TBSラジオ「ACTION」月~金曜日の15時30分から生放送。水曜パーソナリティはCreepyNutsのDJ松永さん。

4月1日の「ACTION」。DJ松永が1人でお送りしました。

コロナ感染が拡大し、世の中の空気がどんどん変わっていきます。そんな中…4月1日、DJ松永のCreepyNutsは、11月12日に日本武道館でワンマンライブを行うことを発表しました。

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(DJ松永)

時期が時期ですから、自分の気持ちとしては不安なところもあるし、複雑なところもあるし…というのが正直なところ。今のタイミングでお知らせすべきなのか、結構迷ったんです。

今は、世間の皆さん、ファンの皆さん…お客さんって、喜ぶ余裕あるんだろうか。それよりも手一杯じゃないですか、自分の生活で。

このタイミングで告知を進めて…どうなのかな?と正直思ったんです。

ご存知の通り、音楽ライブは軒並み中止・延期。我々が予定していた4月10日のツアー・東京公演も延期です。

3月から、自分たちの企画のツアー以外にも、お呼ばれしたイベントもたくさんあったけど、全て飛んだ。

音楽ライブが不要不急であることは間違いないんですが、不要不急の音楽ライブで生活が成り立っている、それを稼ぎに生活してる人もすごくたくさんいて。

我々演者以外にも本当にたくさんいらっしゃって、照明さんとか音響さん、現場で働く職人さんみたいな方もたくさん関わっていて。その職人さんって実は、自営業の方がすごく多いんですよ。会社には所属してるけど、エージェント的な形で契約しているとか。その職人さんの稼ぎで家族を養っている方がたくさんいらっしゃる。

そんな人たちが、今のところ1ヶ月以上、収入が途絶えた状況。かつ、全く今、終わりが見えない状況になってしまって、地獄だと思うんです。それは音楽業界に限らず、多種多様な業界、どこもそうだと思うんですけど。

DJ松永「先に希望を持っておくのは、決して悪いことではないと思う」

そんな、ライブを作っている側の人間も、あと、お客さん・音楽ライブが好きな人・それが生きがいの人にとっても、もしかしたらそれすら延期になるかもしれないけど、武道館とか、先に希望を持っておくのは決して悪いことではないよな っていう気持ちもあるんです。

ただでさえ毎日心をふさぐようなニュースが世間をかけ巡ってる。先に希望や楽しみが待ってないと、今、頑張れないよな…と思うんですよね。

そういったものがあった方が、強く頑張れるし、耐えられる。

これ、自分に言い聞かせてる部分もあるんですけれどね。正直、都合のいいように捉えてる部分もある。

そういう経緯の中で、開催告知、4月1日の今日踏み切ったわけです。

DJ松永「先に希望を持っておくのは、決して悪いことではないと思う」

CreepyNutsはもともと「武道館やろう!」とか、そういう夢や目標を掲げて突っ走ってきたタイプのアーティストでも実はなくて。まず目の前のライブを頑張ったり、「いい曲作ろう」と。まずやってることが楽しいし、それが第一目的だと。

それで頑張った先に、何かしらの結果がついてくるんだろうなという心持ちでやってる部分があって、先のことはあまりイメージしてこなかったんですよね。

でも思い返してみると、昔、上板橋のワンルームのアパートに住んでたんですけど、その時期は大晦日、 R-指定と一緒に過ごすことが多くて、だいたい2人で「ガキの使い」見て、ピザ注文して、年越ししたんですよ。その流れでよく2人で、ライムスターの武道館 DVD を見て過ごしたりしてて。

お三方の映像にしびれて、宇多さんの本当に天才的な、曲の間の MC だったり客煽りに唸って。

ライムスターの名曲で「リスペクト」という曲があって、そのMummy-Dさんの曲振りが非常に伝説的で、あれを見たら100%泣く…っていう。皆さんもよく見て欲しいんですけれども、そうやってだいたい3時間半ぐらい、DVDを食い入るように見るわけですよ。


DJ松永「先に希望を持っておくのは、決して悪いことではないと思う」

だけど実はその後、DVD のパッケージに書いてあるトラックリストを見ながらR-指定と2人で、もう3時間半ただ喋るんですよ。「なるほど、この曲から繋ぐのか」とか、「ブロックこう分けて、こういうライブ構成にしてるんだ」「タイトルの付け方が秀逸だよな」とか、「俺もこういう曲作りたい」「こういうテーマ面白い」とか「こういう技術を身に着けないとな」みたいな、

勉強になるし、やりたいことの想像が無限に膨らんで。それが実は、今にすごく繋がってる。

ライムスターのDVDを見ながら、ああだこうだ喋り合った時間が、夢とか将来の設計図を描く時間に近かったなと思います。

それと、去年、オードリーがオールナイトニッポン10周年の武道館ライブをやったのも非常に大きくて。CreepyNutsがそのライブのテーマ曲として「よふかしのうた」を書き下ろしたんですけれども、そのときにディレクターの石井さんと喋ってて、「今回はこれを会場に流すだけの形になっちゃうけどごめんね」「でも次はCreepyNutsだけでここを埋めて、生でやって欲しい」と言ってくれたんですよ。

「無理に決まってるでしょ!」って冗談で返したんですけど、客席にいて「よふかしのうた」が会場に鳴り響くのを聴いたら、やっぱり生でやりたいと思ったんです。てなると、武道館に立たなきゃいけないなと。立ちたい立ちたいっていうよりは、もう、立たないっていう生き方は無いよなってなっていった。

そんなこんなんで、牛歩ではありながら、やっと今年武道館にたどり着いたわけなんです。

11月12日、コロナウイルスがどうなってるか全くわからないですけれども、何とかして実現させたいなって本当に思います。

だから、今できることを全力で頑張ってって。

強く思ってますね。

◆4月1日放送分より 番組名:「ACTION」
◆http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20200401153000

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