「私たちの未来は、私たちで作る!」
あなたの「困りごと」、「モヤモヤ」、「お悩み」、もしくは、「変えていきたい社会の課題」などを通して、みんなで一緒に「これから」を考えていく番組です。
今回もリスナーの方からいただいたお便りをご紹介しました♪
こんにちは。
今からとても楽しみにしています!
番組のテーマにちなんで、最近感じているモヤモヤを送らせていただきます。
私は毎日、日記を書くようにしているのですが、「残したい」と思う言葉があるのに、うまく形にできないことがあります。
頭の中にはぼんやりとした想いや考えがあるのに、いざ言葉にしようとすると、まとまらずもどかしい気持ちになります。今日子さんは長く新聞で書評を書かれていたと伺いましたが、言葉で表現することの難しさにモヤモヤした経験はありますか?
小泉:そうですね、私は新聞書評とかエッセイとか。
大石:作詞とかもね。
小泉:そうですね。色々やっているんですけど。なんかね、自分とは別の人だと思って書くと書けるっていうか。物語だと思って書く。自分の気持ちを言葉にしようとすると、恥ずかしさとか出てきちゃうじゃないですか。なので、エッセイとかでも、昔の話を書くときは16歳として書くとか。
大石:あー。
小泉:そうんなふうにしたり。あとは、別のエッセイでは猫として私を観察しているっていう連載をやったんです。「こさめ」っていう猫を飼っていたんですけど、猫から見た私っていうふうに「あの人、今日も一人でブツブツ歌ってる」「もうすぐライブがあるみたいだね」「ドラマに入ってる時ってこんな感じ」とか。猫の目線で書くとか。ちょっと目線を変えると、自分のことも恥ずかしくなく書けるかも。
大石:へー。そんなこと、考えたことなかったですね。自分の息子から見た私、とかね。
上村:実際にモヤモヤしている方は多くて、リクルートが数年前に実施した調査では、「自分の思っていることを言葉にするのが苦手」と感じている人は全体のおよそ 60%もいろそうなんです。そして、辞書を編む人たちが、今後、辞書に載る可能性がある言葉を選ぶ「今年の新語」というものがあります。 2024 年の大賞は「言語化」でした。
小泉:そうだったんだ。
上村:みなさんがここ数年使うようになった言葉でもあると思います。私もこの前、「言語」ってiPhoneで打ったら、「言語化」が推測で出るようになっていました。
小泉:そうかー。
上村:選評の一部を抜粋したものによりますと…
「言語化」は、かつては学術用語であり、長らく硬い文章語として使われてきました。「一般化」「正当化」などを載せる国語辞典でも、「言語化」は項目を立てませんでした。それが最近、誰もが使う日常語に変わってきました。「言語化」は、人々が気づかずに使っている「新しい言い方」なのだそうです。
小泉:あと、SNSとかも理由の一つにあるかもしれないね。
大石:言語化しないといけないですからね。子どものころ、言語化するのがすごく苦手だった。特殊な訓練を受けているわけでもないし、言語化すること自体、勉強した記憶がないですけどね。
小泉:そうね。また、自分の声で喋ることと文章を書くことって違うじゃないですか。私も、自分の言葉で喋ることはすごく苦手だったし。子どもの頃とかって、みんな苦手なんじゃない?
大石:恥ずかしいもんね。
小泉:言葉が感情に追いつかない。大人になると、「この感じは、こういう言葉で表せるんだ」っていうことが増えていくから楽だけど、子どもの頃ってすごく感じているのにそれを伝える言葉を知らないからすごくモヤモヤしていた感覚はありましたね。
上村:大人になっていくにつれて、自分の中にボキャブラリーも蓄えられると、「モヤモヤ」という言葉が「不安に思う」「不満に思う」とか、いろいろな言い方ができるなと思って。それがやっぱり面白いな。あとは、自分の憧れの人が自分の気持ちをこういう言葉で表現してた、って思うと真似してみようと思ったり。
小泉:本の中でも、自分がずっとモヤモヤしていたことを作家の人が全部言語化してくれた、っていうのですごい!と思って憧れる、すっきりする、って結構経験ありますね。
上村:でも、こういうのをchatGPTに頼っちゃいけないなって思います。考えること、思考がストップしちゃうなって思って。
大石:そういう意味で言うと、きょんさんが出ているドラマ「続・続最後から二番目の恋」で中井貴一さんの役とのやり取りってすごく参考になる。「こういう切り返しをすればいいんだ!」ってことがいっぱいメモできる感じですよね。
小泉:あのドラマは、結構、役の2人が言ったセリフをXとかで書き留めてくれている人がいますね。
大石:やっぱりそうなんだ!
上村:作っている脚本家さんもすごいですよね。
小泉:ドラマって会話でそれをやらなきゃいけないじゃないですか。小説って、もっといっぱい心情を説明できるけど、セリフのやり取りでそこに持っていく、ってまた別の技術な気がしますよね。
番組後半もお便り紹介♪
番組の後半もリスナーの方からいただいたメッセージをご紹介しました。
私がこの数年モヤモヤしているのは、スーパーやモールの駐車場にある「障害者マーク」です。
私は、亡き母を 13 年、在宅で介護してきました。 家の中も外も、車椅子で移動する日々でした。そんな私たちにとって、駐車場にある車椅子マークは本当にありがたいマークでした。
ところがその場所が、店舗入り口から近い為に、平気で停めてしまう方が多く、困ってしまう事が多かったです。もちろん、私達と同じように車椅子の方が停められる事もありますが、明らかにお元気な健常者の方や子ども連れのご家族が、罪悪感無く停めてしまうのが理解出来ません。
自分の都合だけで気づきの無い行動をしてしまう方々に、人に寄り添い人を慮る気持ちは、どのように伝えていけば良いのでしょうか...
そんな場面を目にする度に、悲しい気持ちになります。
ちなみに、駐車場警備員の方は、その場面に遭遇されても注意はされません。トラブルを避けていらっしゃるのだと思います。
弱い方々への優しい気持ちや行動がなかなか広がっていかない今の世の中に、危機感を覚える 66 歳です。
新緑の眩しい爽やかな季節、どうぞ健やかにお過ごし下さいませ。
大石:モヤモヤしますね。
小泉:こんなことを話さなくてもいい世の中になってほしいですよね。
上村:こういう人がいなければ、そもそも…
小泉:なんで停めちゃうんですかね。
上村:いやー、自分の周りには(そういう人が)いないので…
小泉:私も…
大石:でも、大型スーパーとかに行くと停めているのは見かけますね。元気な子ども連れがそこに停めていて「そこに停めるか」と思いながらね。
上村:ちなみに、スーパーや駅の近くの駐車場などでよく見かける、「青地に白い車椅子のマーク」について調べてみました。
正式な名称は「国際シンボルマーク」といいまして、「障がいのある人が利用しやすい施設であること」を示す世界共通のマークなんです。多くの人が「車椅子の人専用」と思っているかもしれませんが、実は、「車椅子の利用者だけでなく、すべての障がい者を対象にしたマーク」です。
たとえば、歩行が不安定な高齢者や、目に見えない障がいを抱えている方も対象になっています。「車椅子マーク」の駐車スペースは、「一般の駐車スペースよりも広く、また、出入口に近い場所にあること」もあって、本来は必要のない人が使ってしまうことも少なくありません。
国土交通省のインターネットモニター調査によれば、その理由は…「急いでいたから」「空きがないから」「出入口に近くて便利だから」。
海外ではどうかというと、アメリカやヨーロッパの多くの国では「パーミット」と呼ばれる許可証の掲示が義務づけられていて、無断駐車に罰金が科されるということです。
一方、日本では、一部の自治体で「利用証制度」が導入されているものの、全国的な制度や罰則はありません。
つまり、ルールではなく、「モラル」や「思いやり」に頼っているのが現状です。
こうした状況は、「ヘルプマーク」、「優先トイレ」、「優先席」にも共通しています。外見からはわかりにくい困りごとを抱えている方もいますが、だからこそ、どういう人がどういう理由で使っているか、想像してみることも大切ですよね。
大石:自治体レベルで導入できるんだったら、積極的な自治体とかは導入しそうだけど。
小泉:地域によってはいくつかあるみたいですけどね。お手洗いとかもそうですけど、本当に困っている人、緊急でそこに停めなくちゃいけない人、緊急でお手洗いに行きたい人のために、できるだけ遠慮してほしいなって。車椅子ですとか、障がいのある方がお手洗いに付き添いの人と一緒に入ったりすると、すごく時間がかかるんですって。だから、いつも緊急だと思ってあげたらいいと思います。
大石:でも、ちょっと調べたら、海外って罰金を取るところが多いんですね。日本は罰金化されていないって言うこともあって、思いやりでなんとか回るだろうっていう考え方もあるみたいですよ。
上村:本当は思いやりでできたらいいですけど、実際に困っている方がいるとなると…
小泉:でも、本当にちょっとした路上駐車なんて、ガンガン(違反切符を)切っていきますからね、国は。
大石:そうですね。
小泉:だったらちゃんとやった方が…
大石:そこのペナルティは厳しいですからね。容赦ないですもんね。
小泉:パーキングの1時間停められる枠に、お金を払って停めてても、ちょっと打ち合わせが長引いちゃった…みたいなときに「あ、いる!」と思って、走っていって「ごめんなさい!すぐどかします!」ってこととか…笑
上村:そういうところは厳しいですよね~。
(TBSラジオ『サステバ』より抜粋)