日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。
今週は「生活はタンパク質で踊る!」と題して、毎日、タンパク質にまつわる情報をお届けします。
一発目となる、月曜日の生活情報は、ズバリ「タンパク質の基本情報」!!!
「そもそもタンパク質ってなんだっけ??」という方も多いと思いますので、そんな疑問を解消すべく、現役ボディビルダーで日本体育大学教授のバズーカ岡田こと、岡田隆さんに教えていただきました。
バズーカ岡田さん
日本体育大学にて教育と研究をしつつ、自らも身体作りの究極の実践者としてボディビル競技への挑戦を続けていらっしゃいます。
2012年から2021年まで柔道全日本男子チーム体力強化部門長としてメダル獲得に貢献されました。
2023年には、WNBFボディビル世界選手権にてプロマスターズ部門で優勝し、世界一を達成しています。
もちろん、タンパク質についても研究されており、9月3日には青春出版社より新刊「筋トレ効果を最大化する タンパク質戦略」を発売されます。
そもそもタンパク質とは??
筋肉はもちろん、爪、髪、皮膚などの美容関連部位や、臓器を作っているほか、骨(骨の約1/3はタンパク質)、ホルモン、臓器、血液、脳、免疫など身体のあらゆる部分に関与している。
身体の16~17%ぐらい占めている重要な栄養素。
岡田さん: タンパク質を食べないということは自分の体の材料を補充しないということ
タンパク質不足は不健康な状態を招く原因になるのです。
年齢とともに重要性が増すタンパク質

若いうちは筋力が豊富で気づきにくいですが、年齢とともに足腰が弱くなってきます。これは筋力低下の兆候です。
岡田さんによると「20代と80代を比べると、筋力は半分ぐらいになってしまいます。例えば両足で歩いていたものを片足で歩くぐらいまで落ちてしまう」とのこと。
筋肉は常に合成と分解を繰り返しています。合成を分解より高めておかないと筋肉は減っていき、加齢とともに筋力低下が進行。将来的には介護を要する状態になりかねません。
特に高齢者はタンパク質摂取が難しくなりがち。食欲が落ち、噛む力も弱くなるからです。このため、若いうちからタンパク質を意識的に摂取する習慣づけが重要になります。
1日に必要なタンパク質の量は??
タンパク質の必要量は活動レベルによって異なります。
通常時の必要量:
体重1kgあたり1gのタンパク質
例:体重70kgの人は70gのタンパク質
筋トレ後の必要量:
通常時の1.5~2倍
例:体重70kgの人は105~140gのタンパク質
タンパク質を含む食品にはどんなものがある?

タンパク質を効率的に摂取するには、動物性タンパク質と植物性タンパク質をバランスよく取ることが大切です。
植物性タンパク質の代表例:豆類
動物性タンパク質の代表例:肉類 魚類乳製品卵
岡田さん:動物性タンパク質は筋肉の合成を高める反応が強いため、積極的に摂取すべきです。高齢者など噛む力が弱い方には、卵や魚など、強く噛まなくてもいいものがおすすめです。
タンパク質の取りすぎには注意!!
タンパク質は多ければ多いほど良いというわけではありません。取りすぎると以下のような問題が生じる可能性があります。
代謝の過程で肝臓に負担がかかる
過剰摂取したタンパク質が体脂肪として蓄積される
消化できなかったタンパク質が大腸に流れ込み、腸内環境を悪化させる
効果的にタンパク質を摂取するための4つのコツ
1. 定期分散摂取を心がける
岡田さん:朝ごはんでタンパク質を摂取できないと、重要な1回の摂取タイミングを逃してしまいます。残りの昼と夜だけで賄おうとすると、1回あたりの摂取量が多くなり、無駄遣いになってしまいます。
朝食でタンパク質を摂取できない人は、夜の睡眠が十分取れていない可能性があります。質の良い睡眠を確保することで、朝の食欲も改善されるでしょう。
2. 朝食のタンパク質摂取アイデア

「朝は食欲がわかない」という方におすすめなのが
ヨーグルト1瓶を追加する
プロテインパウダーを活用する
岡田さん:朝ごはんのタンパク質摂取が足りないと、シニアになってからの筋力や筋量が少なくなるというデータもあります。
長期的な健康のためにも、朝食でのタンパク質摂取は重要です。
3. 和定食を積極的に選ぶ

ボディビルダーの方も好んで食べるという和定食は、栄養素が過不足なく含まれていることが多いそうです。
おすすめの和定食
焼き魚定食
刺身定食
岡田さん:油で揚げた料理は脂質が多く、体脂肪がついて不健康になります。
シンプルな和定食が健康的な体づくりには最適!
4. 筋トレとの組み合わせでさらに効果アップ

岡田さん:タンパク質摂取だけでも効果はありますが、わずか5分でもいいので筋トレを組み合わせると、筋タンパク質合成がさらに高まります。
筋肉を増強維持するための3要素:
1. 筋トレ
2. タンパク質摂取
3. 質の良い十分な睡眠
プロテインサプリメントは必要?
基本的には食事だけでもタンパク質を十分摂取できますが、忙しい時や食事が取れない時の補助食品として活用するのがおすすめです。「朝食を食べない、昼はそうめんだけ」といった食事パターンを補うのにプロテインは便利ですが、添加物も含まれていることを意識して選びましょう。気になる方は添加物の少ないサプリメントを選ぶとよいでしょう。
岡田さん:筋肉に遅すぎるということはない。ただ、今日始めた方が得だというだけです。
今日からタンパク質を意識した食生活を始めることで、将来の健康を守ることができるのです。
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)