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7月8日の放送回では、落合恵子さんをお迎えしました。

お話は早速、落合さんの長編小説『わたしたち』について。


作品に登場する先生が印象的ですが、落合さんはこの先生について、「夢を抱いて社会と向き合った時に『そんなに社会は甘くないよ』という大人もいる、そういう大人も大切かもしれません。
でも一方で『大変かもしれないけどやってごらん』って背中を押してくれる大人がいるってとても大切なこと」だとおっしゃっていました。

「血のつながりが無くても、若い人を励ましてくれる大人がいる。それは結び縁でもいいのかもしれませんが、そういう大人がいるってとっても大事だなって、ずっと考えて来たことの1つです」。

また物語の場面で印象的な台詞「わたしたちのことなのに、なんで私たちで決められないんですか」というのは、この小説の中に通底するメッセージです。
「だめだからだめです」と言われてしまうとなんだかわからないけど、世の中にも「決まっているから守りなさい」ということはたくさんあります。

また落合さんのエッセイ『崖っぷちに立つあなたへ』では、「私の外側で私が勝手に作られていく。私を作ることができるのは私しかいないのに、何の権利があって私以外の誰かが私を捏造するのだ」という文章があり、まさに先程のところに近しいメッセージ。
落合さんがこれに憤りを覚えたのは、日常の中にありすぎて一つ一つ数えることもないですが、「一つ大きいことは産まれがシングルマザーであること」。
眼鏡に「お父さんがいないのに」と言わ「孤独の力が大事」れたことが、社会に感じた最初の違和感でした。

それでも、その状況下で「自分の好きなように生きなさい」とおっしゃってくれた落合さんのお母さま。
母が最も望んでいたことは「自分の人生を自分で生きること」。

でも、それができないならば、せめて次の世代にはそれが実現するように「あなたの人生はあなたよ」という思いがあったのかもしれない、とお話していました。

作品内で登場する「わたしの夢」という作文では、「される側の人といっしょにいたい」という一文が。
「やめてくれといえる人は幸せな人だと思うんです。やめてといえばやめてもらえるんだから」
これについて落合さんは「どうして私たちの社会は加害性を見ないで、被害者の側に落ち度があるという言い方が当たり前のように語られるのか」とおっしゃっていました。

また「一人で考える時間が必要」で、それは長さでなくて深さ。自分一人の時間と空間を1日のなかでどれだけ持てるか、だそう。
孤独は良くないことだと現代の人はよく言うけど、孤独と向き合うことは大切。
「自分はいったい何をしたいのですか、自分が歩きたい道はどっちですか、その速度は?歩幅は、ってことは一人の時間の中で考えることかなと思います」。

さらに「人生においてタフなファイターでありたい、同時にデリケートなファイターでありたいとも思う」というお話も。
タフな人ってデリカシーから遠い人だと思われ、難しいけどそれが欲しい。
タフであることとデリケートであることを両立したいとのこと。

他にも「まだやってんの?」というお話、「絵本はいろんなものを超える力がある」、「呼吸が浅い社会になっている」についてお話しました!

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