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1月10日(火)放送後記

3連休も終わって、東京都内では今日から3学期という高校も多いので、また通勤・通学の混雑も本格化していきますが、こうなると増えてくるのが電車や駅での忘れ物です。

電車で忘れ物をしたことはありますか?

電車を利用するみなさんは、何か忘れ物をしたことがあるのか、聞いてみました。

●「傘を雨の日によく忘れますね。

朝降っていて帰り降っていない時とか、端っこの席に座っていると横にかけちゃうんですよ」
●「ガラケーを小学生のころ無くしました。駅とかに電話して探してもらったんですけど見つからず、結局買い替えました」
●「忘れ物をしていく瞬間を目撃した。ドアが閉まって、スマホ忘れてるなっていうのを見たことがあります。ドアが閉まっているので「あ、ああ~」みたいな。それ以来スマホちゃんと手に持つようになりました」
●「私も目の前で、多分酔っ払っている方でカバンごと置いて降りちゃった方がいて、えっ!?って思ったんですけどそのまま行っちゃったので、どうしたんだろうそのあとって思ったんですけど」

20人ほどにお話を聞いたんですが、5人は電車に物を忘れたことがある、または忘れ物をしているのを見たという回答でした。傘、携帯電話、定期など、電車内でも手に持っている物の忘れ物が多かったです。

電車内に忘れ物があった場合、まず落とし主は、駅や忘れ物取扱所に対面もしくは電話で問い合わせます。落とし物を探すスタッフは、どういう特徴のある何を落としたのか、情報の確認と照合をして、ひとつひとつ時間をかけて探し出します。毎日多くの忘れ物がありますから、かなり時間のかかる作業です。

電車の忘れ物をLINEで問い合わせ、AIが検索

落とし主からしても、探すスタッフからしても見つかるまでの時間を短縮したい、大変な作業を少しでも楽にしたい、ということで、落とし物捜索に関する新たなサービスの実験が来月、始まります。

どのような実験なのか、京王電鉄広報部広報担当の山田喜寛さんのお話です。

京王電鉄広報部広報担当 山田喜寛さん
これまでお忘れ物をされた際には駅やお忘れ物取扱所などにお電話をいただいてそこから検索をさせていただいていたんですけれども、今回それをまずLINE上で検索を行うことができるようなサービスとなっております。お客様に物の特徴や忘れた場所などをご入力いただいたりすることで、AIを活用して検索、照合することができますので、問い合わせから発見までの時間を大幅に短縮することができるようなサービスとなっております。

どうしても情報確認ですとか照合に多大な時間がかかってしまうという課題を抱えておりましたのでその課題解決のために試験導入をさせていただいているというところになります。

AIとLINEを使うことで一気にスピードアップをしようという実験です。簡単に仕組みを説明すると、落とし主はLINE上でサポートセンターとやりとりできるようになっていて、忘れ物の特徴をLINEで伝えるとAIが探してくれます。見つかったら、AIが発見した忘れ物の場所をスタッフに伝え、最終的に落とし主にLINEで教えてくれるので、そこに取りに行くという流れになっています。ですので、サポートセンターのスタッフがいちから探す手間が省けるということです。実証実験の期間は、来月2月1日~4月30日までの予定で、京王線、井の頭線の全ての駅、合わせて69駅と電車内での忘れ物が対象です。

電車の忘れ物を画像検索

そして、この実験では「もっと探すスピードを早くしよう」という工夫があります。

再び京王電鉄の山田喜寛さんです。

京王電鉄広報部広報担当 山田喜寛さん
あとは今回特徴となっているのが、実際に忘れた物の画像をお送りいただきますと、そちらをAIの方で察知してより検索スピードを上げて検索できるようなシステムとなっております。やっぱり特徴とかが分かればそれで少しでも検索が早くなると思いますし、今回AI導入ということでそういったところを人よりも素早くできるというところが売りなのかなと思っておりますので、お客様にもそういった利便性を感じていただきたいなとは思っております。 

AIによる「画像検索」の実験も行われます。普段LINEで写真を送るのと同じように、忘れた物の写真を持っていればそれを送信すると、より早く忘れ物が見つかるかもしれないというものです。

ただ、これについては、なくしたものの画像を持っていないといけないので、果たして、そんなに何でもかんでも写真に撮ってあるのかどうか?という課題がありますが、この実験は、鉄道会社にとっては、忘れ物対応をしてくれる係員の負担をどれだけ減らせるかというチャレンジでもあります。

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