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1月22日(日)放送後記
一青窈さん(part 2)
1976年台湾出身。2002年に「もらい泣き」でデビューし、日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。
出水:一青窈さんは台湾生まれ、お父様が台湾の方でお母様が日本人ですよね。
JK:台湾料理って美味しいですよね!
一青:そうですね、わりとなんでもワイルドに食べてた記憶はあるんですけど。
JK:台湾の人ってあんまり家で食べないんじゃない? 朝から外で、美味しいおかゆを食べるイメージ。
一青:でも私が子どもの頃は一応母が毎日作ってましたよ。朝ごはんは市場で買ってきたカエルを家でさばいて、ショウガとカエルのスープを飲んでましたね。市場では台湾語を使って、日本語は家の中で、学校では北京語でしゃべってました。
JK:すごいですね、 生まれながらにしてトライリンガル! 音楽との接点はいつごろ?
一青:ずっと母が好きで、井上陽水さんとか聞いてたような。あとは姉が聞いていたチェッカーズとか松田聖子とか、やがてAhaとか海外のアーティストとかも聴き出すんですが、自分が歌手になろうと思ったのは中学生ぐらいですかね?
JK:やっぱり誰かにほめられて、とか?
一青:母が闘病してたときに、抗ガン治療よりも音楽で一番元気になった。その時、音楽で人が元気になるならこういう職業がいいなあ、と思ったのが大きいですかね? カセットテープに「私のマイ・フェイバリット・ソングス」を作ってママに贈ったりとか。
出水:当時から詞は書いていたんですか?
一青:小学校2年生からずっと書いてました。
JK:私は日記はだめだわ(^^;) だから詞ができるんですね。
一青:私は日記をコラージュみたいにしてて、行った映画のチケットとか、チラシとか、その時にぐっときた色紙をコラージュしたり。今は子どもの分も3冊作ってます。生まれたから今まで毎日、その時撮った写真とか、描いた絵を全部コラージュブックにして。
出水:なんて素敵な宝物でしょう!
一青:いつか大人になった時に、何かになれば。燃やしてくれてもいいんです(^^)
JK:人生のマサカでひらめくことはありますか?
一青:マサカだらけですよね! でも子どもを産んだのはマサカでした。まさかママになるとは思わなかった。
JK:私も全然思わなかった。だって子どもを産んだ時に「あなた女だったの?」って言われたんだもの。
一青:ははは、誰に言われるんですか(笑)
JK:いや、ファッション界ってゲイの人多いんですよ。パリ行ってもニューヨーク行っても。
一青:自分の本能的な部分を突きつけられるというか。面白いですよね。
JK:でもお子さんが3人いて、仕事もバンバンできて。頼もしいなぁ~。私は仕事休まずに、子どもを振り回してるだけ。世界中どこでも連れてったしね。わりと外国は子連れに理解があるのよ、展示会でもファッションショウでも。
一青:ファッションショウにお子さんが出てきちゃって困った、ってことはなかったんですか?
JK:一番前のいい席で寝てました(^^)でもランウェイに上がってくるというのはなかったですね。躾って「身を美しくする」って書くでしょ。身なりをきちっとするといい子になるの。大切よ。子どもって、楽でもいいわ、って格好だとぐちゃぐちゃにするけど、今日はだめよ、って服装できちっとするとわかるみたい。
一青:じゃあお子さんの服も作ってた? お揃いで?
JK:お揃いじゃないけど。男の子だから。私の場合全部仕事になっちゃうんですよ。子どもができて子ども服を作り、結婚してメンズを作り、家庭ができて食器だのなんだの作り・・・女性って現実的だから、全部仕事になるのよ。
出水:お子さんたちはまだ小さいですが、「我が家のルール」みたいなものはあるんですか?
一青:ルール? 人を叩かない(笑)暴力反対。あとは嘘をつかない!
出水:朝起きてから1日のスケジュールはどんな感じですか?
一青:5時半ぐらいから起きて、朝ごはんを作って・・・
JK:じゃあ何時に寝るの?!
一青:寝るのは8時半とかですよ。7時半には長男が寝るので、徐々に寝かしつけて、朝が白んでくる頃に起きて。それこそマサカな生活。今まではそれこそ夜2~3時まで起きてましたからね。
出水:作詞活動はどのぐらいの時間に組み込んでいるんですか?
一青:朝の3~4時ぐらいに、目がパチッと覚めて、ぱたぱたと書いてますね。
JK:薄暗いとなんかモゴモゴしませんか? 電気をぱちーっと点けちゃうの?
一青:よっぽど眠い時はティッシュのケースの裏に書いたりしますけど(笑)だいたいそういう時は盛り上がってるので、起きて20分ぐらいで書くって感じですね。
JK:ずーっと思ってるからでしょ。
一青:そんなにダラダラ書いてもいいものできないですよね。
JK:私は2時間あれば何でもできる。ダラダラ1日中はしないんですよ。最大2時間!
出水:子育てと仕事モードを切り替えるスイッチとか、ルーティンはありますか?
一青:3時半ぐらいに書いてて「ママ~」って言われると、3回ぐらい聞こえないふりしますね(笑)呼ばれてるのはわかるけど、今は書き下ろしたい!みたいな(^^)ちいちゃい声で「はぁ~い」とか。でもバババッ!と書いて抱きしめに行きます(笑)
出水:結婚してからお料理をするようになったのがご自身も驚きだった、という記述を呼んだことがあるんですが?
一青:結婚前にジュンコさんのお宅に伺った時、「えっ、ジュンコさんご飯作るんですか?!」みたいなことを聞いて、「作るわよ~」って言われて・・・
JK:たいしたもんじゃないわよ。
一青:いや、たいしたもんだったんですよ! ミニマルな水墨画みたいなお料理で、たいしたもんを作っているデザイナーに感動したんです。でも今、母になって理解しました、追い込まれると作りますね! 私の場合はやっぱり中華です。
JK:そりゃあ台湾の人は美味しいもの食べてるもんね。私台湾で食べて好きだったのが、生の青のりのスープ。表面がグリーンで、他に何にも入ってなくて。
一青:なんだろう? 初めて聞いた! 来月行くので、友達に聞いてみます。
JK:新しい年になって、今年こそやりたいわあってことは? 20周年をきっかけに、やっていたい夢は?
一青:どうでもいい夢としては、私まだバンジーやってないんですよ。バンジーやったら楽しそう(笑)あとは海外旅行をしばらくできてなかったので、旅行して行ったことのないところに行ってみたい。
JK:やっぱり人生は行ったことないところに行ったり、やったことないことをやるのが大切。思ったらやる!
一青:南極には一度行ってみたいなと思ってます。圧倒的な氷の世界で、陽水さんの「氷の世界」を聴くとか(笑)
JK:すてきだわぁ。いい人生ですね! これからまだまだいいこと一杯あるわよ。
OA楽曲
M1. かたつむり / 一青窈