11月23日、ATPは来シーズンから適用される新ルールを発表。トイレットブレークや着替えの時間がより厳格化された。
【動画】物議を醸したチチパスのトイレットブレーク。コートを離れると同時に、父が携帯電話を触る
シーズン開始からルール変更となったのは、トイレットブレークとウェアの着替えについて。トイレットブレークを1試合につき1度のみとし、トイレに入ってから3分以内。加えて、ウェアの着替えも2分となり、トイレットブレークと同時に行わなければならないこととなった。時間内に準備ができなかった場合は、タイムバイオレーションが取られる。
また、適用日は決まっていないもののメディカル・タイムアウトも変更。これまで治療箇所1つに対して、3分の治療時間が与えられていたものの、チェンジオーバーまたはセット間に限り、1試合につき1回3分のみにするという。
これまで一部の選手がトイレットブレークやメディカル・タイムアウトを戦略的に使っていたが、大きな問題となったのが今年8月のATPマスターズ1000シンシナティ大会でのステファノス・チチパス(ギリシャ)の行動だ。トイレットブレークを取ったチチパスが携帯電話の入ったバッグを持ってコートを離れると同時に、コーチを務める父のアポストロス氏が観客席で携帯電話を使って、誰かと連絡を取っているような姿がカメラに抜かれ、「コーチングしているのではないか」との疑惑が上がった。加えて、約8分もコートを離れていたため、対戦相手のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)も怒りを露わにした。
その後のUSオープンでもチチパスのトイレットブレークの長さは変わらず。1回戦の対戦相手だった元世界ランク1位のアンディ・マレー(イギリス)は、メディカル・タイムアウトや約8分にも及ぶトイレットブレークのせいで、フィジカルに影響があったとコメント。
しかし、現在のルールでトイレットブレークは、3セットマッチでは1回だけとされ、時間は明記されていない。今回の変更は、選手にとってより厳しいものとなった。
なお、ATPのルール変更のため、5セットマッチとなるグランドスラムには適用されないようだ。