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※2020年8月撮影

トップ画像は、JR西日本岩徳線西岩国駅。

さて、新しいコラムを開始いたします。

内容は、タイトルで一目瞭然。筆者は、度々「古い木造駅舎があるのでゆっくり訪ねたい」とコラムなどに記しております。

【駅ぶら】は、新撮の写真を使っていますが、【50代から始めた鉄道趣味】では古い、と言っても5~6年前の写真ですが、まぁ、最新ではない写真でコラムを書かせていただいております。読者様から「情報が古くて役にたたない」などのご不満もある様に側聞しております。

ソコでこの夏、一念発起、青春18きっぷをフルに活用して味わいのある木造駅舎を撮る鉄道旅に出かけることにしました。トップ画像には、最も好きな木造駅舎の1つというコトでJR西日本岩徳線西岩国駅です。

JR九州日田彦山線彦山駅の駅舎も素晴らしい。※現在は運行休止区間です。

初回が長過ぎですよね【木造駅舎巡礼01】東海道本線01
※2020年8月撮影

筆者は三浦半島在住です。素直に東海道本線の木造駅舎を撮ることからスタートします。計画では東海道本線、山陽本線、山陰本線という順番。途中に、呉線、美祢線などをはさんで進行します。

山陰本線の難読駅名で超有名な特牛駅にも魅力的な木造駅舎がありました。

初回が長過ぎですよね【木造駅舎巡礼01】東海道本線01
※2020年8月撮影

では木造駅舎鉄道旅に出発する前に東海道本線の概略を書いておきます。初回から「文字ばかり」ですが御容赦ください。間に少しずつですが写真をはさんでおきます。

東海道本線は、起点東京駅、終点が神戸駅の589.5km(支線を除きます)。起終点駅を含め186の駅があります。

もちろん旧国鉄以来の大動脈ですから大きな駅も多く「木造駅舎なんて残ってるの?」と思われるかもしれません。筆者もその様に思いましたが、調べてみるとわずかですが残っているのです。

筆者は「東海道本線」と書いていますが、これは旧国鉄時代の『日本国有鉄道線路名称』によるもので、国鉄分割民営化後の『日本国有鉄道の事業等の引継ぎ並びに権利及び義務の承継等に関する基本計画』では、「東海道線」と定められています。国土交通省『鉄道要覧』では「東海道線」が、JRの線路名称公告では「東海道本線」が使われるなど両方の名称が並立して使用されています。以降、筆者は基本的に「東海道本線」を使用します。

初回が長過ぎですよね【木造駅舎巡礼01】東海道本線01
※2018年4月撮影 東海道本線美濃赤坂支線美濃赤坂駅

1872年(明治5年)日本で最初の鉄道、新橋駅(後の汐留貨物駅、現存しません)から横浜駅(現・桜木町駅)までが開通。

これが東海道本線の始まりになっています。その17年後、1889年(明治22年)新橋駅~神戸駅間(600.2km ※当時の距離)が全通。直通列車は(たぶん)蒸気機関車をとり替えながら20時間強で関東と関西を結びました。当時の人にとっては驚異的な速さだったでしょう。

その後、東京駅の開業や現・御殿場線(旧・東海道本線)から現在の丹那トンネルを通るルートに変更されたりしました。全線電化は意外に遅く、筆者の生まれた1956年(昭和31年)です。

東海道新幹線以前の時代、関西出身の両親に連れられて筆者は151系ボンネット電車「特急こだま号」で6時間50分かけて東京~大阪間を何度も往復しました。

三浦半島に住むようになって日常的に眼にする大船駅近くの観音様もこの東海道本線往復時代に見たのが最初でした。子供の頃は怖がっていたそうですが。(笑)

初回が長過ぎですよね【木造駅舎巡礼01】東海道本線01
※2019年12月撮影

東海道新幹線開通の1964年(昭和39年)以降、東海道本線は優等列車が廃止され(寝台急行銀河などはありましたが)主に地域輸送を担う路線になりました。国鉄分割民営化以後は、特に熱海駅~米原駅間がJR東海による細切れの輸送に替わり、青春18きっぷで東海道本線を旅するには煩雑に乗り継ぐことになります。

各鉄道会社の担当区間を見ます。

以下の各社区間距離は支線などを含みません。例えば、今回美濃赤坂支線美濃赤坂駅の写真を使っていますが、この支線は以下の距離に入っていません。

JR東日本 東京駅~熱海駅 104.6km

JR東海  熱海駅~米原駅 341.3km

JR西日本 米原駅~神戸駅 143.6km

※JR西日本によって以下の愛称が使われています

米原駅~京都駅間は 琵琶湖線

京都駅~大阪駅間は JR京都線

大阪駅~神戸駅間は JR神戸線

今回は横須賀線で大船駅まで来て乗り換えましたが、通常、JR東日本は東京駅~熱海間が東海道本線の基本単位です。

初回が長過ぎですよね【木造駅舎巡礼01】東海道本線01
※2018年4月撮影 東海道本線美濃赤坂支線美濃赤坂駅

JR東海は、実際に細切れの運行になっていて、以下は熱海駅からの行先別に本数の多い順番と区間の所要時間です。

・熱海駅~島田駅(14本 109分)

~浜松駅(13本 163分)

~沼津駅(11本 18分)

~静岡駅( 7本 74分)

~富士駅( 3本 39分)

~豊橋駅( 3本 202分)

この後の組み合わせは極めて煩瑣になるので省略します。・・・とは言え運行の多いパターンを書いておきます。

・島田駅~浜松駅(54本 45分)

~豊橋駅(8本)

岐阜駅(1本)

~菊川駅(1本)

・浜松駅~豊橋駅(41本 33分)

~岐阜駅(7本)

~大垣駅(新快速・3本)

・豊橋駅~岐阜行(33本 79分)区間快速(1本)

~大垣駅(新快速・24本 特別快速・15本 快速・19本 区間快速・2本 各駅停車1本)

※新快速、特別快速、区間快速、快速の停車駅の差異は詳らかにしませんが、いささか偏執的なモノを感じます。この他に、以下もあって、このダイヤグラムを組んだ方の「複雑さへの嗜好」が空恐ろしくなります。(笑)

名古屋行区間快速(1本)快速(1本)

米原行新快速(3本) 区間快速(1本)快速(2本)

関ヶ原行特別快速(1本)区間快速(1本)

岡崎行(2本)

・岐阜駅~大垣駅(29本 12分)※剰りに煩雑なので他駅行は、以下省略します

・大垣駅~米原駅(36本 35分)

・・・と多い時は5回以上の乗り継ぎとなります。何故JR東海さんが斯くも複雑怪奇なダイヤグラムを組まれているのか知る由もありませんが、この熱海駅~米原駅間を「どれだけ少ない乗り継ぎで通過するか」は毎回時刻表を眺めながらの楽しい「アタマの体操」になっています。乗り継ぎ駅での食事や深呼吸などを自分なりに組み入れます。

名古屋駅ホームの「きしめん」がポイント高いですよ。(笑)

米原駅からは、JR西日本の新快速に乗ればダイレクトに神戸駅まで(実際は姫路駅まで)行くことができます。要は東海道本線で面倒な区間は、熱海駅~米原駅間だけなのです。

初回が長過ぎですよね【木造駅舎巡礼01】東海道本線01
※2020年8月撮影JR西日本山陽本線万富駅 新快速ではありません 各駅停車です

あまりに長くなったので次回に続きます。次回からは写真中心になるので、呆れずにお付き合いください。

(写真・文章/住田至朗)