TBSラジオ Podcast番組「ベビーのいる生活~迷える子育て応援Podcast~」毎週月曜午前10時配信!

7月31日(月)配信後記

前回の帝王切開体験記に続き、#5は無痛分娩体験記です。無痛分娩での出産を経験した3人。

どんな理由で無痛を選んだのでしょうか?

とにかく痛みに弱い…車を出してもらえる…理由は様々

すもも:ピアスを高校生のころに開けて失神して。30秒くらいずっと目を瞑ったままだったみたいで。そういうことがこれまでの人生で10回くらいあって。最初、小さいクリニックの無痛分娩があるところに行ったら、「そういう理由なら大きい大学病院で脳波の検査までした上で無痛分娩にしてください」と。

川島 :自分の体質で選択されたんですね。

すもも:そうです。一回自分の舌を歯で嚙んじゃったときに、失神しちゃったこともあって。

一同 :えぇ~!

すもも:自分でもドン引きしたんですけど、周りのみんなも「どうした?」って。仕事中だったんですけど。それから自分の痛みとか血とかに自信がなくなっちゃって。陣痛は耐えられない痛みだとも聞いていたので。出血も伴うというし、それなら痛みはお医者さんマジックで消してもらって産みたいなと強く思いました。

川島 :いちごさんはどうですか?

いちご:私は採血とかすごく苦手で。

血を抜かれると意識がなくなることがよくあって。痛みに弱い。痛みがあるから産めないっていうのはもったいないというか、お母さんにはなってみたいけど痛いから嫌だというのはちょっと…と思っていたので、無痛で産めるところがあるのならと。

川島 :私は、どうして無痛にしようかと思ったかというと、体力回復にすごく重きを置いてまして。それで周りにも無痛の人が結構増えていたので、話を聞いて、それで無痛を選択して。あと、核家族というのもあって、もちろん予定通りに赤ちゃんが産まれてくるかどうかなんてわからないのですが、入院がこの日で退院がこの日だったら知り合いの人に車を出してもらえるみたいな、そういう日程が組みやすかったのもありました。だから、この日に出産ができたら周りに協力してもらえる、動きが取りやすいみたいなところもあったり。

無痛分娩とヒトコトで言っても、三者三様。思わぬトラブルもあるようです。実際、出産の日はどんな体験をしたのでしょうか?

終始笑顔、最後は吸引…、いや痛いよ痛い痛い!

いちご:一人目は全然痛くなかったんですよ。「めっちゃいいじゃん!」と思って。でも二人目のときはすごく痛かったので全然無痛分娩じゃありませんでした(笑)

川島 :どうして無痛にならなかったのですか?

いちご:だいたい無痛分娩というのは計画出産なんですね。

川島 :事前に「この日に出産します」と決めて。

いちご:それで入院して陣痛促進剤も入れたんですけど、全然陣痛が来なくて2日に渡っちゃったんです。麻酔を入れちゃうと陣痛促進剤が効きにくくなっちゃうから一旦麻酔を入れないで陣痛促進剤を入れても、陣痛が来なくて。で、このまま来なかったら一旦家に帰らせるみたいで。「子宮口が5cm開いてるのに帰るとか無理!」と思って号泣してしまい…。そうしたら先生が「人工的に破水させましょう」と。お産が進むらしいので。それをやったらドカーンと陣痛が来て、麻酔を入れる余裕がなくて。「麻酔は効いてますか?」と言われても「いや、痛いよ痛い痛い、全然効いてない」と思ってるまま怒涛のようにお産が進み。最後は押し出す感じ。生み出した感は、無痛じゃないほうがわかったので、両方体験できたのは結果オーライだったなとは思います。無痛分娩と自然分娩は全然違うものでしたね。

川島 :すももさんはどのような出産でしたか?

すもも:予定日の前日に入院して、促進剤を入れつつ麻酔をして…という順調なパターンを説明されたんですけど、1週間前に陣痛らしきものが来てしまって。

で、これが前駆陣痛かどうかもわからなくて、でも7時間ずっと痛くて。

一同 :えぇ~!

すもも:電話したら「すぐ来てください」と言われて、子宮口が4cm開いている状態だったので「入院できますよ」ということで1週間早めに始まったんですね。

川島 :そうなんですね。

すもも:まず脊髄に麻酔のチューブを入れる。誘発剤を点滴から入れていったんですけど、だんだん陣痛が強くなってきて、本当にピークで「痛い!痛い!」となってるんですけど、助産師さんが「もうちょっと自力で我慢すればするほど早く産めます」「ここで麻酔を入れちゃうと時間が延びますよ」と聞かされて。「せっかく麻酔をやれるのに」と思ったんですけど、2時間頑張って耐えてやっと麻酔を入れたんですね。そうしたら誘発剤の副作用で高熱が出始めちゃって。38度くらいになって悪寒がして鳥肌がすごくて。なのにお股あたりは無感覚という謎の感覚。

川島 :身体の上のほうは高熱で熱くて。

すもも:悪寒で頭は寒くてヒーヒーしている。でも無痛のやつはちゃんと効いてるという不思議な身体の状態を保ったまま出産しました。

だから最後は熱が39度くらいまで上がっちゃって。

川島 :そうだったんですね。

すもも:夜中12時になって。私も体力がどんどん落ちてきちゃって。踏ん張れなくなってきたんです。なかなか出ないから、「最終的には吸引分娩しましょう」ということで。

川島 :「赤ちゃんの頭を吸いますよ」という。

すもも:親指をつけたら頭があるくらいのところまで来てたんですけど、そこからが全然動かなくて「もう吸いましょう」ということで、吸いました。「ウィーン」という掃除機みたいな音が。

川島 :その瞬間は、感覚的にはどんな感じでしたか?

すもも:「吸引しましょうか」と決定したときには、オペみたいな感じの医師が出てきて、それまで主導していた助産師さんは横に立ち会って、「あっ、ここで医師になるんだ」と思って。「ちょっと狭いので、会陰切開しましょうか」ということで。

川島 :会陰切開って赤ちゃんを出やすくするために切るんですよね。

すもも:切るんです~(泣)!!切りたくないからめちゃくちゃオイル塗ったり対策していたんです。

川島 :柔らかくするとか言いますよね。

すもも:それを毎日毎日やってたんですけど、「結局切るんだ」と思った瞬間にすごいパニックになっちゃって。「あ~!やっぱり切るんですか~!」って(笑)「切らなきゃいけないよ~。でも痛くないよね?」「痛くはないです~…」と。

川島 :麻酔は効いてますからね。

すもも:「じゃあ皮引っ張るからね」と言われて、「あ~!引っ張りますか~?」って(笑)

一同 :アハハハハッ!

すもも:「すみません、もう一度聞きますが、痛くないですよね?」「痛くないです!」を繰り返して。

川島 :もうパニック(笑)

すもも:それで開いた状態で「これから吸いますので力んでくださいね」というのを3回くらいやって。「もういくよ!もういくよ!」「ブイーン…ポン!」って感じでしたね。無痛分娩と言っても人それぞれ。簡単なものではないんだなと。紆余曲折あって、私の体力も限界に達し、吸引しました。

いちご:私も、無痛分娩だった一人目は吸引でしたよ。陣痛がわからないんですよね。

川島 :一応モニターはあるんですけどね。

いちご:二人目で自然分娩を経験して今思うと、一人目のときは全然力んでなかったんですよね。

川島 :お二人経験されてるからわかる(笑)

いちご:そのときは頑張ってるつもりなんですけど、「これくらいかな~?」と。上から先生に押されて、またこっちから吸引の先生が出てきて、それで3回くらいですかね。もうずるっと引きずり出されて押し出されみたいな。産んだというよりは「出された」って感じでした(笑)全然痛くはなかったですが。

もう出そう!だけど順番待ち!?無痛分娩ならではの展開

川島 :計画出産になると「いつ出産日にしますか?」って話になって。今まで気にしていなかったけど、選択肢があると逆に気になって調べ始めちゃって。運勢のいい日にしたくなるんですよ。

一同 :アハハハハッ!

川島 :この日は運勢的にすごいいい日らしいとか。で、その日にしたんですよ。そうしたら同じように考えた親御さんが多くて、その日は出産のママさんがわんさか。だから私は、子宮口全開で赤ちゃんの頭が触れます、あとは分娩台で出すだけっていう段階で「ちょっと順番待ちです」と言われたんですよ。

一同 :えぇ~!

川島 :「ちょっとお待ちください」って言われて。でも無痛分娩だから「ギャー!」っていう感じでもないんですよ。「はーい、わかりました~」っていう(笑)

すもも:違和感はあるんですか?

川島 :「ここにいるな~」っていう感じではあるんですけど、目の前のテレビを見たり、携帯電話もOKで、携帯電話で「今、分娩台待ちです」と家族に連絡したり。そうしたら周りも「え、分娩台待ちでメール来る!?」って驚かれながら。で、私は出産の直前までDVDが見れて。だからラーメンズのDVDを見てたんですよ。2つ目のDVDを見ようかしらと思ったタイミングで「赤ちゃんの頭がだいぶ降りてきてますのでDVDはストップしてください」と言われて(笑)「じゃあ力みます」っていう。これは本当かどうかはわからないんですけど、力んだときに「お上手!」って言われたんですよ。助産師さんの乗せ方が上手で。そうやって褒められるといい気になっちゃって。「本当ですか?もう一回いっちゃいますよ!」っていう(笑)

いちご:すごいテンションですね(笑)

川島 :「気合入れていきますよ!」みたいなテンションで(笑)でも同時に旦那さんも隣にいたんですけど、旦那さんのほうが「ギャー!」って言ってて(笑)私は笑ってる状態で「ちょっと変な声出さないでよ」みたいな。いわゆる出産シーンで出てくるようなママが力入れてギャーッという空間ともちょっと違う、これはうちの場合ですが笑いながら、笑顔で出産を迎えられたかなと。

このほか、周りに言われた「無痛分娩って本当に大丈夫なの?」「本当に愛情は芽生えるの?」などと言われるあるあるの話に。皆さん、どんな産み方だろうがそれによって愛情に変化があるということは無い!と断言。

ヒトコトで無痛分娩とは言え、みんな違った出産を経験したのでした。

編集部おすすめ