TBSラジオ「ACTION」月~金曜日の15時30分から生放送。火曜パーソナリティはクリープハイプの尾崎世界観さん。
TBSラジオ「ACTION」。10月15日(火)のゲストコーナーは、お笑い芸人で小説家の又吉直樹さんにお越しいただきました!10月10日に最新作「人間」を刊行された又吉さんに、創作活動についてお話を伺います。
尾崎:飲みながら又吉さんに話を聞くときがあって、その時はまだ連載が始まってなくて準備してる期間だったんですよね。横浜のホテルに何泊かして…。
又吉:3、4泊ぐらいして準備期間としてそこで原稿書いてた時期もありましたね。
尾崎:書けて嬉しくて飲みに行っちゃったっていう話が可愛くて好きなんです(笑)
又吉:3日くらい缶詰の状態で書き続けて、3日間で自分がここまではいきたいって思ってるところまでいけたら飲みに行こうと思って、絶対ここに一人で行こうっていうところを3日間の空き時間に髭ボーボーになりながら目星つけてたんですよ。
又吉:で、そこ行ったら入店拒否みたいなんされて。
幸坂:ええ~!
又吉:髭と見た目で。席むっちゃ空いてんのに「今日は終わりです。」って…。
一同:(笑)
尾崎:一度、又吉さんと後輩芸人の方と打ち上げご一緒させていただいたことがあって、又吉さんすごい話を聞いてるんです。だいたい先輩って大喜利みたいなの始まって「面白いこと言え!」っていうイメージなんですけど(笑)
又吉:聞くのは好きですね。話すのももちろん好きですけど、聞いてなるほどなって自分の中に入れていくの好きですね。
尾崎:小説書くのと話聞くって直結してる印象だったんですけど、自分が思う登場人物の話を聞いていくっていうのが書くってことでもあるのかなって思いました。

又吉:そうですね。今のところそういう感じかもしれない。コントも割と設定とキャラ決めて自分がそのキャラクターに何を言わすかというよりは、そのキャラクターが何を言うかで考えてるというか。似てるっちゃ似てますよね、コントと小説。架空の登場人物に架空のセリフを言わすっていうのは一緒ですよね。
尾崎:作品の中でも、芸人が小説を書くってことで称賛してもらうけど、コントやってたからもともとドーピングしてるもんだっていうこと書いてましたよね。
又吉:そうですね。むちゃくちゃ近いですよね、登場人物と僕の考えがいつになく近い。

幸坂:この人が又吉さんかな?この人も又吉さんかな?って「人間」を読んでて思いましたね。
又吉:「火花」のときは芸人の話書くんで、又吉の話として読むの読者の方はつまらないやろうなと思って、ちゃんと物語ですよってしたかったので自分の実人生と距離をとる印をつけていこうとしてて。2作目の「劇場」でもそれが小説の作法なんかな?って思ってたんですけど、何をどう考えても小説読んだ人に「大変やったんやな~」とか言われて(笑)
尾崎:そうやって見ちゃいますよね…。
又吉:それは他の作家さんとは全然違う。僕をまず芸人として知ってもらってそのうえで小説を書き始めたっていうその状況を、俺だって他の人と同じようにって言うのも無理があんのかなと思って。

又吉:それを受け入れたうえで書いていくってなったら、じゃあ自分の実人生を客観的に見れてんねやったら登場人物と自分の距離離すって誰に対するサービスなんやってわからんくなってきて。それは僕に限り、そんなことはどうでもいいんじゃないかって思って、そっちのほうがバランスとりにいってる感じでいやらしいなって一回自分とすごく近い「人間」書いてみようと思ったり。
又吉さん、芸人として小説を書くことの難しさを語ってくださいました。まだまだ尾崎世界観×又吉直樹の対談は続きました。
◆10月15日放送分より 番組名:「ACTION」
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