TBSラジオ「ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ」毎週木曜よる9時から放送!
「マイゲーム・マイライフ」のゲストに声優の上坂すみれさんがやってきました。様々なゲーム話を披露してくださった中でも、特に上坂さんの凝り性な部分が出ていたお話として「マジカルバケーション」について取り上げたいと思います。

上坂「一番遊んだなっていうゲームがですね。ゲームボーイアドバンスの『マジカルバケーション』っていう」
宇多丸「『マジカルバケーション』! (中略)これはどういうゲームなんですか?」
上坂「これはですね。アドバンス用のオリジナルのRPGなんですけど、名前の通り、魔法に特化したファンタジーな世界観で、魔法学校の生徒たちが修学旅行に出かけるみたいなお話だったような気がするんですけど」
宇多丸「学園モノでもあるみたいな」
上坂「学園モノで。いろんなクラスの人たちが、みんなそれぞれ違う属性の、木の魔法とか水の魔法とかの使い手で。でも、ストーリーの中でだんだんと世界の真実に気づいていく系のお話なんですね。で、すごく、なんだろう、ストーリーとか絵はかわいいんですけど」
宇多丸「かわいいですよね。そんなハードみがあるようには見えないけど」
上坂「なんというか、MOTHER2系の雰囲気と言いますか。パステル調でですね。とってもかわいくて。回復アイテムも、グミで回復するとか」
宇多丸「かわいい」
上坂「かわいい系なんです。けど、とにかく攻略が難しく、マップも複雑系で、仕掛けっていうか、文字のなぞなぞとか」
宇多丸「謎解きも難しい」
上坂「難しくてですね。これ3年くらい遊び続けたゲームなんです」
宇多丸「すげー! 3年。
上坂「あ、でもクリア難しいと思います!」
宇多丸「ラスボスがとにかく強すぎて、バグだと思ったっていう」
上坂「じゃあ、すごく早く(レベルを上げずに)進めちゃったのかもしれないですね」
宇多丸「ああ、そっかそっか。ちゃんとやっぱり着々とやって」
上坂「そうそう。私はすごい時間をかけて遊びました。普通の属性の、水の魔法とかカミナリの魔法とかは簡単に使えるんですけど、闇の魔法、光の魔法っていうのが、ほぼ裏ワザみたいな感じで。アミーゴっていう通信交換を、闇の魔法は99回で、光は100回くらいやらないといけない」
(※一応こちらで調べたところ、闇魔法は100人と通信、光魔法はいくつかの条件を満たした上で光以外の全魔法を習得したら得られるようです)
宇多丸「通信交換をやったトロフィーみたいなのをためていくことで」
上坂「(通信を)違う人と」

宇多丸「違う人と!? ええー! その、友達100人……。しかもゲームボーイアドバンス持ってて……マジカルバケーションやってる友達100人集めろって……酷じゃね!?」
上坂「そう! この頃はそれこそね、ニンテンドーオンラインとかないですから」
宇多丸「そうですよね! 知らない人同士とかないから」
上坂「物理的な友達100人が必要だったんですよ」
宇多丸「(渋谷の)センター街とか行って声かけるしかなくね?」
上坂「本当にもう、宇田川町の奴らを全員連れてくるしかない(笑)」
宇多丸「立て看板こうやってね」
上坂「(立て看板に)『マジカルバケーションあります』、ってやるしかないくらい」
宇多丸「え、めちゃくちゃ! それ!」
上坂「私もう、これがバグだと思って」
宇多丸「バグだし、まあ無理っしょみたいな」
上坂「まあ無理っしょって思ってるんだろうが、私はやるぞって思って、マジカルバケーションをもう一個手に入れて、アドバンスは幸いもう一個もっていたので通信ケーブルを繋いで、夜な夜な私はリセットして」
宇多丸「こっち側の、通信用の人をリセットして、違う人を」
上坂「新しい人として始めて」
宇多丸「アカウントというか、違うあれになって」
上坂「アカウントを100個作り、光の魔法を手に入れたんです!!!!!」
宇多丸「作業?(笑)」
上坂「そうです、毎日毎日」
宇多丸「繋ぎでこうやって(笑)」

上坂「ふおおお、あと10回やるぞ……! とか」
宇多丸「すごいっすね……!」
上坂「頑張りました……」
宇多丸「手に入れたんだ」
上坂「でも、手に入れちゃったら逆に、満足ってなって、そこからクリアには至らなかったんですが……」
宇多丸「クリアしてないんですか、結局」
上坂「他の魔法ではクリアして、光の魔法ではちょっとクリアしてないです」
宇多丸「ちなみに光の魔法は強いんですか?」
上坂「いやもう、その世界最強の魔法なので。特に闇の魔法が終盤に出てくるんですが、光の魔法が勝ちますから、ボスも楽々勝てるはずなんですけど」
宇多丸「でも、ゲットしちゃうとね」
上坂「そうなんです……」
宇多丸「これさえ手に入れれば無双状態みたいなのを手に入れたら、それもう、ゲームとしてはつまんないですもんね」
上坂「だから友達100人っていう設定だったんだろうなって」
宇多丸「まあね、だから、作り手のメッセージだったんだろうね。ゲームもいいけど、100人友達作ってみたらって」
上坂「ちょっと早かったですよね。せめてオンラインが生まれてからにしてくれって! だから今、マジカルバケーションがSwitchで配信されたら、歓喜……!」
宇多丸「(中略)マジカルバケーション作った人も、(上坂さんの一人通信について)そんなことしたの⁉って多分」
上坂「ちょっと会ってみたいですね。会ったらひと文句言いたい(笑)。アミーゴ100人は無理って! ……でも私のベストゲームです」
ゲームの内容はすごく面白そうなので、もしSwitchで配信されたらぜひやってみたいのですが、友達100人というのは躊躇しますね……。でも、今ならオンラインで意外と簡単にクリアできてしまうのでしょうか。
いずれにせよ、配信を期待したいゲームです。


上坂「お父さんと遊んだ記憶があるのが、ストリートファイターZEROっていう、アーケードの移植版なんですかね? これで私、初めて人とゲームして、もうやらないって思いました(笑)」
宇多丸「それはやっぱり、ボコボコにされた的なことですか?」
上坂「そうなんです(笑)。(中略)もう私、CPUと一生友達……って」
文/朝井麻由美(ライター、コラムニスト)
◆4月15日放送分より 番組名:「ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ」
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