全仏OPで2度準Vのルードが2回戦で姿を消す


「全仏オープン」(フランス・パリ)男子シングルス2回戦が5月28日に行われ、第7シードのキャスパー・ルード(ノルウェー/世界ランク8位)はヌーノ・ボルジェス(ポルトガル/同41位)に6-2,4-6,1-6,0-6で敗戦。クレーコート・シーズン初戦から左膝を痛めていたと明かした。


【画像】「全仏オープン」男女シングルス組み合わせ

この日は第1セットを取ったものの、全力でプレーするがゆえに左膝に痛みを抱えたままプレーしていた。最初の2セットこそ良いプレーができたと言うが、次第に状態も悪化。途中棄権もよぎったとしながら、グランドスラムということもあってプレーを続行。メディカル・タイムアウトでの治療や抗炎症剤を服用したものの効果は得られず、逆転負けを喫した。

「この数週間、左膝の痛みが続いていて辛かった。ローマの後、ジュネーブを欠場しこの大会に備えて最善を尽くしたんだ。練習では自分の動きを制限できるから大丈夫だが、試合ではそうはいかない。とにかくヌーノ(ボルジェス)が素晴らしい試合をしたということ。本当に高いレベルでプレーしていた」と膝を痛めていたことを明かしつつ、相手のボルジェスのプレーを称えた。

怪我について、最初の痛みがあったのはクレーコート・シーズン初戦となったATPマスターズ1000モンテカルロ。試合の厳しさによって痛みが変わり、炎症で膝に液体がたまってそれを抜く必要があったという。

「一番痛みを感じるショットは、左脚でスライドするオープンスタンスのバックハンド。
痛いのが左膝だから、それが一番きつい。足を内側に回転させる動作も痛む」

ルードにとっては得意のクレーコート・シーズン。準優勝を2度している全仏オープンに加えて、ATPマスターズ1000が3大会とビッグタイトルが続く。怪我をしっかり治してからプレーしたいと考える一方で、今のツアーの状況は“過酷な競争”だとする。

「ランキングの面では“ラットレース(競争社会)”のようなもの。ATPの定めたルールで、出場義務のある大会がある。出場しないと賞金やポイント、ランキング、チャンスなど多くを失う。僕にとってこの時期の大会が、シーズン後半やキャリアにとってとても重要なんだ。もちろん脚が完全にダメだったら出場しないが判断は難しい」

「出場義務のある大会を欠場すると、他の選手がポイントを稼ぎ、自分は何も得られない。ボーナスプール※の制度もあり、義務大会を欠場するとボーナスが25%減らされてしまうんだ。これには疑問符がつく。選手を怪我や病気でも出場させようとするのは、公平ではないと思う」

今後はウィンブルドンに向けてグラス・シーズンが始まるわけだが、怪我の状態が最優先。
追加の検査を受けるとしており、「ローマからこの大会まで5日間ほど完全休養したが、それでは痛みが引かなかった。もっと長い休みが必要だと思う。1~2週間様子を見たい」と復帰時期は未定。「今は痛み止めを飲まずに数日間過ごすのが楽しみだよ。しっかり休んで回復させたい」とした。

※2025年、ATPはATPマスターズ1000の9大会とATPファイナルズでランキングポイントを獲得した上位30人の選手に総額2100万ドル(約30億円)を分配。1位は5億6000万円以上の固定ボーナスを獲得できる。またポイント数にも応じてボーナスがあり、これらを受け取るためには出場大会数も重要となる。8大会以上の出場で全額獲得することができ、7大会で75%、6大会で50%、5大会で25%と減少していく。
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