10月17日、「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/ATPマスターズ1000)男子シングルス決勝が行われ、第21シードのキャメロン・ノリー(イギリス/世界ランク26位)が、第29シードのニコロズ・バシラシビリ(ジョージア/同36位)を3-6、6-4、6-1の逆転で下し、ATPマスターズ1000初制覇を成し遂げた。
【動画】ノリーのスーパーボレー!&決勝マッチハイライト
第1セット、ノリーはトップスピンを効かせた高い弾道のフォアハンドと、低い打点で打たせるバックハンドでバシラシビリのミスを誘って、先にブレークに成功。
あとがなくなったノリーは第2セット第3ゲームでブレークされ、先にリードを許してしまったが、バシラシビリのフォアハンドにミスが続いて、直後のゲームでブレークバック。そのまま互いにサービスをキープし迎えた第10ゲームでノリーは、足元にショットに対して華麗なボレー、走りながらのパッシングショットを決めるなど、セットポイントを握ると、これを確実にものにして第2セットを奪取。試合は最終セットにもつれた。
その最終セット、疲れの見えたバシラシビリは足が止まってしまい、強引な攻撃が多くなる。それとともにミスが増えると、ノリーが2度のブレークに成功。逆転でバシラシビリを下し、同大会で初めてとなるイギリス人の優勝、そしてキャリア最大のタイトルを獲得した。
ノリーは、「この1週間は信じられないほど素晴らしいものだった。自分が何を経験したのかまだよくわかっていないよ。この2週間は素晴らしいものだった。すべての場面、大切な瞬間、試合にとても満足している。自分にとって最大のタイトルを獲得できてとてもうれしいよ」と振り返った。
また、「毎日ロッカーの上に靴を置いていたんだけど、昨日の夜にクリーニング屋か誰かが来て僕の3足の靴を捨ててしまったようなんだ。イギリス人が靴を盗んだことに何の恨みがあるかはわからないけど、取り戻せなかった。新しい靴でやるしかなかったよ。幸運なことに僕は(アンディ・マレー/イギリスのように)結婚指輪を着けていなかったからなくさずに済んでよかったね(笑)」と、決勝戦の前には履き慣れたシューズがなくなっていたと明かしたノリー。「理想は5~6回の試合や練習をしたシューズでプレーしたい。新しいものは少し重く感じるんだ。試合中も考えたこともあったけど、『これは買ったばかりの靴だから、今自分がコントロールできることに集中しよう』と言ったんだ。少しずつ履き慣れて、最後は良い感じになったね」と、大きなトラブルにならなかったとした。
今年7月のATP250ロスカボス大会でツアー初優勝を遂げたノリーは、これでシーズン2勝目。準優勝も4度あり、ランキングもダニエル・エバンズ(同22位)を抜いて、イギリス人トップになることが確定している。