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6月3日の放送では、アーティストの宮沢和史さんをお迎えしました。
宮沢さんは今年、バンドTHE BOOMで「島唄」という曲を発表してから30年、沖縄本土復帰50年というタイミングで『沖縄のことを聞かせてください』という本を出されました。
初めに伺ったのは、沖縄のことを歌った「島唄」について。
「島唄」に込められたものは非常に分厚いものがあり、当時はそれを口にするのがはばかられたそう。
当時は「沖縄の人たちにとって失礼じゃないか?」という葛藤がありましたが、「これは沖縄の心を捉えているから、この歌は、魂までコピー出来ていたら真似って言わないんだよ。どんどん歌いなさい」と背中を押してくれた声があり、リリースに踏み切りました。
「島唄」に込められたものについて、注目したいのは歌詞の意味。
表向きは男女の別れを歌っていますが、ダブルミーニングになっていて、戦争がモチーフになっています。
まだまだ沖縄の土のなかでくすぶっている魂たちの供養として、家族のもと、恋人のもとに帰ってほしいという思いが込められた鎮魂歌であり、サビでは、このまま永遠に戦争の無いことを願っています。
そうした意味を込めているのに、「君こそ帝国主義だ」と言われることもありましたが、このことは口が裂けても言えなかったそう。
また、当時からこの意味を言わなかったのは、言いすぎるのは野暮だと感じていて、音楽で勝負したい気持ちがあったから。
当時はバブルの終わりということもあり、浮かれた祭りの後に沖縄のことを言っても聞いてもらえないと感じていました。
そして、この本を作るにあたり、宮沢さんは「沖縄の声を聞いてきたのか?」という疑問が念頭にありました。
沖縄に関して聴くニュースで、キーワードは予想できるものでした。
「それは沖縄の人たちの声じゃない。都合のいい言葉を取りに行くだけ」。
沖縄の人たちがこうありたいっていうのを聞きたくて、それに向かって日本政府は手を差し伸べるべきだと思うし、日本政府やアメリカの都合で彼らの未来を決めちゃいけない。
彼らの声を聞いてそこにたどり着くためにどうしたらいいのか。
彼ら、4人に1人の死が我々の復興を助けてくれたのに、と語ります。
他にも、沖縄と距離を保っている理由、「替え歌にしていく民謡の良さ」、「うちなんちゅってなんだ?」、三味線の原料となる「くるちの杜」のお話などについてお話しました!