櫻井翔の主演ドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)の展開が熱を帯びてきた。11月11日放送の第5話「ボクらの未来、ボクらが創る!変わり始めた学校!誇りと熱意、涙の結晶」では、追い詰められた鳴海涼介校長(櫻井)が考えた「オープンキャンパスをもう一度やる」という案が京明館高校を大きく変えるきっかけになる。


本作ではこれまで、英国への留学経験がある英語教師・島津智一(瀬戸康史)が得意とするアクティブラーニングに鳴海校長が着目、それを実践することを許可した。生徒たちが生き生きと授業を楽しんだことから、アクティブラーニングを行う教師が増える。今回は特進クラス2年3組担任で現代社会教師・真柴ちひろ(蒼井優)がクラスの生徒を説得したことから、校長が「ペップトーク」を思いつく。

そもそも鳴海校長は、総合商社樫松物産から会社が経営する私立京明館高校の経営を立て直すために新校長として派遣された。それ故に会社としての経営視点から教育現場を見がちだが、真柴先生たちから学校の実態や生徒の心理を聞かされながら手探りで進む。そんななか“天敵”とも言える樫松物産の専務・加賀谷圭介(高嶋政伸)を怒らせてしまい、自身を守るため「先手を打たねば」と9月に行ったばかりの「オープンキャンパス」を改めて行う作戦に出た。


学校説明会の前に行う「オープンキャンパス」はプレゼンであり、足を運んでくれた中学生と保護者にアピールすることが大切だ。そう主張する鳴海校長は「生徒たちでなにかやれないか」と担任たちに提案する。多くの担任が「生徒から積極的に手を挙げるはずがない」と諦めてかかるなか、真柴先生は「あなたたちにしかできない」と熱く語って生徒をやる気にさせるのだった。それを聞いた校長が「ペップトークだ」と感心する。

「ペップトーク」とはもともとアメリカでスポーツの試合前に監督やコーチが選手を激励するスピーチをいう。日本のアスレチックトレーナー岩崎由純氏がアメリカで学んだ「勇気を与える感動のスピーチ」を広く使えるコミュニケーションスキルとして確立したものだ。
「ペップトーク」を書籍で研究した真柴先生は再びクラスで生徒たちを激励したところ思わぬ事態となる。

それまで「京明館なんてアピールするところがない」「どうせ私たちがなにかをやっても大して変わらない」という意識だった生徒たちが、自主的に話し合い行動を起こす。「オープンキャンパス」を知ってもらおうと中学校前でチラシ配りをはじめ、見応えのあるイベントができないかと探し、全国大会に出た書道部の生徒に断られても頭を下げて頼みこむ。

そうやってこぎつけた「オープニングキャンパス」ではほとんどの教師が「アクティブラーニング」や「ペップトーク」で授業を行い、生徒たちからも拍手や歓声が沸くほど盛り上がる。最後に行われたイベントでは書道やDJによって組み立てられたショーを見せて感動を呼ぶのである。

「大学進学と奨学金の悩み」や「スクールカーストによるいじめ」「デジタル万引き」「無気力な教師」など教育現場での問題をあぶりだしてきた本作だが、生徒たちが生き生きと行動する姿はやはり気持ちがよい。


会社員としての自分の立場と校長として高校をどのように変革させるか、難しい課題を抱えて苦悩しながらも周囲の協力をもらいながら一歩ずつ前進する鳴海校長。不器用なところもありながら、根は真面目で正義感が強い性格を櫻井翔が好演する。

次回は鳴海校長とその恋人で樫松物産のOL・松原聡子(多部未華子)と真柴ちひろの関係がクローズアップされるが、微妙な立場を櫻井がどう演じるか注目だ。



画像は『【公式】ドラマ「先に生まれただけの僕」 2017年11月11日付Twitter「第5話ご覧頂きありがとうございました」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)