ゲストは、フルーツと野菜のスペシャリスト・元東京青果の加藤宏一さんです。

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この時期、果物は、一年で最も種類が少ない時期なのですが・・・
旬なのは、いちじく、なつみ(柑橘)、アンデスメロン、パイナップル、ハウスぶどうといったところがおすすめ!
そんな中、今回は果物ではなく、今年注目してほしい野菜をご紹介します!

枝豆、今年は当たり年 確実です

今年は枝豆の当たり年!茹でずに「焼く」とさらにおいしくなるらしい

枝豆は現状静岡県産や千葉県産が本格的に入荷するようになっています。現状はハウス栽培からトンネル栽培物に代わって買い易い価格になっています。

6月からは群馬県産の茶豆も本格化してきますから、お店で選択肢が増えます。今まで冷凍の枝豆で我慢していた、豆好きの方にとっても良い季節の到来です。6月までは千葉県産の枝に付いた物も販売されていますから、市場で働いていた経験からいたしますと、今年のような雨がちな天候のほうが味は味が充実していると断言できます。昨年は8月からは、猛暑干ばつで不作でした。

そもそも、みなさんがよく食べている枝豆は、「成熟する前の大豆」を収穫して食べているんです。ご存じでしたか?
いずれにしても未成熟な大豆を塩茹でして頂くというのは、これは世界的にも珍しい食べ方だと思います。タンパク質の供給源としては、肉と魚に負けません。冷凍枝豆は、北米に輸出されている。

市場でも、相撲のこの夏場所(5月場所)が、蚕豆から枝豆に商材として切り替えるタイミングになるんです。これから始まる東京の下町のお祭りのビールには、間違いなく茹でた枝豆が酒の肴として供される訳です。

加藤さんの最近の流行として、特に西日本の居酒屋で焼き枝豆が流行っているとされます。個人的には、茹でた物より美味しく感じます。

これは是非試していただきたいと思います。

「焼き枝豆」は生活情報でも紹介して試しましたが、加藤さんがもってきてくれた珠玉の枝豆を焼いてくれたそうです。

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【調理の仕方】
まず水でさっと洗って、軽く塩もみし、フライパンに敷くように並べて、中火で6~7分焼きます。サヤが軽く焦げる程度で完成。
※油をひかなくてもOKですが、ごま油をひくとフライパンが汚れずらく、香ばしさも増します。

「焼き枝豆」は、特に茶豆風味の物が合うと思われます。元々茶豆が好みでなかった西日本のお客様に、茶豆風味が評価されてきたと言われています。

スーパーですと1袋・600円ほどで購入できます。


日本のトマトの歴史が作り上げた珠玉の逸品!フルーツトマト

日本のトマト農家が作り上げた粋ともいえるのが、フルーツトマトです。
桃太郎トマトを西日本の産地が極端に冬から春に水を与えないで、小さくても糖度を上げるフルーツトマトという新しい商品ジャンルを作り上げたのです。

ちなみに、トマトは一年中 出回っていて、旬は夏に限りませんが、本質的には夏が旬の野菜であります。8月、9月の東北産は、かなり美味しいと思うわけです。

ただ、いま多く出回っているものも大変おすすめです。
冬から長期に栽培を続けてきた九州産を始め関東産等も、一日一日日が長くなり味が充実してきます。丁度、今頃は花が咲くことはなく(新しい実をつけることなく)、出荷を待つ一番上の段の実のみですから、木の栄養が全部残った実に向かいます。ですから味が充実して当然である訳です。

今日、教えていただくのはどんな品種でしょうか?

市場を代表する2種類のフルーツトマトをご紹介します。
まずは「光樹とまと」をご紹介します。

今年は枝豆の当たり年!茹でずに「焼く」とさらにおいしくなるらしい


日本の野菜農家は非情に研究熱心で、お客様を驚かしたい、感動させたいというチャレンジャーがいるんです。海外は、生食よりも加熱調理向けにしている国が多いです。

「光樹とまと」は、佐賀県から入荷しますが、ほとんど潅水は行わず、地下の養分だけで栽培いたします。「サンロード」という栽培の難しい品種です。取り組む農家の腕前も良いということです。生産量は案外と伸びづらいので市場ではどうしても高くなります。

栽培している農家から、高齢になって欲というものが無くなって、ようやくこうしたトマトが作れるようになると聞いたことがあります。

2つめの品種は「塩とまと」です。

今年は枝豆の当たり年!茹でずに「焼く」とさらにおいしくなるらしい


塩トマトは、元々は八代市周辺の干拓地で、塩田だった所もあるなど塩分がストレスになって農業には厳しい土地柄です。トマトも伸びは悪く、小さく仕上がってしまいます。それでも味が濃く糖度も8度以上もあり、最初の頃は小さき物ばかりでしたから、外れ物扱いだったのです。1991年頃から生産者や地元の市場関係者が一体になってマーケティングを強化し、全国に美味しいトマトがあると知られるようになりました。

「すっごい美味しい!!!」

Q.もちろん、そのまま食べるのが一番だと思いますが、調理するとしたらどんなものがオススメでしょうか?

味噌汁に入れるという食べ方は、この10年かなり一般に普及してきた思います。
トマト嫌いな子供も、大丈夫のようです。現在、たけのこはシーズン終盤に近いですが、知り合いの方で、たけのこご飯の味付けに使うといった方もおられました。塩も醤油も使わないということで、トマトのグルタミン酸だけで美味しくなることでした。リゾットにも当然トマトは合うと思います。

スーパーなどで、だいたい4個430円~480円くらいで購入できます。

(品種などによって違います)

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【加藤宏一さん】
青森県青森市出身。
長年、国内最大の青果卸売会社「東京青果株式会社」の営業管理部で活躍。
退職された現在も、千葉県立農業大学校の講師を務めるなど、さまざまなメディアで野菜や果物のお役立ち情報を発信されています。

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