※2020年9月撮影
トップ画像は、東北本線桑折(こおり)駅。前回の陸前山王駅は宮城県でしたが、東北本線は仙台駅を越えて福島県に入りました。
東北本線の西側には東北新幹線が並行していますが、同じ地上線なので見えません。駅前の道を南に少し行くと駅前広場があります。
桑折駅は、1887年(明治20年)伊達郡内で最初に開業した鉄道駅でした。駅舎は1940年(昭和15年)に改築されています。戦前の建物とは思えないモダンな佇まいです。果物が美味しい福島県らしく桑折は桃の栽培が盛んな土地で、皇室に献上される桃が有名です。駅舎内にも「ステーションギャラリー ピーチプラザ」があります。
駅出入口。郵便ポストと電話ボックスが両側に分かれています。この駅にも「桑折駅の駅名由来」(黄色矢印)が掲出されていました。
その内容は以下です。
「桑折」の語源は「郡(こおり)」で、奈良時代の郡衙(ぐんが=郡司が政務を執った役所)があった村落を意味し、全国にも多く見られる地名です。
「郡」が「桑折」になったのは、この地方は養蚕が盛んで、桑畑が多くあったことから改められたと考えられています。この地の行政的な位置づけを明らかにするとともに、産業面の配慮もなされたものと思われます。
また、源頼朝から伊達郡西根郷桑折村を与えられた中村朝宗の子・為宗が、阿武隈川の氾濫に毎年悩まされていた住民に、諏訪神社の託宣により、桑の木を沿岸にたくさん植えさせたことに由来するという説もあります。桑の木は土砂の流出を防ぎ、また養蚕も盛んになっていったということです。
この地名の由来を受けて、明治二十年(1887)十二月十五日、東北本線が当地に開通したとき、桑折駅が開業しました。
◆参考資料◆ ■「桑折町史」 ■仙台鉄道管理局「わが駅からの散歩道」
南西側から駅舎。意外に大きい駅舎なのです。
駅舎の正面が道路の幅しかないことが分かります。
こちら側には、昔懐かしい水のみ場があります。
※鉄道の撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいています。
(写真・文章/住田至朗)



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