TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』月~木曜日の11時から放送中!
9月19日(火)放送後記
高級品というイメージのあるシャインマスカットですが、いまお店で驚きの価格で売られていると聞きつけてスーパーに行ってみると確かに安い!シャインマスカットといえば、スーパーでは、例年だと安くても1房・1500円から2000年。中には、3000円台のもの。
そんなシャインマスカットが、スーパーを2、3店舗まわっただけでも、税込み734円、863円、1058円と信じられない数字が!
これは一体なにが起こっているのか。「生活は踊る」の果物担当といえばこの人!
元東京青果の加藤宏一さんに聞いてみましょう!
Q.ズバリなぜ今年は値段が安いんですか?
加藤:いくつかの理由が重なってこの安さになっています。
1つ目は、猛暑。生産量が多い長野県や山梨県で
7月8月9月と干ばつと高温が続きましたので、生育が大幅に前進していたこと。
いつもより早い時期に出回っています。
2つ目は、ここ数年で全国的に栽培は広がり、生産量=供給量が増えたこと。
主な産地は山梨、長野、山形、岡山の4県ですが、ほかの県の農家が参入しています。
※農林水産省によると、2010年に256ヘクタールだった栽培面積は、2020年には2280ヘクタールと10年間で9倍になったそうです。
Q.なぜそれほど生産する農家が増えているんですか?
加藤:なぜ増えているかということですが、
農家の方がシャインマスカットの栽培に取り組みやすい理由があるんです。
・ライバルの巨峰が温暖化で黒々と仕上げるのが大変難しいこと。
・シャインマスカットは国が開発した品種のため、種の権利を得やすい。
(例えば、県が開発した品種だと、その県でしか作れないことも)
加藤:3つ目は、中国への輸出の問題。
・海外にシャインマスカットを輸出する業者によると、福島第一原発のアルプス処理水放出があり、中国への輸出が2~3割減少し、国内の流通量が増えていることも影響しているとのこと。
・さらに韓国産やオーストラリア産の安い物が、中国に入るようになった。
・複雑な気持ちですが、ぶどう農家のためにたくさん買ってたくさん食べましょう!
このように、生産量が増えているのは間違いないので、毎年いつ下がるか、いつ下がるか、という状態でした。
Q.緑色が強いものと、黄色がかったもの、どちらを選べばよいのでしょうか?
加藤:味の好みで選んでほしいですが、一般的には黄色系のものの方が甘味が強いです。
緑が強いものも、キレイな緑を出すために農家の方の苦労があります。
Q.来月、再来月ぐらいも同じような価格で販売されるのでしょうか?また来年以降は?
加藤:これからは市場への入荷が減って10月からは価格は例年並みの水準に戻してくると思います。確かに栽培面積が広がって、供給が増えてようやく安くなりましたが、来年はもっと安くなるとは断言できません。
Q.そのまま食べる以外におすすめの食べ方はりますか?
加藤:お勧めの食べ方は、やや絡まる感じのヨーグルトにトッピングすると実に美味しく感動します。(カスピ海ヨーグルトのような)
ということで、今年はシャインマスカットの当たり年ということでした!
今日の食後のデザートにいかがでしょうか?