石井正則(七代目自転車名人)と疋田智(自転車博士)がいろんな角度から自転車の魅力を発信するTBSラジオ「ミラクル・サイクル・ライフ」(毎週日曜日18時30分~19時)今週の「ポイント オブ サイクルトーク」はこちら!

先週に引き続き、俳優の石丸謙二郎さんをお迎えしました。

石丸さんは現在、NHKラジオで「石丸謙二郎の山カフェ」をご担当。

土曜の朝2時間の生放送で、山にまつわるエピソードをお話しされています。自転車の話題が中心の当番組とは対照的に、「山カフェ」はまさに“山一色”。石丸さんは自転車や山といった一つのテーマに特化したラジオ番組が認知される時代になったことを嬉しく思うとのことでした。

今回の話題は、まさに“自転車”と“山”から。昨年、石丸さんはアルプス山脈の名峰・マッターホルン(標高4,478m)に挑戦されました。この山では「ガイドと必ず2人でロープを結んで登る」「日帰りで下山しなければならない」「制限時間を守る」など、厳格なルールが課せられており、最大斜度70~80度の壁のようなルートを驚くほどの速さで駆け上がったとのこと。「YouTubeにも動画をあげていましたが、写真が多かったですね」という石井さんの問いかけには、「ほとんど休む暇がなく、写真を撮る余裕もなかった。唯一の1分間の休憩で撮影してもらった。録音機も持っていったけれど、オンオフを操作する時間すらなく、スイッチを入れっぱなしにしていた」と答えられました。頂上に立った瞬間については、「宇宙に向かって釘が突き出したような狭い場所に立ち、左を見ればイタリアの山々、右を見ればスイスの山々が広がっていた」と振り返ります。また、「マッターホルンは“魔の山”とも呼ばれていますよね?」との疋田さんの言葉に、「危ないといえば危ない」と石丸さん。実際、石松さんが登ったときも滑落で命を落とした方がいたそうです。

40人の登山者のうち、頂上まで到達できたのは半分ほどだったそうです。

そして、下山についてもうかがいました。町へはスキーゴンドラで下りるのですが、終電に間に合わず…。そこで石丸さんは、あらかじめレンタルしていたマウンテンバイクを使い、標高差1000mの砂利道を一気にクライムダウン! 興奮のあまり疲れを忘れるほど気持ちよかったそうです。途中で一度だけ派手に転倒したものの、幸いケガはありませんでした。

さらに、スイスの誇る登山鉄道・ゴルナーグラート鉄道にも乗車。『世界の車窓から』で何度も紹介してきた鉄道を初めて体験し、思わず小さな声で自分にだけ聞こえるナレーションをつぶやいてしまったとか(笑)。そんなお茶目な一面もまた石丸さんの魅力ですね。

そのほか、65歳から始めた墨絵のこと、ドビュッシーの『月の光』をピアノで弾きたくて猛特訓したエピソードも伺いました。

(TBSラジオ『ミラクル・サイクル・ライフ』より抜粋)

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