気温が高くなってくると出くわす機会が増える害虫。
害虫駆除トラブル 特に10代、20代で急増
そんな「害虫駆除」に関するトラブルが、急増しているそうなんです。国民生活センター相談情報部 加藤良太さんのお話です。
国民生活センター相談情報部 加藤良太さん
自宅にゴキブリなどの害虫が突然現れて、インターネットで慌てて検索したところ、約500円といった格安料金を表示する業者に来てもらい、見積もり等をとったところ、実際にはネットの表示とかけ離れた10万、15万円という高額な料金を提示される事例が、最近多く寄せられています。2023年度は2022年度の約1.5倍の、約2290件の相談が寄せられています。特に10代から20代の相談件数が、前年同期の約2.6倍と、顕著に相談件数が増えていると。「蜂に刺されて死ぬ」「ゴキブリがいっぱいる。このままだと危ない」「今なら安くします」とか、そういった形で契約を急かす手口が散見されていて、消費者が冷静な判断ができなくなって契約してしまうケースが目立っているところです。
暮らしの緊急事態につけ込み、業者が消費者に高額な代金を請求する「レスキュー商法」と言われますが、「インターネットで格安料金のサービスを見つけて慌てて依頼したら高額だった」「状況が状況なので契約するしかなかった」というトラブルが多いそうです。
トラブルが増えている背景は、推測ですが、虫嫌いの若い人が多いことや、これまで多かった水回りの修理などで「レスキュー商法」を行なっていた悪質な業者が、同じ手口で、害虫駆除の分野にも手を出してきたのでは?ということでした。
悪質業者 見分けることはできる?
また、トラブル増加の背景には、現代ならではの事情もあると見られています。
悪質な業者を見分ける方法はあるのか、私たちはどうすればいいのか、害虫駆除に関する調査・研究などを行う「日本ペストコントロール協会」の理事 清水一郎さんに伺いました。
日本ペストコントロール協会 理事 清水一郎さん
ご近所の方や親戚に聞くのが本来だったはずなんですが、若い方を中心に、最近そういうコミュニケーションが欠けていて、単独でネットで独断で調べようと。なるべく早く安くできるところはないかなという。ネット上だけではなかなか判断できないと思います。特にネットが巧妙になっていて、どれが本当にいいものなのか、ネットの表面上ではみなさん分からない。
HPもかなり手が込んでいて、どれがいい会社か、見た目では分からないそう。自治体の保健所や、環境課などに連絡をして相談することが一番おすすめだということです。その上で、必要があれば自治体から、こういったペストコントロール協会など、安心して利用できるところが紹介されることもあるそうです。

まずは落ち着いて!必要なら自治体に相談を
ただ、駆除サービスをそもそも利用する前に、私たちにできることはないのか?再び「日本ペストコントロール協会」清水さんのお話です。
日本ペストコントロール協会 理事 清水一郎さん
本当にその場ですぐ来なきゃいけない現象かどうか判断をみなさんができない。「ハエが1匹部屋にいるんだけど」「アリが部屋に入ってきた」というだけで相談する方が今いるんです。
実際、急いで業者などに頼むまでもないようなことが多いそう。慌てることでトラブルにも巻き込まれやすいので、まずは落ち着いて、知り合いや自治体を頼ったりしてほしいとのことです。
もしレスキュー商法のトラブルに遭ったり、不安なことがあったりする場合は、消費者ホットライン「188」「いやや」と覚えていただいて、188まで電話で相談してみてください。
まずは落ち着いて、巻き込まれないように気をつけましょう。