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1月19日(木)放送後記
1月19日は「家庭用消火器点検の日」です。消防への緊急通報番号「119番」にちなんで、全国消防機器販売業協会が1991年に制定しました(現在では「住宅用消火器」という名称が法的に定められています)。
冬場は乾燥した日が続き、住宅火災が発生しやすい季節です。ぜひ、1つは備えておきたいところですね。
でも実際どのようなタイプがあるのか、どうやって選べばいいのかわかりませんよね。
そこで今回は消火器類の普及発達を図っている「日本消火器工業会」にいろいろと教えていただきました!
Q:そもそも法的には設置の義務はあるの?
消火器を設置場所に応じて分類すると『業務用消火器』と『住宅用消火器』の2種類に分けられます。 『業務用消火器』は法的に定められた建物などに「義務で」設置することを前提とした消火器になります。会社の廊下などにも設置されている、あの赤い消火器は「業務用」です。
一方、『住宅用消火器』は一戸建てなどの住まいに「任意で」設置することを前提とした消火器です。こちらについては、家に置きやすいよう赤色以外の様々なデザインがあります。
ただし設置義務のある場所へ、住宅用のものを設置することはできません。逆に業務用消火器を家に「任意で」設置することは可能です。
Q:住宅に備える消火器はどんな火災を想定しているの?
「住宅用消火器」は家で発生する主な火災の「普通火災」(木材や紙などが燃える)、「てんぷら油火災」、
「ストーブ火災」、「電気火災」のすべてをカバーしているので、1本置いていただければとりあえず対応できます。
ただし注意点があります!
消火器による消火は「炎が天井に届くまで」で、そこを超えると火勢が強くなり、消火器による消火が難しくなります。そうなったら避難を優先してください。
Q:住宅用消火器にはどんな種類があるの?
消火薬剤ごとに分類すると「粉末消火器」、「水系消火器」の2種類があります。
「粉末消火器」は、粉末の消火薬剤が広い範囲をおおって、火勢を一気に抑えて消火します。
【有効なケースの例】
灯油ストーブによる火災で、床にこぼれた灯油に火がついて一気に広がってしまったときなどは、強力に炎を抑える粉末消火器が有効です。
ヤマトプロテック「粉末消火器FM1000X」
サイズが高さ約37cm、幅が約13cm、重さ2キロちょっとで、この手の消火器としてはコンパクト。
4000円以下で購入できました。
「水系消火器」は「強化液」という液体の消火薬剤を霧のように放射することで、燃焼物を冷却したり、浸透することで消火します。
【有効なケースの例】
「天ぷら油による火災」です。高温に熱せられている油を冷却し、また空気を遮断する効果のある水系消火器が有効です。また、寝たばこで布団に火が付いた場合でも、液体が表面だけではなく布団の中まで浸透して冷却する水系消火器が有効です。

丸山製作所「エアゾール式簡易消化具 火消スプレー」。
強化液が入ったやつでも特にコンパクトなモデル。
1500円ほどで購入できました。
Q:設置する際の注意点も?
消火器を設置しても邪魔になってしまい、物置にしまってしまったという話しもあるそうです。しかし、いざ火災となったら、物置に消火器を取りに行けないケースがほとんどだと思いますので、すぐに使用できるように室内の目に付くところに設置してください。
具体的には、火災が発生した時に避難経路上であり目に付きやすい玄関、火元の原因になりやすいキッチンの周りがオススメです。コンロの奥など火に近すぎるところに消火器を置いてしまうと、火災時に消火器を取りにいけなくなってしまう恐れもあるのでご注意を。
Q:インターネット以外に、どこで買えるの?
一番身近なところではホームセンターです。あとは、防災機器を扱う消防機器の販売店などで販売されています。
処分については消火器を捨てるだけの場合は、自治体のごみ回収では引き取ってもらえません。消火器のメーカー団体と日本消火器工業会が運営している「消火器リサイクルシステム」で、全国およそ5000箇所の廃棄窓口をご案内しているそうなので、インターネットでもわかるので「消火器リサイクル窓口」で検索してみてください。買い替えるのであれば、買った消火器と同じ本数を下取りするサービスをしている店もあります。
そして、きょうは「家庭用消火器点検の日」ですので、すでに自宅に消火器を設置している方は、異常がないかチェックしてみてください。チェックするポイントは4つです。
①本体容器やレバーなどに、「さび」や「へこみ」がないか
②黄色い安全栓が抜けていないか
③使用期限を過ぎていないか
④レバーの下にある「ゲージ」を見て、針が緑の範囲内にあるか。
住宅用消火器があれば、火が小さなうちに消し止めることができます。大切な家族や家を守るために、ぜひ、設置の検討をしてみてください!