TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』毎週月曜日~木曜日 朝8時30分から放送中!

6月7日(火)放送のふらっとトピック後半戦は、大人気漫画『ブルーピリオド』の作者・山口つばささんがゲストとしてふらっと遊びに来てくれました!

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『ブルーピリオド』の気になったシーン(コマ)を携帯の待ち受けにして、勇気をもらっている向井さん。
作品への愛と熱が止まりません。

人の人生に影響を与える漫画

向井:麒麟の川島さんが『ブルーピリオド』が本当に大好き。自分のマネージャーに『ブルーピリオド』を面白いよと勧めたんです。そのマネージャーがこの作品を読んで感銘を受けて専門学校に通い始めた。吉本をやりながらね。それで結局、芸大受けて合格しちゃって吉本を辞めたんです。

田中:え!それすごいことじゃない?

向井:それぐらい人の人生に影響を与えてしまう漫画なんですよ!

山口:その方もすごいですね!

パンサー向井『ブルーピリオド』への愛を作者の前で語る!

安心できる言葉として「才能があるね」と使ってしまう

向井:これ(美術や藝大受験)を漫画で書こうと思ったのは何でなんですか?

山口:やっぱり連載する漫画を書くってなったときに、自分が1番よく知っていて、毎月書くのに耐えうるテーマっていうのがまずそれだったかなっていう。

向井:アート系の漫画って、なかなか描くのが難しいんじゃないかなっていうイメージあるんですよ。ハードルは??

山口:文化系スポ根というか、文化系で熱い漫画っていうのがものすごくたくさんある。そういうのを見習いつつ

自分も挑戦してみたいなみたいな感じです。

向井:そうなんです!この『ブルーピリオド』ってまさにおっしゃったスポ根の要素があるんですよ!熱いんですよ!アートの面白さもこの漫画を見るとわかるし、美大のリアルもわかる。そして、いろんな職業の方が、なんか胸に刺さる。仕事への向き合い方だったり、才能っていうものが。

田中:そうなんや。

向井:どの仕事でも、例えば『あの人、才能あってうらやましいな』って言う人っているじゃないですか。

そういった嫉妬とかがたくさん入っているんですよ。

田中:うんうん。

向井:僕すごい好きなシーンが、八虎という主人公は美術のセンスがめちゃくちゃあると自分で思ってないんですよ。彼が先輩の絵を見たときに感銘を受けて、美術の道に進もうと思うんです。その先輩に「先輩は才能あっていいですよね」って言うんですが、その先輩が、「嬉しいんだけど、才能って言われちゃうと、自分が何もしてないみたいでちょっとっ」て言うシーンがあるんです。

田中:あ~。

向井:「なるほどな」って。僕らも芸人やってると、才能ある人を見たときに、「いいよなぁ。才能あって」って簡単に言っちゃうけど。実際その人自身は多分、めちゃくちゃ努力をしてその作品を作ってる。簡単にこっちが“安心できる言葉”として、「才能あっていいですよね」って使っちゃうなって。それを見てぞっとしたんですよ。

山口:熱量がすごい(笑)

向井:山口さん自身はどっちタイプの人なんですか?

山口:それを言うなら、完全に努力よりだと思いますね。でも、一周まわって「才能があるね」って言われるのもちょっと嬉しくなってきました。

一同:(笑)

―中略―

山口:絵を書いてたりすると、変人ですごく最初から才能があってみたいなこと言われる。なんか自分とは違うね的なことをやっぱ言われるのが…。よく言えば神格化ですけど。ちょっと切り離して、見られちゃってるのが寂しいなと思って。なんかそういう感じで書いた感じですね。

向井:だから、この主人公っていうのはかなりいろんなが感情移入できると思う。

田中:なるほど。

向井:多くの方が自分に何にもないって思っちゃうじゃないですか。で、才能ある人を見ると、「は~いいよなっ」てなるけど、主人公の八虎っていうのはそこから、自分が美術という才能だらけの世界でどう戦うかを見つけようとしていくんですよ!本当は諦めてもいいんだけど。好きだから。

好きだから続けたいじゃないですか。僕もそうです。お笑い界は才能のだらけって見えちゃいます。でも、お笑いが好きだから。何とかここでご飯食べるために続ける。模索する。そこにすごく重なるんです。いろんな会社で働いてる方たちのなかにも、すごい同期とかね、すごい先輩とか後輩を見たときに感じる気持ちが、あると思うんです。その突破口を探そうとしてるんすよ、ずっとや八虎は!

田中:山口さん、いかがでしょうか?

山口:すごい。原稿を頑張ろうって思います

パンサー向井『ブルーピリオド』への愛を作者の前で語る!

主人公と同じ気持ち!「俺のラジオで全員殺す」

向井:いろんなタイプのキャラクターが出てきてくるんです。主人公の八虎から見たら天才と思うような世田介っていうキャラクターがいるんです。すごい絵がもちろんうまくて、独特。

でも世田介から見ると八虎は何でもできて、誰にでも愛される存在。だから「お前みたいな奴が美術にくんなよ」って。「なんで美術選ぶんだよ」って言われちゃうんですよ。でも八虎は最高に自分の熱意をかけてやりたいことようやく見つかって本気でやってんのに、リア充って見られちゃって、「俺のこの気持ち届かないんだ」と思って泣きながら、「俺の絵で全員殺す」って言うシーンがあるんです。それを僕待ち受けにしてる。

田中:そうなんや。

向井:俺も何か一見明るくて、誰とでもうまくやれそうで。落ち着きましょうっていまスタッフに耳で言われてるんですけど。

山口:ははは(笑)。

向井:一見僕も何でもできそうみたいに勝手に思われて。「お前みたいなやつがラジオにくんなよ」みたいな。ラジオってもっと教室の隅とかで人気者をはすに構えて喋ってるやつのメディアだからみたいな。

「お前みたいなやつがラジオくんな」なんて言われたこともあったんですけど。

山口:ああ~。

向井:同じ気持ち!「俺のラジオで全員殺す」って気持ちで(ラジオ)やれるんですよ。

田中:なんか吐き出した感じがした。向井さんの腹の内を。ここで初めてじゃないけど。すごい聞けた。

山口:ガチなところを。

向井さんの思いが爆発した山口つばささんとのトークはでした!

パンサー向井『ブルーピリオド』への愛を作者の前で語る!
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