そろそろ関東も梅雨入り。何かとジメジメして嫌な時期ですが、そんな雨の季節をあえて逆手に取ったサービスが注目されています。

それが、洋服の「撥水対策」。

しかもコインランドリーで、手軽に撥水対策が施せるサービスが登場したということで行ってきました。

コインランドリーで撥水対策

代々木上原にあるコインランドリー「Baluko Laundry Place 代々木上原」の店長、岡田 優梨亜さんのお話。

「Baluko Laundry Place 代々木上原」店長 岡田 優梨亜さん

当店では、特殊な撥水コースをご用意しております。アウトドアブランドの「モンベル」さんと共同開発したコースになります。

日常的に着るウインドブレーカーとか、これからレインウェアとか、着ていると劣化しちゃって撥水が取れてしまうので、来て1~1時間半くらいの間で、撥水加工を施して乾燥までできるというのが特徴です。

コインランドリーって、日常的に毎日いらっしゃる方もいるんですけど、撥水コースに関しては、定期的に「ちょっと汚れたからこよう」とか、「撥水効果が落ちたからこよう」という方が多いと思います。

お散歩・ウォーキングとかを趣味にされている方が来て下さりもしますし、がっつり山登り今から行きます!みたいな、大きいリュックを持って、「この撥水加工した服を着て今から行ってきます!」みたいな方とかもいらっしゃったりとかします。

コインランドリーで撥水加工できる!梅雨入り前に衣服加工の画像はこちら >>
Baluko Laundry Place 代々木上原

コインランドリーで洗濯する感覚で撥水加工を付けることができる、「モンベル撥水コース」。アウトドアメーカーのモンベルの撥水剤を使っていますが、モンベル以外の洋服も、利用可能。

基本的にはウインドブレーカーやレインコート、ダウンジャケットなど、「シャカシャカ」する素材が対象。

試しに私物の「ウィンドブレーカー」を、専用のドラム式洗濯機で洗ってみました。

コインランドリーで撥水加工できる!梅雨入り前に衣服加工
<撥水効果を持たせたい衣類を投入して…>
コインランドリーで撥水加工できる!梅雨入り前に衣服加工
<「モンベル撥水」コースのボタンを押してスタート>
コインランドリーで撥水加工できる!梅雨入り前に衣服加工
<汚れを落として、撥水剤をコーティング>
コインランドリーで撥水加工できる!梅雨入り前に衣服加工
<ウィンドブレーカー(ビフォー)>
コインランドリーで撥水加工できる!梅雨入り前に衣服加工
<ウィンドブレーカー(アフター)。
「モンベル撥水コース」が終了すると、水が玉になって転がるようになりました>

代々木上原の店舗では、1回1700円。衣服5キロを一気に投入できます。(モンベル撥水コースは、関東では、他「杉並今川」店で展開。店舗によって値段が異なります)

一枚の布に複数の機能がつけられる

多少の雨なら弾いてくれるので、これからの季節重宝しそうですが、こうした「後から」撥水加工が施せるサービス、更に進化したものもありました。hap株式会社の代表取締役、鈴木 素さんのお話。

hap株式会社・代表取締役 鈴木 素さん

Tシャツとか、シャツとか、パンツとか、そういった製品に対して、「後から」好きな機能性を付けることが可能です。

例えば「撥水が弱いんで」とか、「クリーンな清潔感が欲しい」とか、外側からかなり細かい機能材を時間をかけて、少しずつ浸透させていくような感じです。

もう一つは、薄くて、白い洋服を着たいときに、どうしても「透け感が気になる」と。例えばTシャツで下着が透けにくくするために、透けにくい物質を洋服に噴霧してくっつけていくと、風合いは変わらないんですけど、かなり透けにくくはなる。

例えば「透けにくい加工」をして、その後「抗菌」、プラス最後に「撥水加工」ってすると、全部(機能が)ついちゃいます。

一枚の布に、複数の機能がつけられる「カバロスランドリーサービス」。

撥水加工だけでなく、UVカットなど、洋服をクリーニングに出す感覚で、10種類以上の「後付け加工」ができます。

中でも白い洋服を後から透けにくくする「透け防止」が人気だそうですが、ズボンの中に、コピー用紙を入れ込んで比較してみました。

コインランドリーで撥水加工できる!梅雨入り前に衣服加工
<内側に挟み込んだ原稿が透けています>
コインランドリーで撥水加工できる!梅雨入り前に衣服加工
<「透け防止」加工を施すと、透け感が緩和されます>

カバロスのホームページから機能を選んで送ると、2~3週間ほどで、加工済みの服が戻ってきます。

価格は洋服の種類によって異なりますが、例えばTシャツ1枚で2970円。チノパンやジーンズは5000円前後です。

洋服の廃棄問題にひと役

さらにこのサービス、個人のお客さんだけでなく、アパレルメーカーからも注目されているようです。

hap株式会社・代表取締役 鈴木 素さん

作ってしまった商品をどうにかして「高付加価値」をつけて、もう一回販売をしたいっていう場合は、どうしても出て来る。

例えば想定してたよりも実際に製品にしたときに、例えば「下着が透けてしまう」とか時々起こるので、できる場合は透けにくい加工をしていく。

500本とか1000本とか捨てちゃうことになるので、それよりはもう一回、ちゃんと「良品」として販売していく。

簡単に言うと、安く大量に作りすぎて、それで、すぐ捨てるとか、売れ残る。それを変える必要性があるので、捨てちゃおうかなと思ったものをもう一回使っていただいて、且つそれが「汚れにくい」とか「毛玉になりにくい」とか「高機能撥水ウェア」に代わるので、そういったものを付与することによって、長く使っていただく。

他にも、ヒヤッと冷たい「接触冷感」や、虫が付きにくくなる「防虫加工」を後から付けたいと、メーカーから日々問い合わせがあるそうです。

すでに作ってしまった洋服に、新たな付加価値を付けられる、カバロスの技術。アパレル業界は、大量生産、大量消費が問題となっていますが、洋服をメンテナンスしながら長く着ることも、私たちにできることの一つです。

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