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2月28日(火)放送後記
今回は野球のシューズに起きている異変に注目しました。最近「足袋のようなシューズ」が人気なんだそうです。
プロ野球界で人気!足袋型スパイク
では、どんなものなのか?何かいいことがあるのか?岡山県倉敷市の靴製造メーカー「岡本製甲」の岡本陽一社長のお話です。
岡本製甲 岡本陽一社長
見た通り足袋の形に割れてるっていうことですよね。人の足っていうのは、立っている段階から踏み込むときに接地面積が140%広がるんです。なおかつ足の指の足指間って言うんですけど、1センチくらい広がるんです。でも靴って、絶対前が細くなるじゃないですか。本当は広がりたいけど、広げられないっていう状況を、靴って言うのは作り出してしまっていて、これが足袋型になることによって、本来の人間の足の動きができるっていう事が違いなんです。その指をしっかり使えることによって、蹴れる、踏ん張れる。どの選手もそれは言ってくれています。
岡本製甲は、元々有名選手のスパイクを作っていたので技術はあったそうなんですが、その技術に加えて岡山大学と共同研究して、足の特徴を色々調べた結果、足袋型なら指がしっかり広がって踏ん張れるのでは、となり、このスパイクが誕生しました。指の広がりだけでなく、親指の付け根の母指球の部分にしっかりと体重も乗る、普通のスパイクは前と後ろの2点で支えるイメージですが、足袋型だと前が広がって三角形になるので安定感がある、など評判のようです。一般発売は今年9月で、今は受注販売のみなんですが、選手間で評判がクチコミで広がり、今プロ野球界ではソフトバンクの藤井皓哉投手をはじめ、約20人が使っているそうです。
高校球児も足袋型シューズで練習
調べてみると、こういった足袋の形をした靴は、プロ野球だけではなく高校野球でも取り入れられていました。スパイクではなく、練習用のシューズを足袋型にしたという徳島県立鳴門高校野球部の森脇稔監督に伺いました。
徳島県立鳴門高校野球部 森脇稔監督
オフシーズン、キャッチボールからティーバッティングだとか守備練習だとか、野手中心に使用させてもらっています。
監督が注目したのはシーズンオフの体作りで、この期間に足の指をしっかり使って地面を掴む感覚を理解してほしいという狙いでした。そして森脇監督のお話で「五本指ソックス」という言葉がありましたが、ソックスは私たちも毎日のように履きますよね。今は履くだけで自然とつま先が上がる医療用の足袋型ソックスや、外反母趾の五本指のサポートソックスなど色々と出ていますが、スポーツ選手ではない私たちも日常生活の中で足袋や五本指ソックスなど、指が分かれたものを履くメリットはあるんでしょうか?
五本指ソックスは健康にもメリット
足の指に詳しい「みらいクリニック」の今井一彰院長に聞きました。
みらいクリニック 今井一彰院長
手袋って五つに分かれているじゃないですか。あれは手の機能を発揮するためなわけですよね。なので五本指ソックスも五つに分かれているというのは足指の機能をきちんと働かせるという意味があるわけです。足の指をしっかりと使いたい、姿勢をよくしたいということであれば、やはり履いていただいた方がいいかなと思いますね。五本の指がまとまっていると、指と指の間が押されてしまって血流が悪くなってるという状態が起きてくるわけです。そこにちょっと隙間が空いてくると指と指の間の血管ががきちんと働くようになって血流が改善して冷えが改善するというふうな効果が出てくることが多いですね。ご高齢の方でもきちんと足指が動いて歩くことができるようになると、歩く時の負担が少なくなったりとか、膝の伸ばし方がしっかりとできるようになったりとか、つま先が上がるようになってきて転びにくくなったりとかっていうことがありますので一般の方でも目を向けていただけるといいかなと思います。

五本指ソックスを履いて歩くことで、血行が良くなってふくらはぎのむくみが解消される効果もあるそうで、やはり足の指はひとまとめではない方が良いようです。