取り付け、インタビューを行いました。

夕方になり、倉田教授とはいったん別れ、警官隊と衝突するデモ隊を取材するため、安全を確保しつつ、前線まで向かいました。火炎瓶や催涙弾が飛び交い、周りには白い煙が立ち込めていました。デモ行進する人々の中には、日本語が出来る方もいて、一部、取材に応じてくれました。



夜になるにつれ、衝突が激しくなり、街中を歩いていても武装警官が大勢おり、また、パトカーが至る所に止まっていました。道路には、催涙弾の薬きょうが転がっており、中には使用期限が切れているものもあり、市民らは珍しそうにスマートフォンで写真を撮っていました。



衝突があった街中では、商店が早い段階で閉店する店も続出。途中、福岡記者らと共に、それでも逞しく開いているお店で香港料理を食べました。

夜も深くなり、取材を終え、ホテルに向かうところでも、影響が出ているところがありました。


そして、翌日。
再び、立教大学の倉田徹教授と落ち合い、香港の新聞を読み比べ、どのようにデモが報じられているかを検証。その後、香港研究を続ける倉田教授に今回のデモと今後の香港について伺いました。

出口が見えない香港情勢、Session-22では、今後も注目して報じていきます。
香港取材報告の第2夜は、デモばかりが報じられる香港の日常を特集。
◆9月2日放送分より 番組名:「荻上チキ Session-22」
◆http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20190902220000