このほど、ふくよかな野良猫がポーランドの新たな観光名所として話題を呼んでいる。現在は削除されているが、一時はグーグルマップ上にランドマークとして登録され高評価を集めるほどの人気となった。
「飛行機で3時間かけて来た甲斐があった」と遠くから足を運ぶ観光客もいると英ネットメディア『The Independent』などが伝えている。

今回話題を呼んでいるのは、西ポモージェ県シュチェチン市カシュブスカ通りに住みついている野良猫の“ガツェック(Gacek)”だ。ガツェックという名前はポーランド語で、長い耳を持つコウモリである「ウサギコウモリ」を意味する。地元メディア『wSzczecinie』が2020年にYouTubeへ投稿したドキュメンタリー映像がきっかけとなり、ポーランド国内だけでなく隣接するドイツなど国外からも大勢がガツェックに会いに来るようになった。

地元民のマルタ・ノヴィツカさん(Marta Nowicka)によると、ガツェックは7年ほど前からカシュブスカ通りに現れるようになり、通りがかった人々がエサを与え始めたという。当初は痩せこけていたそうだが、多くの人にエサを貰うようになったことでガツェックは現在のように丸々とした恰幅のよい猫に成長した。


カシュブスカ通りの傍らには木製の小さな小屋が建てられ、現在ガツェックはそこを寝床にして生活している。一時はグーグルマップで「Gacek the Cat」と検索するとマップ上にピンが表示され、高評価を得たランドマークとして登録されていた。現在は削除されているが2600件近いレビューが集まり、そのほとんどが星5つの高評価だったという。シュチェチン市の観光名所としては、1428年に建設された「ポメラニアン公爵の城(The Pomeranian Dukes’ Castle)」や「カスプロビツァ公園(Kasprowicz Park)」などがよく知られており、ガツェックはこれらと肩を並べるほどの人気を誇っている。

レビューの中には「オスロ(ノルウェー)からポーランドのグダニスクで飛行機を乗り換えてやって来ました。ガツェックは私に興味を示さなかったので、とても充実した経験となりましたね。
もし世界のどこかにいる誰かと一緒に食事ができるのなら、ガツェックに食事をあげにもう一度飛行機に乗りますよ」という声もあり、熱烈なファンがいることがうかがえる。また「ガツェックに無視されたと思うと、飛行機に乗り3時間かけて会いにきた甲斐がありましたね」というレビューもあり、ぶっきらぼうな態度を見せるガツェックに惚れ込んでいる人もいた。


高評価が付く一方で、ガツェックの太り過ぎ問題について指摘する低評価も散見された。ガツェックは野良猫であり飼い主はいないが、大勢の観光客がガツェックのもとを訪れるようになってから、地域コミュニティや動物保護団体がガツェックにエサを与え過ぎないよう見守るようになったという。「勝手にエサをあげないように」とエサやりのルールが設けられ、近くには「エサをあげる場合には密閉容器に入れておいてください」と書かれたポスターも張り出されており、地域一丸となってガツェックの健康を管理しているそうだ。


ちなみに過去にはジョージアにて、まん丸に太った野良犬が一時的にグーグルマップのランドマークに登録され、ガツェックと同様に観光名所と化し話題を呼んでいた。




画像は『Gacek 2022年12月19日付Instagram「Portretowo by @werona.en」、2023年2月10日付Instagram「Czasami Gacek robi dalsze wypady na ulicy Pozdrawiamy」』『Mental Floss 2023年2月14日付「This Polish City’s Hottest Attraction Is a Chonky Cat Named Gacek」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)