内島萌夏 激闘を制して3か月半ぶりの勝利で「全米オープン」2回戦へ


「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク)女子シングルス1回戦が現地8月24日に行われ、内島萌夏(安藤証券/世界ランク94位)は、3時間9分の激闘の末にオルガ・ダニロビッチ(セルビア/同39位)を7-6(2),4-6,7-6[11-9]で下して、2年連続で2回戦に進んだ。

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24歳の内島は、今年4月のクレーコート・シーズンのWTA1000マドリードで、当時世界3位のジェシカ・ペグラ(アメリカ)ら上位選手から勝利を挙げて8強入りした。
だが、の大会以降、公式戦での白星はわずか1勝。全仏オープンから9大会連続で初戦敗退と苦しんでいる。

2年連続2度目となった「全米オープン」の初戦では、世界39位のダニロビッチと対戦。唯一の対戦となった4月のWTA250ルーアン準々決勝では、7-6(9),4-6,6-1の接戦の末にダニロビッチが勝利している。

この日の試合、第1セット第1ゲームで3本のダブルフォールトなどサーブに不安定さを見せた内島は、5度のブレークポイントを握られたものの、なんとかサービスキープに繋げる。これで落ち着いたか、コントロールされたショットでブレークを許さない。互いにサービスキープし突入したタイブレークでは、内島がしぶとく返球しミスを引き出しつつ、甘い球は逃さず攻撃。開始から4連続ポイントで先行すると、リードを手放すことなく7-6(2)で第1セットを先取した。

続く第2セット、第1ゲームでリターンからプレッシャーをかけていき、先にブレークに成功した内島だが、第6ゲームではダニロビッチがブレークバック。競ったまま終盤にもつれると、ストロークでのミスが増えて苦しい時間帯を守り切れず、第10ゲームもサービスゲームを破られて4-6でセットを失う。

第2セットは守りのプレーが目立った内島だが、最終セットは鋭いショットを放つなど積極的な姿勢を見せる。拮抗した展開の中、第8ゲームで内島は痛恨のブレークを許して3-5。
直後のダニロビッチのサービング・フォーザ・マッチでは40-0とされてしまう。

しかし、絶体絶命のピンチとなった内島は、勝利目前に硬くなったダニロビッチを攻め抜いて、3本のマッチポイントを守り抜き土壇場でブレークバック。さらに、5-6でも0-40とされたが驚異の粘りを見せ、再び3度のマッチポイントをしのいでサービスキープし、勝負は10ポイントマッチタイブレークに突入。

苦しい体勢からのウィナーや堅実なリターン、好サーブで6-1とリードを広げた内島は一度は追いつかれたものの、10-9と初めて訪れたマッチポイントでダニロビッチがダブルフォールト。計7度のマッチポイントをしのぎ切って、3か月半ぶりの白星を手にして2年連続で2回戦に進んだ。9大会連続初戦敗退と勝ち星を上げられない苦しい時期を乗り越えた内島は、試合後には涙を流した。

2回戦では、前哨戦のWTA1000モントリオールでツアー初優勝を飾った18歳、第22シードのビクトリア・エムボコ(カナダ/同23位)と、グランドスラム通算2勝のバルボラ・クレイチコワ(チェコ/同62位)の勝者と対戦する。
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