ふらっと こども電話相談室
2024年5月29日放送
TBSラジオで長年親しまれた名物企画「全国こども電話相談室」(1964年~2008年)のコンセプトを受け継いだコーナーです。パンサーの向井慧が「電話のおにいさん」となって、毎回、様々な質問に合わせた頼もしい先生をお呼びしています。
Q. どうして雲はいろいろな形とか種類があるの?(東京都 みきちゃん 11歳 小学6年生)
(回答した先生)長谷部愛さん/気象予報士
向井おにいさん:みきちゃんは、小学校で遊ぶときは何をやったりするの?
― だるまさんが転んだとかお絵描きするとか。
向井おにいさん:いいですね。みきちゃんは絵が得意ですか?
― はい、好きです。
向井おにいさん:何の絵を描いたりしますか?
― キャラクターの絵とか、女の子のイラストとか。
向井おにいさん:いいですね。みきちゃん、将来こんな仕事をやりたいなっていう夢はあるんですか?
― 絵を描ける仕事がやりたい。
向井おにいさん:いいね。それぐらいみきちゃんは絵が好きなんだね。
― はい。
向井おにいさん:今日の質問ですけど、これはいつ疑問に思ったんですか?
― 家でぼーっとしてるときに窓を見て、なんでこんなに雲の種類ってあるのかなあって思った。
向井おにいさん:ぼーっと空を見たりするのも好きなの?
― なんか、自然としちゃう。
向井おにいさん:うん、いいよね(笑)。
― うん、思う。
長谷部先生:みきさん、こんにちは。どんな雲の形を見たんですか?
― 平べったい雲とか、丸っこい雲とか。名前も知ってるけれど。
長谷部先生:そっか、名前も知っている。どんな?
― 何だったっけな。
長谷部先生:ふふふ。
― ひつじ雲。あと、うろこ雲。
向井おにいさん:ある、ある。
長谷部先生:みきちゃんは絵が好きで、絵を描きたいって言ってたけど、昔の有名な画家さんを調べていると雲がものすごく丁寧に描かれてて、すごくよく見ているなっていうのがわかるの。
― へえー!
長谷部先生:だから、みきちゃんは画家に向いているのかもしれないなって思いました。
― えへへ(笑)。
長谷部先生:それで、雲にはいろいろな形があるのが不思議っていうことですよね。
― はい。
長谷部先生:まず、雲は何でできているかっていうのは知っていますか?
― 水蒸気?
長谷部先生:うん、そうです。小さな水の粒の集まりなんだよね。一つひとつは小さいし軽いから、風が吹くと形が変わったりするんですね。
― ああー!
長谷部先生:あとね、雲の粒がぎゅーってたくさん集まっていると真っ白に見えたりするんですね。雲の小さな水の粒がどれくらいたくさんいっぱいあるかで、雲がうっすら見えたり、濃く白く見えたりするっていうことがあります。
― そういうことだったんだ。
長谷部先生:そう。モクモクした雲、かみなり雲とか入道雲は、すごく地面や海が温かくなって急にたくさん雲の粒、小さな水の粒が空に上がっていくと、ああいうモクモクした形になるんです。
― へえー。なんか、モクモクした形のでき方を知らなかった。
長谷部先生:あと、さっきみきちゃんが言ってくれたうろこ雲とかひつじ雲とか、小さい雲がいっぱいポコポコした雲があるよね。ポコポコした小さい雲が空の一部にだけ見えたときにはそのまま晴れるんだけど、空一面に広がっていると次の日に雨が降るかも・・・っていうサインにもなってるんですね。
― ああー、なんかちょっと聞いたことある。
向井おにいさん:へえー。
長谷部先生:そうやって昔の人は天気を予想していたんですね。
― へえー!
向井おにいさん:みきちゃん、わかっていただけましたか?
― はい、わかりました。
向井おにいさん:これからも絵を描きたいなと思ったときには、ぜひ空の絵も描いていただきたいと思います。みきちゃんありがとう。
― ありがとうございました。さようならー!
向井おにいさん:絵と天気のつながりの本を長谷部さんが書かれてましたけど、みきちゃんも将来、画家になって、その絵を長谷部さんが読み解くなんてことになったら(笑)。
長谷部先生:面白いですね(笑)。
(回答者プロフィール)長谷部愛さん。気象予報士と防災士の資格を持ち、現在、TBSラジオやYahoo!の動画サイトで天気の情報を伝えています。大学の特任教授として、有名な絵画やアニメ、マンガに描かれた天気を読み解く授業も行っています。著書に「天気でよみとく名画 フェルメールのち浮世絵、ときどきマンガ」(中公新書ラクレ) があります。