今月4日、イギリスのある民家で火災が発生し、住人は全員避難したが14歳の犬が逃げ遅れてしまった。煙が充満する民家から犬が見つかったものの、すでに呼吸が止まっていた。
消防隊員がペット用の小さな酸素マスクで処置を行うと、奇跡的に犬は息を吹き返した。すすで全身が真っ黒になっていた犬だったが、白いフワフワな毛並みを取り戻して無事に過ごしているという。英ニュースメディア『Lincolnshire Live』などが伝えた。

火災は今月4日午後、英リンカンシャー州リンカーンのアーサー・ストリートにある民家で発生した。通報を受けて「リンカンシャー州消防救助隊」が同州内に配置する「リンカーン南消防署(Lincoln South Fire Station)」の隊員が駆けつけ、消火活動が始まった。

住人はなんとか避難できたものの、この家で飼われているジャック・ラッセル・テリア“ロッティ(Lottie)”が逃げ遅れてしまった。
ロッティは14歳と高齢で、耳も聞こえない状態だった。そこで消防隊員のケイティさん(Katie)とリチャードさん(Richard)が、装備を整えて炎に包まれた家の中に入ってロッティの救出を試みることにした。

玄関ドアのレターボックスから室内をのぞくと、すでに煙が充満していた。ここからの侵入は難しいと判断し、ケイティさんとリチャードさんは反対側に回り、キッチンのある裏口から入った。

室内を捜索すると、火元の近くで倒れているロッティを発見した。すぐに外に運んで救出したが、ロッティは息をしていなかった。
呼吸をせずぐったりとするロッティに、ペット用の小さな酸素マスクを装着し、心肺蘇生を行いながら、ロッティが息を吹き返すことを祈って酸素を送り続けた。そして20分後、ロッティは再び呼吸を始め、目を開けることができた。


その後、救急獣医が到着し、ロッティは酸素補給用のテントの中で一晩を過ごし、完全に回復した。ロッティはすすで真っ黒に汚れた体を洗ってもらい、白いフワフワの毛並みを取り戻した。


同消防署でクルーマネージャーを務めるケニー・マクラフリンさん(Kenny McLaughlin)は、「今回の火災で隊員たちがとった迅速な対応を誇りに思います。火災現場から人々や動物を救出することには慣れていますが、煙が小さな動物に与える影響は計り知れません。
事実として、15年のキャリアを持つ獣医は火災現場から救出される動物を多く見てきましたが、助かった動物は見たことがないと話しています。ロッティが幸運にも回復したこと、そして火災が深刻なものにならず済んだことに胸をなで下ろしています」とコメントした。

今回の火災は、住人がキャンドルの火を放置していたことが原因だった。ケニーさんは「部屋を出る時は必ずキャンドルの火を消すか、LEDのキャンドルを代わりに使いましょう」と注意喚起している。

ちなみに「リンカンシャー郡議会(Lincolnshire County Council)」によると、英国内では現在、すべての消防車にペット用の酸素マスクが装備されているそうだ。

画像は『Lincolnshire Fire and Rescue Facebook「Take a bow-wow: Firefighters rescue dog from house fire!」』『BBC 「Deaf dog with four teeth given CPR after fire rescue」(LINCS FIRE AND RESCUE)』『ABC News 「Plane crew comes to rescue of dog with oxygen mask for flight」(Michele and Steven Burt)』『New York Post 「Disaster relief hero performs mouth-to-mouth CPR on cat in dramatic video」(UME/Newsflash)』『Express Informer 「Saved from cat-astrophe: Four cats are rescued from a sinking ship by Thai navy」(PO1 WICHIT PUKDEELON via REUTERS)』『LADbible 「Firefighter Saves Drowning Lizard From Swimming Pool By Giving It CPR」(Credit: Gordon Fire and Rescue NSW/Facebook)』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)