“日本の端っこ”に惹かれて!旅の始まりは伝説が残る名勝地から
昔から海辺や岬など、陸と海の境界線、つまり端っこに心が惹かれてしまう。理由はきっと、その地形ならではの景色と、そこにあるドラマ、人に出会えるからだと思う。ってことで、今回訪れたのは和歌山県の串本町。紀伊半島の最南、そして本州最南端に位置する町で、熊野白浜リゾート空港から車で約1時間かけて到着。目の前に広がる海に胸をときめかせながら、まずは町を代表するスポットを目指して出発!
橋杭岩のアイコンとして有名な拝み岩を画角に入れて撮影するのがポイント
『橋杭岩(はしぐいいわ)』は、海辺から約850mにわたって40以上の石柱が列をなしてそそり立つ名勝地。地殻変動と海の侵食によってできた独特な景観は、まるで橋の杭そのもの! 高野山の開祖・弘法大師が一夜で築いた、なんて伝説も残っているのだそう。この独特なビジュアルを目の前にしたら、そう思ってしまうのも納得かも。
石柱のうち25の岩島にはそれぞれ名前がついているのも面白いところ。元島にはじまり、海老島、ハサミ岩、ピシャコ岩、ポオス岩……? なんて言葉の意味がわからないものまで多種多様。「一体どの岩と写真を撮ればいいんだ?」と迷っていると、地元の方が通りすがりにスポットを教えてくれて、いい感じに写真に収めることができて満足!
上:早朝の橋杭岩/右下:『道の駅くしもと橋杭岩』にて販売されている、地元名産の金柑を使ったソフトクリームを橋杭岩を見ながらパクリ!
今回は日中に訪れたけど、橋杭岩は早朝、夕方、深夜、それぞれで異なる素敵な表情を見せてくれる。
紀伊大島で出会うはるか遠い国の記憶。トルコと串本をつなぐ物語
次に向かうは、橋杭岩から車で10分ほどで行ける紀伊大島。本土からちょうど島の方角に伸びている橋杭岩を見て気になったから行ってみることに。1999年に開通した本土と島をつなぐ「くしもと大橋」をぐるぐると登って渡って、お邪魔します!
紀伊大島にてまず立ち寄ったのは、『トルコ記念館』。なんでここにトルコが? と不思議に思っていると、実は串本町、紀伊大島とトルコには深い関係があることを知る。
左下:エルトゥールル号の模型/右中:当時の救助活動を指揮した大島村 沖周村長/右下:沖村長の日記には、救助活動などの様子が記録されている
そのきっかけとなったのは、1890(明治23)年に起きた、オスマン帝国(現・トルコ共和国)の軍艦・エルトゥールル号の遭難事故。約650名の船員を乗せた軍艦が日本への親善訪問を終え帰国の途につく途中、台風に遭い、現在の紀伊大島の樫野崎付近で暗礁に乗り上げ座礁・沈没してしまった。
島に流れ着いた船員たちの助けを求める声から事態を察知した紀伊大島の住民は、不眠不休で救助・手当てを行ったという。最終的に助かったのは、わずか69名。生存者はその後、日本海軍の艦船によってオスマン帝国へと送り届けられ、無事に帰国することができた。というのが一連の出来事。
記念館からはエルトゥールル号が座礁した「船甲羅」を望める
これにより、両国が強い絆で結ばれることとなり、100年以上たった現在でも両国間で交流・支援などが行われているのだとか。南紀串本観光協会を通じて派遣してもらったガイドの青木さんは「トルコでは東京や京都と並んで、串本町の名前は知られているんです」とも教えてくれた。
トルコ軍艦遭難慰霊碑/右下:遭難者たちが漂流した崖を慰霊碑が見下ろしている
日本とトルコ。アジアの東端と西端。そして本州最南端の串本町。遠く離れた2つの国の絆が、この紀伊大島から始まっていたことなんて全然知らなかった。記念館の前に並んで掲げられたそれぞれの国旗に描かれた太陽と月を見上げながら、いろいろな思いを巡らせ、自然と胸が熱くなった。
樫野埼灯台
トルコ記念館をあとにして、紀伊大島の先端にそびえたつ『樫野埼灯台』へ。日本の灯台の父こと、R・H・ブラントンが設計した日本初の石造りの灯台で、初めて明かりが灯されたのは1870(明治3)年のこと。先述のエルトゥールル号の事故の際にはすでに稼働していて、助けを求めてきた生存者たちの応急処置はここで行われた記録が残っている。
ワインオープナーみたいな階段を登った先にあるバルコニーからは、雄大な太平洋を一望でき絶景! 園地内に群生している水仙は、かつて常駐していたイギリス人技師が植えたものなのだとか。辺境で花が咲き誇る光景は現実離れした美しさで胸キュン。
お昼どきをむかえて、ガイドしてくれた青木さんの奥様が営む『Cafe La lapin』を訪ねてみた。店先でくつろぐ三毛猫に挨拶をして扉を開くと、先代店主・小太郎くんの写真をはじめ、店名(lapin=フランス語でウサギ)の通り、ウサギの装飾があちらこちらに。
元気ハツラツな店主・律子さんのおすすめは、トルコの伝統食ケバブをアレンジしたケバブライス(チキン・ビーフ)。「せっかくなら、トルコに関係するメニューを出したくて!」と話す律子さん。スパイシーな肉と野菜がたっぷりで、食べ応えは十分。オリジナルのヨーグルトソースの酸味が食欲をそそり、あっという間に完食!
青木さんご夫婦。とっても気さくでガイドもお店もすごく心地が良かった
食後はトルココーヒーをぜひ。カップの底に残ったコーヒー粉の模様によって、そのときの運勢を占う体験ができ、“よく当たる”として人気なのだとか。ちなみに、筆者の占い結果は「疲労がたまっているのでよく休息をとること」。バッチリ当たってました……(笑)。穏やかな時間を過ごすことができて最高だった。また来ます!
旅の終止符を求めて本州最南端の景色へ
お腹も心も満たされたので、最終目的地の『潮岬』に向かう。
右下:潮岬が位置するのは、北緯33度26分、東経135度46分の地点。だいたい東京の八丈島と同じくらいの緯度にある
さて、いよいよ“本州最南端の碑”に到着。目の前のこれでもかというほど広がる海と水平線、そして遠慮なしに吹きつけてくる風で大自然を全身で体感! 記念撮影をしたあとしばらくぼーっと海を眺めて自然と無心に。過度な情報がない景色だからこそ頭も心も静まっていく、こんな心境になれたのっていつ以来だろう?
左下:潮岬観光タワーで購入できる「本州最南端訪問証明書」は忘れずに!
すぐ近くに建つ「潮岬観光タワー」にも上ってみると、潮岬の景色について昭和の俳人・山口誓子が詠んだ「太陽の出て没るまで青岬」の句の通り、展望台からは弧を描くような水平線を一望できた。
潮風に吹かれながら、ここまでの道のりで出会った串本町の景色やドラマ、人の顔を思い返す。旅を自然と振り返り、非日常の体験として記憶に深く刻めるのも、終着点にふさわしい“端っこ”という地形だからこそ。またいつかここに戻ることを誓って、本州最南端の町をあとにする。これだから端っこ旅はやめられない!
橋杭岩
和歌山県東牟婁郡串本町鬮野川
トルコ記念館
和歌山県東牟婁郡串本町樫野1025-26
0735-65-0628
年中無休
9:00~17:00
樫野埼灯台
和歌山県東牟婁郡串本町樫野埼1006番地1
Cafe La lapin
和歌山県東牟婁郡串本町樫野990‐1
0735-65-1212
木~火 営業
9:00~16:00
潮岬
和歌山県東牟婁郡串本町潮岬
0735-62-0810 (潮岬観光タワー)
年中無休
9:00~17:00 (潮岬観光タワー)
[Photo tsuchida&(公社)和歌山県観光連盟]
[取材協力]
(公社)和歌山県観光連盟
南紀串本観光協会
トルコ記念館
Cafe La lapin
潮岬観光タワー



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