TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で中村友美ディレクターが取材報告しました。大豆など植物由来の「代替肉」。
食料不足問題の解決や、家畜を育てる過程で排出される温室効果ガスの削減という観点から注目されるようになりましたが、今日は代替肉ではなく「代替シーフード」も続々登場しているというお話です。

ナタデココでイカを再現した海鮮丼!?

まずは、一部飲食店で提供されている「ヴィーガン海鮮丼」。一体どういうものなのか。株式会社ニッコクトラスト・塚平高裕さんのお話です。「ヴィーガン海鮮丼は、そのとおりヴィーガン、動物性の食品を一切使わずに作った海鮮丼になります。主にいくら、いか。いくらは主にこんにゃくの主成分であるマンナンと、海藻類に多く含まれているアルギニン酸。こういうものを使いまして丸いいくらみたいな形のものを仕入れております。いかにつきましては、ナタデココを加工してイカそっくりにしたものがございます。」(株式会社ニッコクトラスト・塚平高裕さん)
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いくらは「みずたまご」という、こんにゃくの主成分マンナンなどでできた粒に醤油などで味付けしたもの。イカは、ナタデココを加工したものです。このミニヴィーガン海鮮丼が今、「信州蕎麦 蓼科庵 北千住マルイ店」ので提供されていて、私も感染対策をしつつ試食してきたのですが、特にいくらが本物そっくりでびっくり。しかも価格は通常のイクラより安いそうです。
代替肉ならぬ「代替シーフード」続々登場
ニッコクトラストは元々社員食堂の食事や給食を扱う企業として、SDGsに力を入れていて、この海鮮丼はSDGsの目標のうち14番目「海の豊かさを守ろう」にあたる、魚を使わず別のもので代用できないかという取り組みから生まれました。

魚卵の一種「まさご」を海藻で代用

続いてご紹介するのは「まさご」という、とびっこに似たオレンジ色の小さい粒粒の見た目で軍艦巻きなどで食べられる魚卵、その代替品です。わかめや昆布などの海藻で作られています。こちらを開発したきっかけについて、あづまフーズ株式会社・松永瞭太さんに聞きました。 「我々は「まさご」という商品をししゃもの卵を使って作っているんですが、この原料が多くがアイスランドから輸入される原料になっていて、この原料の漁獲はアイスランド政府が国で管理をしていまして、2019~2020年にかけての2年間は魚の群れが十分に見つけられなかったということで禁漁が行われました。水産品も有限な資源であることは間違いないというところで、我々も普段は水産品をたくさん使っていますので、水産品を沢山使う弊社だからこそ、水産品を使わない、新しい水産代替品と呼ばれるものに取り組むことが重要なのではないかなということで、会社一丸となって取り組み始めたような背景になります。」(あづまフーズ株式会社・松永瞭太さん)
代替肉ならぬ「代替シーフード」続々登場
水産資源の安定的な供給の難しさを具体的に体感したことから、代替シーフードに力を入れ始めたということです。この海藻でできた「まさご」はプチプチした食感が再現されています。

豆腐やおからでできた「代替ウナギ」

あづまフーズでは他の代替シーフードも開発中です。再び松永さんです。「もうひとつはうなぎの代替品ですね。うなぎも同じく海藻由来の成分も使っているんですが、イメージとしてはお豆腐に近いもの、おからに近いものを主原料として開発を進めています。色味や見た目、食感という所はおおよそ高い評価を頂いてまして、製品化された際にはぜひ、まず取り扱い始めたいという風なお話も頂いている状況です。」(あづまフーズ株式会社・松永瞭太さん)
代替肉ならぬ「代替シーフード」続々登場
ウナギは絶滅危惧種に指定されており、養殖の技術も確立されていない、特に保護すべき魚ですから、こういった代替品への期待は大きいです。ウナギやまさごは量産化体制を整えて、年内の販売を目指しています。
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