TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』月~木曜日の11時から放送中!
12月6日(水)放送後記
ゲストは、医療ジャーナリストで医師の森田豊さんです!
毎年恒例の師走の大クイズ大会「医学的見地に基づいたクリスマスに関するクイズ!!!」
Q:クリスマスソングをたくさん聴くことは、健康にいいんでしょうか?
A:聴けば聴くほど良い B:聴きすぎるのは良くない C:健康には関係ない
正解は、Bの聴きすぎるのは良くない
クリスマスソングは聴く人の気分を盛り上げてワクワクさせる一方で、聴き過ぎると逆に精神衛生上良くないのではという研究結果がいくつかあります。
心理理学者であるビクトリア・ウィリアムソンさんは、クリスマスソングを適度に耳にするのは、季節感があってワクワクしますが、一日中、何十回も繰り返して耳にすることは健康にあまり好ましくないと述べています。
これは、「単純接触効果」といって同じ音楽を一定回数聞くと脳は飽和状態になり、その音楽に飽きてしまう、ということです。
また、臨床心理学者のリンダ・ブレアさんも、クリスマスに関連する店舗で働いている場合、「クリスマス関連の音楽を流す量を調整してあげた方がいいだろう」という見解を述べています。
クリスマスソングの中でもオルゴールのクリスマスソングは、脳からアルファ波という脳波を出させてリラックスさせてくれる効果があり、ゆっくりとしたテンポの音楽は心も体も癒してくれるので、これを活用するのが良いと思います。
アメリカの大手ショッピングサイト「eBay」がクリスマス時期の買い物客100人を調査し心拍数などを測定したところ、調査対象者の88%の心拍数が1分間に100回を超えていたらしいです。
これは、マラソンをしている時の心拍数と似ていて、クリスマスの買い物とマラソンは同じ程度、心臓に負担をかけているという結果が得られました。
この研究では「大切な人を喜ばせるために、どんなプレゼントが良いか」「どんなお店が良いか」などを悩みながら考えることは、人によってはストレスにつながる場合も多いのではないかと考察されています。
どうかあまり悩まずに楽しく、プレゼントを選んでほしいです。
Q:オーストラリアで紹介された、クリスマスツリーに関する研究結果です。クリスマスツリーの飾り付けは、いつ頃すると健康にいいでしょうか?
A:12月に入ってから B:12月22日 C:早め
正解は、Cの早め
オーストラリア版ウィメンズヘルスというメディアで紹介された研究結果です。
クリスマスの飾りつけを早めにする人は、直前まで待ってからする人よりも幸せである傾向があると報告されています。
研究チームによれば、早めに飾りつけする人は、幼少期のドキドキやワクワクなどの楽しい出来事を思い出し、懐かしい気分に長い期間、浸ることができるのではないか、ということです。
逆にクリスマスに良くない思い出がある人は、もしかしたら直前にしたほうがいいのかもしれません。
環境心理学専門誌『Journal of Environmental Psychology』掲載の論文によると、飾りつけのある家は「フレンドリーで結束力が強い」という印象を持たれやすいとも報告されています。
ちなみに12月22日は私の長男の誕生日で、ひっかけの選択肢でした。
Q:スウェーデンの研究で、クリスマスに増えるという結果が出た病気は次のうちどれでしょうか?
A:風邪 B:食物アレルギー C:心筋梗塞
正解は、Cの心筋梗塞
スウェーデンの大学からの研究結果です。クリスマスには、15%ほど心筋梗塞のリスクが高まっていて、特に高いのはクリスマスイブで、37%もリスクが高まったようです。
誕生日の日には心筋梗塞になる人が多いという、スイスや大阪大学からの研究を今年の6月に取り上げたかと思いますが、それと同じ理論です。はしゃぎすぎたり、お祝いで普段と違う行動パターンをとる、などが背景にあるようで、私は今年の6月の誕生日は、おとなしく家で過ごしました。
「ウキウキ」と「ドキドキ」は似ていますが、血圧への影響が違うので注意してください。
Q:クリスマスには様々な出会いのチャンスがありますが・・・ 一目惚れに必要な時間は、どれくらいと報告されているでしょうか?
A:10分 B:1分 C:10秒 D:0.5秒
正解は、Dの0.5秒
米フロリダ州立大学心理学のジョン・マナー助教授による研究です。学生を対象に、人の顔が写った写真を眺めてもらい、1秒でほかのものに視線を移すよう指示する、という実験行いました。その結果、写真の人物を魅力的かどうかを判断するのにかかった時間は、0.5秒だったそうです。
さらに、ドイツのフライブルク大学の調査結果では、人間が初対面の相手が好きなタイプかどうか決定するのにかかる時間は、「1000分の1秒」という報告もあります。
この大学のバスチャン・シラー心理学博士は、「人間は『好き』とか『嫌い』といった社会的データの処理を、無意識のうちに行っている」と話しているようです。
つまり、瞬時に「好き」と思ってもらえるのと同様に、「嫌い」と判断されることもあるということ。
「一目惚れ」や「100年の恋も冷める」とはよく言ったもので、人の印象はそのスピード感で決まってしまうんですね。


Q:サンタクロースで有名なフィンランドで発見された、健康に効果のある成分は次のうちどれでしょうか?
A:キシリトール B:イミダゾールペプチド C:リコピン
正解は、Aのキシリトール
キシリトールは樺や樫などの樹木からとれ、様々な野菜や果物にも含まれているキシラン・へミセルロースを原料とした甘味料の天然素材です。
キシリトールにある「虫歯予防効果」は、1975年にフィンランド・トルク大学のカウコ・K・マキネン教授により発見されました。
キシリトールは口の中の細菌による発酵を受けないため、虫歯の原因である「酸」を作りにくいことや、虫歯の原因となる細菌であるミュータンス菌の活動を弱め、歯垢の増殖を抑える効果が期待できるとされています。
かつてフィンランドは虫歯大国でしたが、医療費抑制のために国家を挙げて虫歯予防に乗り出した結果、歯磨きや規則正しい食生活習慣、歯の定期健診などの徹底に加え、キシリトールを利用することで、虫歯にかかる率がかなり低くなっていると報告されています。
ケーキなどの甘い物を食べたら、きちんと歯磨きをしましょうね。
Q:サンタクロースは赤い服を着ていますが、一般的に赤い服を着ている人を見ると、魅力的に感じるとされています。これを何効果と呼ぶでしょうか?
正解は、ロマンティックレッド効果
赤い服が目に入ると、その人に対しての魅力が高まり、場合によっては権威や富まで意識するようになるということが、アメリカ・ロチェスター大学のアンドリュー・エリオット教授らの研究で明らかになりました。
重要人物を迎える際のレッドカーペットなどは、この「ロマンティックレッド効果」の心理を演出として上手く利用した、最たる例といえるのかもしれません。
スーさん、小倉さん、リスナーの方も、今年のクリスマスは、ぜひ赤色の服で過ごしてみてください!
