いま、抹茶の需要が国内外で急増していて、一方で煎茶などのリーフ茶の需要が減っているんです。皆さんは普段、煎茶飲みますか?どんな飲み方をしていますか?

新しい煎茶の飲み方って?

最近では煎茶をコーヒーのようにハンドドリップで抽出するという新たな飲み方も!こうした新しい淹れ方を提案している 有限会社しもきた茶苑大山 代表の大山康成さんのお話です。

有限会社しもきた茶苑大山 代表の大山泰成さん

コーヒーの抽出というのは色んな、ハンドドリップもあればエスプレッソマシンもあるし、サイフォンもありますし、いろんな抽出方法がある。

急須だけにこだわらずに、いろいろな抽出方法、お茶の種類によってよりおいしい、より適切な抽出方法もあると思いますので、抽出の多様性というのが、おそらく日本茶を扱っていただく重要なキーワードなんです。コーヒーのバリスタ、ワインのソムリエ、バーテンダーさんたちにも何か伝えていく、むしろ直接一般の若い女性に伝えるというよりは、そういうサービスマンに日本茶の魅力を伝えることによって、ご自身のアイテムの中にお茶を入れていただく。それぞれのサービスの方たちが持っている客層や世代にまで伝わりますから、一緒に並んで頑張っていく仲間を増やすということが、一つの答えというか、選択肢としてそういったものを感じています。

ジャンルを超えたコラボレーションですよね。

しもきた茶苑大山さんは、濃厚なお茶のかき氷で有名なんですが、最近では、しもきた茶苑大山さんも入っている下北沢の建物、「reload」のお寿司屋さん、カフェ、などとコラボして様々な形でお茶を提供しているんです。

最近はお茶専門のカフェも多く、実際に自分で淹れてみる「体験型の煎茶」を提供しているお店や、サブスクリプションで毎月おすすめの煎茶が届くサービスを展開している店舗などもありました!

煎茶、なぜ飲まれなくなった?

海外の需要は伸びている一方で、日本では需要が減っている状況をどうにかしたいという事でこのような新しい動きが出ているんですが、この国内外でのギャップについて、日本茶インストラクター協会 専務理事の石渡哲也さんに伺いました。

日本茶インストラクター協会 専務理事の石渡哲也さん

(煎茶は)やっぱり急須で飲むと茶殻が出たりとか、時間がないとか、そういったこともあって、リーフ茶の購入量っていうのは20年前と比較して大体3割ぐらい減少しています。その反面、ペットボトルですね、そいったお茶飲料が増えているっていう現状ですね。あとは、(日本茶の)海外での需要は非常に伸びてまして、これは日本食とか抹茶ブームとかありますけど、日本茶の成分をある程度、海外の方も認めていただいてるっていうのも一つの要因でもあると思います。日本茶というのは抗菌作用やウイルス作用、抗がん作用、あとはリラックス作用とか、いろんな良い成分が昔から分かっているんですけど、お茶を飲むことによってコミュニケーションを取ったりとか、健康面以外にそういった精神面とかコミュニケーションを取る最大の飲み物じゃないかなというふうに思っています。

「お茶しましょう」=「お話しましょう」って意味でもありますよね。確かに一緒にお茶を淹れて飲む時間って、ほんとにリフレッシュできますよね~、一日何回もお茶休憩をしてしまったり(笑)

ところが実際には、急須でいれることの「面倒さ」や、そもそも急須が家にない、使い方がわからないという声も多く、煎茶の消費は年々減少しているんです。

やはり最終的な目的としては、高品質な煎茶を、急須を使って楽しんでほしいという想いがあって、そこへ行き着くための措置をするというのが、今、日本茶業界に求められていることなんだというお話もありました。

最高においしい煎茶を、いつでも誰でも!

そこで今、新たな技術で“手間なくおいしい日本茶が飲める”取り組みも登場していました。再び、下北茶園大山 代表の大山さんのお話です。

有限会社しもきた茶苑大山 代表の大山泰成さん

ボトリングティーというのが、すごく品質のいいお茶をボトルに詰めて、他のワインとかお酒類と一緒の保存条件、提供条件で提供できるものというのが、おそらく今、敷居を下げるというか間口を広げるには向いているのかなと思っています。安定して皆さんに再現性ある味を出すというのは、優れたものだなと。お茶のメーカーがこだわりを持って、特徴が出ているかどうか、 常にチェックしてボトルに詰めているので、飲み比べに耐えうるレベルに、今、ボトリングティーはなっているんですね。日本茶の取り組みとか、そういった魅力を日本の方たちにわかってもらわないといけない。改めて日本茶を再発見していただきたいなと思っています。

誰がいつ飲んでも味の違いが出ないのは良いですよね。「急須がなくても、最高の味わいで煎茶を楽しめる」。これは高級レストランのノンアルペアリングとして使われたり、ギフトとして贈られるなど、まさに“お茶のプレミアム化”を担っているんです。

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丸七製茶の種類豊富なボトリングティー。パッケージへのこだわりも。
煎茶、新しい飲み方してみませんか?

ワインや日本酒のように、原産地や抽出方法、特徴が書かれたボトリングティーのメニュー

新しい日本茶に触れて、最終的には、急須でじっくりいれる本来の楽しみ方にも触れてみてほしいものです。
(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』取材・レポート:糸山仁恵)

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