TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』月~木曜日の午前11時から放送中
4月26日(火)放送の「スー さん、これいいよ!」のゲストは、弁護士の松下真由美さんでした。
松下さんは・・・
▼東京都・中奥にある真和総合法律事務所に所属されている弁護士で、著作権・商標権などの知的財産分野やYouTuber・インフルエンサーの代理人としての訴訟活動や契約交渉など、幅広い案件を取り扱われています。
推し活している方も多いと思いますが、気を付けなければいけないのが、「マナー違反」や「迷惑行為」。程度によっては、法律で罰されることになる可能性も・・・。そこで、法律からみる推し活で気を付けたいポイントをを教えていただきました!推し活以外でも使える知識もありますので、ぜひ参考にしてみてください。
出待ちは犯罪になる可能性がある!
推しを近くで見たい、ということで出待ち行為をしたいと思う人も多いのではないでしょうか。もちろんきちんとしたルールのもとで、ファンの入り待ち・出待ちが容認されている場合もありますが、ここでは基本的に出待ちを禁止されている場面についてお話しいただきました。
●とある事例に・・・
楽しみにしていた全国ツアー。しかし、推しが新幹線でツアー先に移動することを見越したファンが駅のホームに殺到。新幹線の発車が大幅に遅れ、一般の乗客に多大な迷惑をかける事態に。さらにマナーの悪さを理由とし、ツアーが中止になる事態にまで発展してしまった。
→犯罪になる部分は・・・
▼運営などが想定していない場所、事例の場合は駅のホームですが、こうした場所でファンが推しと接触を試みることが「ストーカー行為」にあたる可能性があります。
▼また、事例のように、迷惑になるとわかっていながら、新幹線の周りに群がり発射を遅らせることがあれば、鉄道会社に対する業務妨害罪となる可能性も。(業務妨害罪は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金)
▼事例のほかにも、例えば生徒な理由がなくラジオ局、テレビ局、所属事務所の建物などに入ると、建造物侵入や邸宅侵入罪に該当する可能性も。
▼出待ち行為は、推しを恐怖に陥れるだけでなく、犯罪になる危険すらある。
SNSでの誹謗中傷は処罰される!
SNSでの誹謗中傷は、全世界的に問題になっています。推し活をする上でも注意しなければいけない点がありますので、事例などを踏まえてご紹介いただきました。
●とある事例に・・・
人気アイドルグループのあるメンバーが、新曲のリリースとライブツアーを控えた大事な時期に、未成年との熱愛疑惑が週刊誌に掲載された。
他のメンバーを推していたAさんは大激怒し、思わずSNSに問題を起こしたメンバーの愚痴を書き込むと、思った以上の反響が。調子に乗って「未成年に手を出すのキモい。脱退しろ。ロリコン犯罪者」などと書き込み続けたところ、メンバーの所属事務所から「報道は事実無根であり、誹謗中傷には法的措置を取ります」と。
どこに問題があるのかというと・・・
▼このAさんの事例では、名誉毀損罪や侮辱罪が成立する可能性があります。
・週刊誌の記事を鵜呑みにした行為であっても、「未成年に手を出した」という具体的な事実を示しているので、イメージを傷つけ社会的評価を下げたとして「名誉毀損罪」が成立する可能性があります。
・また「ロリコン犯罪者」といった抽象的な発言でも「侮辱罪」が成立する可能性が。
▼名誉毀損罪の場合、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処されます。
▼侮辱罪は、1日以上30日未満、身柄を拘束される拘留、または1000円以上1万円未満のお金を納付する科料に処されます。
・侮辱罪は、犯罪の成立の幅が広く「○○はバカ」や「性格が悪い」などといった抽象的な表現でも適用されます。
・これは推し活以外でも多く見受けられます。
・ただ、刑罰が軽いとの指摘もあり、厳罰化の議論が進められています。
こうした誹謗中傷が、ひとの自殺など、最悪の結果を招く場合もあります。そうしたことが実際に起こるんだ、ということを想像して発言・発信する必要があります。











