ガウフのラケット破壊中継にジョコビッチも言及「常に見られる時代」
「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン)で、ココ・ガウフ(アメリカ)の舞台裏でのラケット破壊映像が中継されたことを巡り、選手のプライバシーと中継のあり方が議論となっている。この問題について、男子テニス界を代表する存在であるノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、自身の立場から見解を示した。
【動画】完敗直後に怒りが収まらず…ガウフがラケットを破壊したシーン
女子シングルス準々決勝敗退後、一般客の目に触れないと判断した場所でラケットを叩きつけたガウフの姿が中継されたことについて、ジョコビッチはまず率直な共感を口にした。、敗戦後のフラストレーションからラケットを折る行為についても、「自分もキャリアの中で何度か経験してきた」とした上で、ガウフの立場に強い理解を示した。
とりわけ、怒りや苛立ちをカメラに映らない形で吐き出す場所がほとんど存在しない現状について、「本当に悲しいことだ」と語り、舞台裏であっても常に撮影される環境に疑問を投げかけた。
こうした舞台裏の撮影は、グランドスラムでは全豪オープンが最初に本格導入した演出で、2019年から始まっている。選手の移動、ウォームアップ、コーチとのやり取りといった、これまで観客の視線から切り離されていた領域を「コンテンツ」として可視化する試みで、ジョコビッチは当時からこの状況を「ビッグ・ブラザー・ワールド」と表現し、選手が常に“見られる存在”になることへの違和感を示してきた。
今回も、コンテンツ需要が拡大し続ける現代において、カメラが減る方向に流れが変わるとは考えにくいとの認識を示し、冗談交じりに「シャワールームにカメラがないのが不思議なくらいだ。次はそこかもしれない」と語った。
一方で、ジョコビッチ自身はこうした流れに賛成しているわけではない。選手には守られるべき限界線があり、どこかに明確な境界が必要だとしながらも、長年ツアーを戦ってきた経験から、この潮流が後戻りする可能性は低く、最終的には受け入れざるを得ない現実だとの見方を示した。
舞台裏映像の中継に不快感を示したガウフや他の女子選手の問題提起に対し、ジョコビッチの発言は共感と現実認識の両面を含んだものとなった。選手の尊厳とエンターテインメント性の境界線をどこに引くのか。この問題は、テニス界全体に突きつけられた課題であり続けている。



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