今度の日曜日は参議院選挙の投開票日です。
足立区 投票率アップへ 初投票記念証
各自治体も投票を呼びかけていますが、実は足立区は、去年行われた複数の選挙で、投票率が23区最下位でした。なんとかこの最下位を脱出するべく、さまざまな取り組みを行って来たそうです。
足立区選挙管理委員会 事務局長 依田保さん
一番近いところですと、令和6年の東京都知事選挙、衆議院選挙は残念ながら23区で最下位ということで、さらに啓発をと工夫もしています。この間の東京都議会選挙では23区で16位ということで、一定程度の成果は出ているかなと思っています。「初投票記念証」を作りました。初めて投票するのは一生に一回のことですので、若い方に来ていただいて、次からも行かなきゃと思っていただけるようなものがあったらいいねと、長方形のしおりのような感じのイメージで作っています。投票を済ませて、お帰りになる前に、係員に「初めての投票です」とおっしゃっていただいた方には、お渡ししています。机の上に飾っておいていただくとか、どこか部屋の片隅に置いておいていただいて、たまに目にして「選挙行かなきゃ」って思っていただけたら、嬉しいなと思います。
足立区の新しい「初投票記念証」は本に挟むしおりのような縦長の形で、葛飾北斎が描いた「冨嶽三十六景」や、昔の千住の市場の写真などがデザインされています。以前は表彰状の形をした、小さいサイズの「初投票記念証」を配っていたそうです。

(以前の初投票記念証)
足立区の投票率は去年の都知事選がおよそ55%、衆議院選がおよそ50%。中でも20代の投票率は都知事選39.76%と非常に低かったということです。そのため、以前から配っていた初投票記念証をリニューアルしたほか、若者向けに、投票は簡単に行えることを伝える動画を作ったり、駅前に大きなステッカーを貼り出したり様々な工夫をしてきたそう。
子どもたちにも選挙を知ってほしい
さらに、足立区では、今だけではなく、その先を見据えて、子どもたちへの啓発にも力を入れています。再び、足立区選挙管理委員会 事務局長 依田保さんに伺いました。
足立区選挙管理委員会 事務局長 依田保さん
投票率については、やはりまだまだ啓発が必要だと思っています。特に若い世代の方々への啓発が重要だと思っていますので、高校や中学校で「主権者教育」と言われているものを強化をしていく必要があると思っています。主権者教育推進担当ということで1名配置をしていますので、その職員が行って学校で今やっている最中です。模擬投票してもらったりとか。中学校3年生って3年後には選挙権持つ。小学校6年生は6年後には選挙権持つんですよ。長いスパンで考えると、若い中学生、高校生、小学生の子たちに「選挙とは」というものを勉強していただくのは非常に重要だと思います。自分たちの未来は自分たちで決めるという思いを持って、一票をぜひ投じていただきたいと思います。
選挙の仕組みや、どんなふうに投票するのかなどを学ぶことができます。さらに実際に使う投票箱などを持って行って、実際の投票所となるような学校の体育館を使って模擬投票も行うということなんです。足立区では、去年4月から、主権者教育として、区内の小・中・高校で、こういった選挙に関する授業を行っているそうです。
足立区民は
では、足立区民は選挙にどれだけ関心があるのか、聞いてみました。
「あるのは知っています。いつだっけ?前回は都合が悪くて行けなかったので、今回は行こうと思っています。誰に投票していいか分からなくて悩んじゃう。」
「20日でしたっけ。足立広報が来ていて、足立区の中でもどのエリアが一番投票率が高いかとか、世代別でどの年齢が一番高いかというのが、取り組みであったので、結構面白いなと思って親と一緒に見ていたんですよね。初投票記念証、知っています。出口の近くに目立つように置いてあるので、見る人は見るんじゃないですかね。」
「なんとなく、前々から行ってないです。どれに入れても、っていうのがあって。申し訳ない。」
日曜日?違いましたっけ。参議院選ですよね。行きます。行かないと文句言う立場にないかなと思って。
もうこの駅前とかでポンって投票できるようにすればいいんじゃないですかね。そしたら、私も行きやすい。」

20代の男子大学生は「大学で、近くに選挙関連のものも貼られているけれど、素通りしている人が多い。また、選挙のことは話題には上がるけど、アルバイトなどで投票に行けない」という話も出るそうです。
今回の参院選は、投票日が夏休みスタートの時期と重なり、さらに三連休の中日ということで、足立区選挙管理委員会の依田さんは「期日前投票もぜひ活用してほしい」と話していました。
投票することで、意思表示になります。投票に行きましょう。
(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』取材・レポート:西村志野)