TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」
インターネット通販サイトAmazonの「ほしい物リスト」という機能。今、全国の動物園で活用が広がっているんです。
リスト公開後、30分でほぼ品切れ!
「Amazonほしい物リスト」とはその名の通り、Amazonで販売されている商品の中から自分が欲しいものをリスト化できる機能で、そのリストを他の人に公開して、代わりに買ってもらうこともできます。千葉市動物公園では、この機能を2019年から活用しています。
「千葉市動物公園は現在リニューアルの最中でして財務体質の強化として新たな寄付制度の導入を考えていたところ、寄付文化の浸透している欧米の多くの動物園でAmazonほしい物リストというシステムを活用していたということがわかったので、当園でも導入を行いました。過去には、動物たちの夏の暑さを和らげるためのアルミプレートでしたり、教育普及活動で使用する標本を作るためのシリコン型の樹脂などの掲載をいたしました。発信をしてから30分以内にはもうほとんどの商品が皆様からご寄付をいただいて品切れという形になっていますね。」
(千葉市動物公園の飼育係、岡部千裕さん)
ツイッターなどで告知をするとすぐ品切れになるとのこと。千葉市動物公園ではこれまでも金銭での寄付を受け付けていましたが、それと比べて額としても増えている、また千葉だけでなく全国から寄付が集まるということです。
例えば、ゴリラやオランウータンのベッドに使う麻袋。彼らは野生では木の葉や枝を使ってベッドを作る習性があり、麻袋がその代わりになります。これまでは実費で購入したり、近所のコーヒーショップからもらっていたけれど、すぐボロボロになってしまい枚数が追い付かない。そこでアマゾンほしい物リストに掲載すると、40枚ほどが一気に集まりました。
「推し」の動物に確実に寄付が届く
このような取り組みが全国の動物園で広がっていることを受け、京都市動物園では今年6月からアマゾンほしい物リストの活用を始めました。こちらでも、リスト公開から一日半ほどで全て品切れという反響。なぜこんなにも多くの反響が得られるのでしょうか。
「従来の寄付制度に比べますと、どの動物に何のために使われるかっていう目的がはっきりしますので、自分の好きな動物種に対してサポートできるというようなご意見をいただきます。
(京都市動物園副園長・和田晴太郎さん)

ゴリラのモモタロウファミリー向けには、体調管理のための体温計。ゾウ向けには夏の暑さをしのぐ大型の冷風扇を掲載。動物園側は、Amazonほしい物リストを通じて届いた品を動物たちが使っている様子をホームページやSNSで画像や動画付きで報告、それが寄付する人にとってのモチベーションにもつながっているようです。
災害や児童養護施設の支援にも活用広がる
このように動物園で始まったアマゾン欲しい物リストの活用が、千葉市では動物園以外にも広がりを見せているということです。
「千葉市の中でもご好評頂きまして、千葉市役所全体としてAmazon欲しい物リストを活用するいいきっかけになったと感じております。2019年に千葉県で猛烈な台風の被害を受けまして、特に千葉の房総のほうですと家の瓦などが全て飛んでしまって、その家に住めないというような状況があった時に、ブルーシートを屋根に引いて対策をとっていたんですが、そちらのブルーシートを千葉市としてアマゾンほしい物リストを掲載してご寄付を頂いたという風に聞いております。」
(千葉市動物公園の飼育係、岡部千裕さん)
最近では「サンタクロース大作戦」といって、千葉市内の児童養護施設などで暮らす子供たちにプレゼントするためのおもちゃなどの寄付をAmazonほしい物リストで受け付け、公開5日後には全て品切れとなりました。こういった動きがさらに広がっていくといいですね。