初列車となった長崎駅発「かもめ2号」

2022年9月23日(金・祝)、西九州新幹線武雄温泉~長崎駅間(66キロ)が開業しました。

JR九州の発表によりますと、開業日の乗車率は、15時時点の集計で指定席90%、自由席77%の計82%(上下計8,052人)、三連休の合計では武雄温泉~長崎駅間で約3万2,000人が利用したということです。

新しく開業した新幹線をいち早く体験したいという需要、開業記念のご祝儀的な乗車もあったものと思われますが、コロナ禍前にあたる2018年の特急「かもめ」利用実績と比較しても1.4倍の数字が出ています。SNS上でも西九州新幹線に乗車された方の投稿が多数見受けられました。

西九州新幹線は「全トンネルで電波が通じる」は本当か

西九州新幹線に初乗車された方の感想をSNSで拝見したところ、少し気になる投稿がありました。「西九州新幹線は全区間で電波が通じる」という喜びの声が上がっていた一方で、一部トンネル区間などで電波が通じないとする投稿も見られたのです。

数年前までは、新幹線のトンネルで電波がつながらないケースが多々ありました。こうした状況を改善すべく、総務省は「電波遮へい対策事業」を進めており、トンネル内でも通話等が行えるよう施設整備のための補助金を交付しています。北陸新幹線(東京~金沢駅間)や九州新幹線(博多~鹿児島中央駅間)では、開業後徐々に対策を進め、携帯電話のサービスエリアを拡大してきました。

では西九州新幹線では? JR九州広報や総務省九州総合通信局に確認したところ、開業時点で「電波遮へい対策事業」が完了しているとのことで、最初から全区間で電波が通じるようになっています。携帯電話サービス提供事業者は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの通信3社です。

筆者は仕事用・プライベート用どちらもドコモのスマートフォンを使用していますが、西九州新幹線乗車中は電波が途切れることなく快適に利用できました。「通じなかった」という声が上がったのは、開業日のあまりの人の多さによるものと考えられます。

普段あまりスマートフォンを使わない人には理解しづらい感覚かもしれませんが、トンネルが来るたびに通信が切れるのは結構なストレスです。

西九州新幹線の開業は、こうした現代的なサービス改善とセットになっているのが嬉しいところですね。

余談ですが、北陸新幹線の金沢~敦賀駅間についても、2024年春の開業までに対策が完了し、最初から全区間でスマートフォンが使えるようになるようです。

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