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11月11日の放送回では、作家の柚木麻子さんをお迎えしました。
柚木さんはこの度、新刊『とりあえずお湯わかせ』というエッセイ集を出されました。
タイトルの『とりあえずお湯わかせ』というのは、柚木さんのお母さまの口癖。
雑誌連載のお話を頂いたとき、「雑誌名が料理のタイトルだから食べ物の話がいいかな」と思った時に思い出したそうです。
そんな柚木さんのお母さまは色んな事を予期します。
柚木さんには、「あなたはいとうあさこさんと知り合いになるといいと思う」と言ったり、中学3年の時に工藤静香さんと木村拓哉さんが共演した際、「この2人結婚する気がする」と宣言されたりしたことも。(現在結婚されてるお2人です)
2人の魂が似ていたようで、柚木さん曰く、お母様はそうした精神性を見抜く方だそうです。
続いて話題は「おうち○○」へ。
柚木さんはコロナ渦の自粛中に言われていた「おうちで楽しむ」ことのありとあらゆることをやりました。
けれども柚木さんは肯定的じゃないようで「あれに乗っちゃだめなんですよ、社会のことを考えるのであれば。それは個人の責任に転換されていて、個人の問題に勝手に変えられて、いつのまにか国に協力させられているって視点を持てばおうち夏祭りはやらない方がいいのに、私は全力でやってしまうんですよ」とのこと。
「ありとあらゆることをやって結局これ、国の足りない部分を私たちが払ってるんじゃないかって気が付いた」そうです。
また、柚木さんは「ママに武器なんていらない」というエッセイがバズっていました。
いい話に聞こえますが、実は『ダイ・ハード』の話。
ワンオペで辛い時に、ふと自分を見たら、恰好がダイ・ハードのブルース・ウィルスみたいだと思ったことがきっかけです。
ブルース・ウィルスも武器奪われ、素手で戦ったりします。
「そもそも武器なんて必要ないのに、なんでこんなに武器を欲しがっているんだろう」という葛藤を描きました。
エッセイの中で砂鉄さんが気になったのは、「究極の部外者は政治家だと思うんです」という言葉。
今の力を思っている人たちに対する怒りを書かれていて、柚木さんは「権威ある第三者が変えてかなくちゃいけない」と考えています。
ちょっと違う立場の人たちが声を上げると、当事者が身を削るのが減らせて、勇気ある当事者たちが傷つくことが減らせます。
そこが変わってくれないと当事者だけの努力になってしまうことを、この4年間色んなことに直面して考えてきたそうです。
他にも、田嶋陽子特集、顔ハメ看板を面白くするコツ、コロナ渦で小説の見られ方が変わったことなどについてお聞きしました。