山田健仁さん
石川県金沢市生まれ。企業広報・イベント企画制作をメインとするモダニスト&カンパニーの代表。
JK:万博のヨルダンに伺って、すごく楽しかったです! 万博も全部は行ってないんですけれど、今のところ行った中では一番楽しかった。他は宣伝とか映像とか多いんですよ。でも体験型! 砂漠の砂を直接ドカッと持ってきて、裸足で歩けるの! ぜひ行ったらいいですよ。
出水:大阪関西万博の中でも、「現地気分が味わえる」と大人気なんですよね。
山田:実は「ぴあ」の満足ランキングでも1位で。
JK:私もドバイとか砂漠行ったんですけど、日本で砂漠を体験するなんて! あの砂、本物ですよね?
山田:そうなんですよ。世界遺産になっているワディラム砂漠の砂で、ちょっと赤みを帯びているのが特徴。先生のおっしゃる通り、今回の万博は結構デジタルが多いんですよね。でも我々としては、時を紡ぐ、時を感じるというか、ヨルダン館の世界に袖を通した瞬間に感じる温かさとか、美しさというのをぜひ感じていただきたいんです。
出水:どれぐらいの量の砂を、どのようにして持ってきたんですか?
山田:実は 150トン。
JK:150トン?!
山田:150トン持ってきてるんですけど、日本に持ってくる時には検疫しなきゃいけない。何回も何回もトリートメントしたら、実際に持ってくるのは22トンになってしまったんですよ。東京のとある大きな商社さまにご協力いただいて持ってきてるんですけど、ふるいにもかけますし、何回も水洗いしてます。その後乾燥させるんですけど、ワディラム砂漠の大きな特徴としては鉄分がすごい入っているので、機械式ドラムで乾燥させてしまうと酸化鉄になって真っ黒になっちゃうんですよね。それで天日干しさせてもらって。
JK:大変ね~! よくまぁそこまで来ましたね。
山田:多分皆さんも万博のニュース聞いてると思うんですけど、建物が建つか建たないかって、もう鳥肌! 会期が4月13日からで、たぶん2日か3日前にようやく砂が入ってきたんです。船便で持ってくるんですけど、最後は業者に頼むんじゃなくて、みんなでバケツに詰め込んで・・・
JK:すごい原始的! 頑張ったわね!!
山田:そうなんです。土もトリートメントしてるので、皆さんには素足でお越しいただくんですけど・・・
JK:まず入り口で靴を脱いで、裸足になって自由に遊べるの。気持ちいいんですよ! サラサラ! 服とかについても全然サラーって。
山田:本当に清潔なんですよ。月に何回か砂も変えてますし。
JK:終わったらどうするんですか?
山田:実は鳥取県と「サンド・アライアンス協定」っていうのを組んでるんですよ。平井知事が考案したものなんですけど、鳥取砂丘の砂丘美術館に余った砂を持って行って、ペトラ遺跡とかを砂で作ってみようかっていうプロジェクトがあるんですよ、実は。
出水:ワディラム砂漠は『スター・ウォーズ』の舞台にもなっているので、憧れている方も多いですよね。
山田:火星のイメージだとか『インディー・ジョーンズ』『スター・ウォーズ』とのイメージがあるかと思うんですけど、我々のパビリオンに入っていくと最初はみなさん無になるんですよね。シーンとなって、その後ワ~ッ!って歓声が上がる。我々が思ってた通りに表現できてるなあって。
JK:なんでラクダ持ってこなかったの?
山田:(苦笑)
JK:ラクダ持ってくればよかったのに~! もっとラクだ、とか言って(^^)
出水:それを言いたかったんですね(^^;) 他にも五感で楽しめるということですよね?
山田:そうなんです、死海トリートメントが、実は。死海と書くんですけど、実は湖なんですよね。
JK:なんで海にしちゃったんだろ? 海に見えたのかな、広いから。

山田:塩分濃度が通常だと10%前後なんですけど、死海だと30%前後。私も直近ですと今年3月に行ってるんですけど、各リゾート地に死海の泥のバケツがあって、ホテルの専属スタッフが背中に塗ってくれるんです。その後、人間に対して天日干しって言うのもアレですけど、パックして日光浴して、それから死海で泳いで泥を取って、シャワー浴びた後にまたスパでトリートメントする。
JK:私もやってもらいました! ハンドマッサージ。丁寧にやってくれたわぁ。
山田:8月からはフットトリートメントも。
JK:今度はそっち行きます!通わなきゃ(^^)
山田:ぜひお越しください! ヨルダン館は本当にリピーターの方多いんですよ。
JK:あそこホッとするから。万博って歩くし、やっぱり疲れたら最後にそこに行けば、なんかリラックスして癒しですよね。
山田:死海の映像と、死海のザーザーっていう波の音。ヨルダン・パビリオンは没入感を大切にしているので、僕が観光大使として言いたいのは「時を感じてほしい」「時を紡いでほしい」っていうこと。私は「時を寿ぐ」って言ってるんです。まずは来ていただいて、ハッピーになってもらう。そこからいろんな体験を通じて、ご自身と対峙してほしいなと思うんですよ。ヨルダンって砂漠のイメージが皆さん強いと思うんですけど、北から南に縦に長い国で、実は雪も降るんですよ。
JK:そんなイメージないですね。
山田:美しい樹々もあるし、いろんな花も咲きますし、春夏秋冬あります。結構皆さん驚かれますね。4月とか秋は日本と同じでご飯が美味しいんですよ! お野菜が、なんであんなにジューシーなのかっていうぐらいすごく美味しいですね。
JK:なんかジューシーって感じしないよね、乾燥してるからカリカリなような、勝手なイメージ。暑いところでそんな雨なんて降るのかしら?って。
山田:僕が好きなのは、きゅうりに肉詰めしてる料理。想像するとすっごいマズそうに聞こえません? 日本のきゅうりってすごい水分が多いですけど、あっちのきゅうりってズッキーニっぽいんですよ。サクッとして、中から羊とか牛のミンチの肉汁がパッと流れてきて、口中調味というかマリアージュというか。
JK:そういうものを万博で食べれないんですか?
山田:振っていただきましたけど(^^)実は8月からフードトラックが出るんですよ! 炊き込みご飯が出ます。
出水:炊き込みご飯があるんですか??
山田:マクルーバっていう炊き込みご飯と、サンドイッチで鳥取県とか大阪市の堺市とかの素材とヨルダンを掛け合わせたりとか、いろんな方たちとのコラボみたいなのもしていきたいなと思ってます。
出水:ヨルダンは中東ではどんな位置づけの国なんでしょう?
山田:中東の始祖と言われるぐらい、いろんな文化が発展してきた国。
JK:そうなの?! 誰も知らないじゃない! もったいないね。
山田:私もヨルダンって文字だけ聞くと「どこの国だ?」っていうのがあるんですけど、私たちがよく言うのは3つの安定。安心して旅行が行ける、安全な食体験ができる、安定した政情がなされている。
JK:旅行とか観光とか体験とか、安心ね。それとすごく神秘的ですよね、日本の感性と違って。
山田:あの地域はレバント地方と言いまして、先ほど中東の始祖と申し上げましたけど、ヨルダンはやっぱりご飯もお野菜も本当においしい。プラス、ソース! 私も最初は絶対おいしくないと思ったのが、きゅうりとヨーグルトソースなんですよ。きゅうりの中にヨーグルトソース・・・全然想像つかないですよね?
JK:そうね、全然異質。
山田:ヨーグルトもちょっと酸味がかってて、マクルーバーって炊き込みご飯にかけたりして、サワークリームみたいなイメージですね。
出水:あっおいしそう! あっさりするんですね。
山田:羊とかってすごく臭いイメージですけど、きっちりちゃんと下処理するので、そこまで獣臭いっていうのはない。私、実は羊ダメなんですよ(笑)ですけど、観光大使だから言ってるわけじゃないんですけど、個人的に本当に驚きました! こんなに甘いんだって。繊維もすごく細かいので、焼いたじゃがいもとかと食べるとホクホクして、すごくおいしいです。
出水:ちょっとヨダレ出てきちゃった・・・(笑)

JK:民族衣装も素敵じゃないですか。私もこの前ヨルダンのパビリオン行って写真撮ったんだけど、カッコいいんですよ!
山田:大臣とかが来た時に護衛につく衛兵で、非常に有名です。
出水:頭にシュマーグというスカーフをかぶった男性の方がいますね。
JK:かぶり方がすごい不思議。赤白だけど、半分だらっと後ろにもっていって、キュッと後ろにクルクルって巻いてね。
山田:全体的に巻くパターンもあります。ぜひご来館いただいたらフリンジがあるのもぜひチェックしていただきたいなと思います。
JK:それで最後、出るところにお土産の砂のアート! いろんな色で、針みたいの刺して描いてるのよね。すっごく繊細。
山田:サンドアートがありまして、ワディレム砂漠の砂に色をつけて作ってるんですけど、昔はイギリス軍の時、余ったウイスキーボトルを捨てちゃうのはもったいないからアートを作ったっていう歴史があるんです。ヨルダン館のサンドアート、1日に何本売れるんだろうっていうくらいすっごい人気ですね! お土産に1本お持ち帰りいただく方が多いのかなと思います。
JK:オリジナルを目の前で作ってるんですよ、実際に。私も絵を描くけど、こんなことはできない!
山田:本当にまずは来ていただいて、ご自身の目でちょっと見ていただきたいなと思いますね。結構細かい作業が多いので、躊躇なくパパッと作ってしまうところが私も毎回感銘を受けます。
JK:こうなったらヨルダン館にも入り浸りですね(笑)

(TBSラジオ『コシノジュンコ MASACA』より抜粋)