2022年9月23日(金・祝)の西九州新幹線開業にともない、博多~長崎駅間を結ぶ在来線特急「かもめ」が運行を終了しました。最終運行日となった22日は、地元の利用者だけでなく、全国各地から「乗り納め」に来るファンの姿も見られました。
ラストラン列車となったのは、885系車両を使用した「かもめ45号」です。白いかもめは定刻より17分ほど遅れて長崎駅3番のりばへ入線。JR九州社員や「かもめ」のファンらが手旗で出迎えました。同列車は15分ほど停車したのち、回送列車として長崎駅を後にしました。
特急「かもめ」は1937(昭和12)年、東京~神戸間を結ぶ客車列車として登場。名前は漢字表記の「鷗」です。戦時中に一時廃止されたものの、1953(昭和28)年に京都~博多間を結ぶ特急列車として復活します。
1961(昭和36)年、特急「かもめ」は気動車化され、運行区間も京都~長崎・宮崎間に延長されました。この時点ではまだ電車特急ではありませんが、長崎行の特急「かもめ」の歴史はここから始まったと言っても差し支えないでしょう。
電車の特急「かもめ」が誕生したのはそれから15年後の1976(昭和51)年です。前年の山陽新幹線博多開業にともない、気動車特急「かもめ」はいったん廃止となりましたが、長崎本線・佐世保線の電化が完了したことで、1976年から485系エル特急「かもめ」として再復活を遂げます。国鉄分割民営化後、JR九州は783系、787系、885系を「かもめ」に投入し、今日まで親しまれてきました。
あす2022年9月23日(金)からは、特急「リレーかもめ」と新幹線「かもめ」が登場。武雄温泉駅で対面乗り換えを行う「リレー方式」により、博多~長崎駅間を最短1時間20分で結びます。