現地3月17日、「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/ATPマスターズ1000)シングルス準々決勝で、第4シードのラファエル・ナダルにフルセットで敗れたニック・キリオス(オーストラリア/同132位)。その試合の会見で、試合中に叫ぶ観客に対して「少しは敬意を払ってほしい」と苦言を呈した。
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この日の試合、キリオスがビッグサーブや強烈なストロークを放てば、ナダルもそれに応戦。ナダルがリードを許しながらも逆転で第1セットを奪えば、キリオスが第2セットを奪い返すという拮抗した試合を繰り広げた。
この熱戦にファンは大盛り上がりだったが、その試合中、ポイント間やファーストサーブとセカンドサーブの間で観客から声が上がり、何度も試合が止まった。その度、審判が注意し、挙句の果てに「ここでテニスを見たい人が1万人いるのに、あなただけが狂ったように叫んでいる」とも言わせた。
観客の声に苛立ち見せ、集中力を乱されたキリオスは、試合後の会見で「ラファと対戦するとき、観客の99%が彼のために動くと思う。僕が勝っても負けても、観客が応援や僕の名前を叫んだり、熱狂してくれることは期待していない。ただ、観客には自分が“観客”であることを知っていてほしい。僕らのプレーを見るためにチケットを買ったんだ。少なくとも、ファーストサーブとセカンドサーブの前に大声を出すのはやめてほしい」と苦言を呈した。
キリオス自身、重要な局面でポイントを奪えば、観客を煽って試合を盛り上げようとする。だが、テニスの試合における最低限のマナーは守るべきだとも言っている。
1月に行われた全豪オープンでも同様で、地元オーストラリアの観客はキリオスを応援しようと大声を上げていた。
「彼らはこの前の大坂(なおみ)戦の時ように、選手に対して影響を与えるような大声を出す権利があると思っている。僕らはただの人間だ。超人じゃない。僕もラケットを投げて、それが誰かの近くに飛ぶかもしれないし、完璧ではない。言いたいのは、人にそんなことをしてはいけないということだ。ただ座って、ショーを楽しめばいい。今日はかなりレベルの高い試合だったと思うし、少しは敬意を払ってほしい」とも述べた。