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12月5日(火)放送後記

今、子育て世帯を支援するサービス、色々ありますが、横浜市では習い事などに向かう子どもをタクシーで送り迎えする「子ども専用の相乗りタクシーシャトル」の実証実験が始まります。

子ども専用の相乗りタクシーで習い事の送迎

どんなサービスなのか、中心でこの事業に取り組むhab株式会社 豊田洋平社長のお話です。

hab株式会社 豊田洋平社長

提携する施設にお通いの小学生の方を対象に、地域の子ども同士が相乗りしてタクシーに乗って目的地の施設に向かう。

習い事、学童保育、歯医者さんだったり様々な提携先と連携しているサービスで、一回、片道、税込500円で提供しています。会員登録が12月からで、12月7日を目指して準備しています。どこの教室に何時に着いて、どこから乗りたい、何時に授業が終わって、どこに帰りたい、そういうリクエストをもらって、ルートを作る。ご予約いただいて1月15日から実際に走り始めるというスケジュールになります。乗車カードを郵送しているのでタッチして乗る。タッチして降りて、習い事に向かう。タッチしたときに親御様に通知がとんで、親御様は遠隔からでも安全が見守れるという流れになっています。

習い事の送迎を親がしなくてもいいように、代わりに相乗りタクシーで送ってくれるサービスで、近くの停留所まで保護者と行けば、そこから目的地まで送迎してくれる仕組み。1台に小学生が最大5人乗ることができます。実験は横浜市の青葉区、鶴見区、中区に住む小学生で、学習塾やそろばん教室、歯医者など提携する施設に通いたい人が対象です。12月7日に会員登録が始まる予定で、1月15日から2月18日まで、実際に運行することになっています。

 

このサービス、生まれたきっかけは豊田さん自身の体験で、小さい頃、母親が2人兄弟の送迎をしていて、とても大変そうだったそう。

今大人になって、お子さんを持つ方に話を聞くとその状況が全く変わってない、送迎のために自分のキャリアを諦めたり、子どもの習い事の選択肢が減ったりしている話を聞き、どうにかこの状況を解決できないかと思いついたと話していました。

保護者は

では、お子さんを持つ保護者のみなさんは、このサービスをどう感じるか、今回の実証実験の対象エリアとなる横浜市中区で聞いてみました。

「自転車で送り迎えしていて強風がきたら進まないので相乗りタクシーがあったら便利かなとは思います。お金に余裕があればいいと思います」

「駅から近いところに住んでいて、車も持っていないので、あればありがたいかなという感じですね。子どもだけですか?どの程度それが周知されて、みなさんが使っているかにもよると思いますけど、最初は不安かもしれないですね」

「塾までちゃんと送っていただけるなら、ありがたい。遅い時間ですもんね、学校が終わったあとだから。自分が送るってなったらやっぱり大変ですし助かるかな」

「預けることに抵抗はあるんですね。信頼して任せるしかないんでしょうけど、慣れでしょうね。最初はビクビクしながら乗せて、そのうち、その人たちのことを覚えて、子どもも。挨拶するような関係になっていけばいいのかなと思います」

きちんと送迎してくれるなら時間も有効に使えてありがたいという声が多かったです。一方で、保護者なし、子どもだけで相乗りということで、防犯面や事故などへの不安の声も、いくつかあがっていました。

「習い事タクシー」安全面・課題は

 

こういった声について、またこのサービスの課題について、改めてhab株式会社 豊田社長に伺いました。

hab株式会社 豊田洋平社長

車内の空間に関しては、子どもだけだからこそ安全安心。

提携している生徒しか乗らないので身元が保証されていない方が絶対乗らない。「子育てタクシー協会」という、一部のタクシー会社が加盟している、子ども対応ができるドライバーを育成する協会があって、そこで訓練を受けたドライバーだけが今回ハンドルを握ってるんです。子どもに対する知識が豊富なドライバーが運転するので、安全・安心はバッチリかなと。課題は、本当に親御様の送迎をなくすにはどうすればいいかということですね。今、安全性を最優先して停留所まで親御さんと一緒に来てくださいとしてるんですけど、例えば子どもにGPS機能を持たせて、家から停留所に行く間も見守れる、そういう機能を開発していくと、より親御様が送迎に要する時間がなくなっていく。本当に送迎から解放される機能を今後も追加していかなきゃいけないなというのが現状ですね。

横浜市のシルバー人材センターと連携して、助手席にはシニアスタッフの方が補助スタッフとして一緒に乗って、お子さんの乗り降りの補助などを行います。豊田さんは「子ども向けの公共交通として機能していくのでは」と期待を寄せていて、これから実験を経て、さらに改良した上で、来年度の定常運行も目指していきたいと話していました。

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